1つだけ!英語で笑いを取るジョークを覚えてみない?

職場や学校での新しい人間関係など、春は環境が変わる季節。早く周りと打ち解けたいですよね?この記事では、NHK『ラジオ英会話』講師としておなじみの遠山顕先生に、英語で笑いを取ってその場を和ませる、楽しい会話術を伝授していただきます。パーティーやお花見などで、場の盛り上げに貢献したい方は必見ですよ!

面白いジョークには必ずといってよいほど意外なエンディングがあります。その意外さのインパクトやクオリティーによって、笑いのレベルが変わります。

また、ジョークの目的は聞く者を楽しませるもので、次の2通りのタイプがあります。

  • 自分1人で行うジョーク(漫談みたいに1人で起承転結して語っていくタイプ)
  • 双方向で行うジョーク(自分と相手とのやりとりがあるタイプ)

ネイティブなら誰でも知っている「ノックノックジョーク」

パーティーで、外国語としての英語を操りながらのエンターテインメントを行うのはなかなか骨が折れます。そこでまず最初に、意外さもそこそこあり、かつ双方向で行えるジョークを紹介します。これはネイティブ・スピーカーなら誰でも知っているいわゆる公式ジョーク( formula joke)の1つです。ドアの向こうに誰かがやって来たという設定で、やり取りは次のように決まっています。

あなた: Knock, knock.(ドアをノックするジェスチャーをして)

トントン。

全員: Who’s there?

どなたですか?

あなた: Jimmy.

ジミーです。

全員: Jimmy who?

どちらのジミーさんですか?

あなた: Jimmy a break.(=Give me a break.)

(Gimme a break. と言っているような感じで父ギャグ風に)いい加減にしてよ。

これは knock-knock joke と呼ばれる双方向ジョークで、下線を引いた部分にいろいろな人名(でなくてもよい)を入れて、最後にそれ(の語呂合わせ)で始まるフレーズなり文なりを加えてpunchline(落ち)を作ります。意外性が高いほどウケが良くなるのは言うまでもありません。

まずは日本語版のノックノックジョークで小手調べ

まずは日本語で披露すると周りをうまく巻き込めるかもしれません。その際、パーティーの参加者の名を借りると「巻き込み度」が上がって盛り上がると思います。

あなた: トントン。

全員: どなた?

あなた: 山田

全員: 山田何さん?

あなた: 山田これからの人間です。(いやまだこれからの人間です)

これでウケが良ければ(そうでなくてもめげず)次は地名を使ってみます。
あなた: トントン。

全員: どなた?

あなた: 京都

全員: 京都何さん?

あなた: 京都いう日を待っていた。

これで下線の部分には何でも入る No holds barred.(禁じ手なし)であることを理解してもらいます。この日本語ノックノックジョークをしばらくやっても(自分だけでなく 希望 者を募るのも)面白いものです。

日本語と英語を両方使って気軽に楽しもう!

昔の話になりますが、ある演劇公演のあと、土浦から上野へ帰る車中で、外国人も入ってにぎやかに和英ノックノックジョーク大会を続けたことがありました。

英語で行う場合、日本語をひねって、

あなた: Knock, knock. 

全員: Who’s there? 

あなた: 鴨志田 

全員: 鴨志田 who? 

あなた: Come on , sit down!

こうして和英をまぜて行えば気楽さが生まれます。そしてあなたが司会になってノックノックジョークの相手役を募っていけば、笑いと寒いジョークにうめく雰囲気の中で文化横断的で英語と日本語の2カ国語を楽しむ時間をしばし持つことができるでしょう。

英語では「寒いジョーク」を groaner(うめくもの)と言います 。そしてノックノックジョークにはこの groaner が多いという特徴があり、その点を 了解 の上で事を運ぶと、余計な緊張をせずにすむでしょう。

外国人や日本人の 同僚 の名前を使うと盛り上がると思いますよ!ぜひお試しを!

「寒いジョーク」に評価を付けて遊ぼう!

