ちょっと気になる英単語を毎回ピックアップしてお届けします。今回取り上げるのは「bed rotting」。直訳すると「ベッドで腐る」ですが、近年、休み方の多様化を象徴する言葉として注目されています。忙しい日々の中で、“何もしない時間”をあえて確保するスタイルを表す一語です。
“何もしない時間”がトレンドに?
最近、「休み方」にまつわる言葉をよく耳にしませんか。
忙しさやプレッシャーが続く日々の中で、あえて“何もしない時間”をつくることが、ひとつのセルフケアとして捉えられるようになってきました。その代表として語られるようになったのが、今回のbed rottingという表現です。
ベッドの上でごろごろしたり、スマホをいじったり、ただぼーっとしたり――。いわば「ベッドでひと休み」以上、「ベッドにとどまり続ける」という過ごし方。
このシンプルな行動を表す言葉が、静かに広がりつつあります。
- bed rotting
この表現はもともと Z世代の間で使われていたとされますが、新型コロナ以降の生活変化やメンタルヘルスへの意識の高まりを背景に、2023年ごろから急速に注目されるようになりました。特にTikTokで“休息の新しい形”として共有されたことをきっかけに、一気に広がったと言われています。
海外メディアでも、Z世代の新たな“セルフケア文化”として取り上げられています。
... the “bed rotting” term that’s being popularized on TikTok is referring to when you spent much or even all of your day in bed by choice.
「bed rotting」という言葉は、(自らの選択で)一日の大半、あるいは丸一日をベッドで過ごしたときのことを指しています
※ 原文ではspentと過去形が使われていますが、文脈上は現在形spendが自然と考えられます(EJ編集部注)
出典:‘Bed Rotting’: What Is This New TikTok Generation Z Self-Care Trend, Forbes
肯定派・否定派、どちらの声もある
bed rottingは「休むための時間」として肯定的に語られる一方で、「気分が落ち込む」「生活リズムが乱れる」と否定的な声もあります。
とはいえ、SNSではもっとライトに使われており、
- 今日は何もしたくない
- とりあえずベッドにいたい
- 自分を甘やかしたい
といった、共感を呼ぶ“だらだら宣言”のような意味合いで使われることがほとんどです。
bed rotting の使われ方
I’m just bed rotting all morning. Don’t call me.
(午前中ずっと bed rotting してる。連絡しないで)Let’s cancel our plans and bed rot today.
(今日の予定キャンセルして、bed rot しよ)My weekend plan? Just bed rotting with snacks and my phone.
(週末の予定?スナックとスマホ持って bed rotting するだけ)
日本語に訳すとしたら?
直訳の「ベッドで腐る」ではニュアンスが伝わらないため、意訳すると:
- 「ベッドでごろごろ」
- 「だらだら休息」
- 「完全オフモード」
- 「ベッドにこもる時間」
といった表現が近いでしょう。
“頑張ること”に価値が置かれがちだった時代から、“しっかり休むこと”を肯定する時代へ。bed rottingは、その転換を象徴する小さなキーワードと言えるでしょう。
もし自分にも「今日はなにもしたくないな」という瞬間が訪れたら、ふとこの言葉を思い出して、自分を許す時間にしてみてもいいのかもしれません。