さらに盛り上げるには、ジョークのあとに、good、bad、ugly(良い、悪い、おぞましい)といった「評価」を下すのもよいでしょう。余談ですが、これはセルジオ・レオーネ監督の傑作西部劇『続・夕日のガンマン』(1966年公開)The Good, the Bad and the Uglyから借用したもの。

このジョークに興味のある方は、knock-knock jokesで検索すれば、星の数ほど発見できます。腑に落ちるものから集めるもよし、そうでないものを書き留めるもよし、 Good luck

自分の十八番にしてみない?漫談のようなジョーク

ノックノックジョークのほかにもたくさん知ってほしい英語ジョークがありますが、文字数の制限もありますから、ここではあと一つ、とっておきの「話す犬」のジョークを紹介しますね。自分1人で行うジョークです。

まず、聞いたことがありますか?という質問でスタートします。

Have you heard the one about this talking dog and a talent agent ?

話す犬と芸能事務所の話、聞いたことありますか?

No .という答えが返ってきたら、聞いたことがあったら止めてくださいね、と断りを入れてから始めます。
Stop me if you heard it.

もし、聞いたことがあったら止めてくださいね。

この作品は個人的に(言いやすさも含め)名作と評価できるジョークの1つ。言葉を話す犬を芸能事務所に売り込むため、男が事務所を訪問します。犬の返事が笑えますが、事務所の人は無感動です。
A man has a talking dog.

ある男が言葉をせる犬を飼っています。

 

He brings it to a talent agent and says, “This dog can speak English.”

彼は犬を芸能事務所に連れて行って、こう言います。「この犬は英語が話せるんですよ」

 

The agent , unimpressed, says, “Okay, I’m all ears.”

事務所の人は感銘を受けた様子もなく「じゃ、伺いましょう」と言います。

 

“Okay, Spot,” the man says to the dog, “what do you see on top of that house?”

「よおしスポット」と飼い主が犬に言います「あの家の上に何が見える?」

 

“Roof!” the dog says.

「ルフ(屋)!」と犬が言います。

ジョークは現在形で語るのが普通です 。犬の吠え声と roof の発音とをうまく合わせると効果抜群です。芸能事務所のウケが悪いので、男は次の質問をします。
“Oh, come on ,” the agent says. “All dogs go ‘roof’.”

「おい、頼むよ」と芸能事務所の人が言います。「どんな犬でもルフと鳴くよ」

 

“Okay, then ,” the man says and asks the dog, “What is a stormy ocean like?”

「じゃ、ですね」と男は言うと、犬に向かって「嵐のはどんな様子かな?」と聞きます。

 

“Rough!” the dog says.

「ラフ(荒れている)!」と犬が答えます。

ここでも犬の吠え声とroughの発音とをうまく合わせると効果があります。芸能事務所の人はあくびをするので、男は最後の手を打ちます。
The agent yawns.

芸能事務所の人はあくびをします。

 

“All right ,” the man asks the dog: “In your opinion, who is the greatest baseball player?”

「よおし」と男は犬に向かって訊きます。「君の考えでは、最も偉大な野球選手は誰だろう?」

 

“Ruth!” goes the dog.

「ルース!」と犬は言います。

これは偉大なホームラン王ベーブ・ルースの Ruthで、やはり犬の吠え声と混ぜて言いましょう。ついに男と犬はエージェントに追い出され、ジョークも最後になります。
The talent agent kicks them out of his office onto the street.

芸能事務所の人は彼らを事務所の外の通りに追い出します。

 

And the dog turns to the man and says, “Maybe I should have said Ichiro?”

すると犬は男に向かって、「もしかしてイチローと言うべきだったかな?」

犬が最後に「もしかしてイチローと言うべきだったかな?」と質問するのが punchline です。できるだけハッキリした物言いで、かつオーバーにならずに語り続け、落ちを忘れずにどうぞ。クリーンなジョークで、なおかつ日本人らしさのある落ちに変えました。 Good luck !

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