英文を読んでいて、「構文はわかるのに、言いたいことが見えてこない」と感じたことはありませんか?実はそれ、文法の問題ではなく、“解釈の力”の問題かもしれません。「英文解釈」とは、文を文法的に分析することではなく、英文の本当の意味を読み取る力を鍛えること。この記事では、「なぜ正しい意味にたどり着けないのか」を解き明かしながら、“知ってるつもり”の単語に隠れた落とし穴や、意味を正確につかむコツを紹介します。
「英文解釈」って、結局なんのこと?
「英文解釈」って聞くと、なんだか難しそうな響きですよね。多くの人が思い浮かべるのは、「短い英文を文法的に分析して、正確に和訳する練習」かもしれません。でも、「解釈」というからには、もっと本質的に――英文が何を言いたいのかをちゃんと理解することでなければいけません。
「文の形はわかるけど、意味がピンとこない」「訳せたけど、何を言いたいのかよくわからない」――そんな経験、ありませんか?それは多くの場合、解釈がずれている=誤訳していることが原因なんです。そして、構文を取ることはもちろん大事。でもそれはあくまで“入り口”。そこから内容を正確につかむところまでたどり着けていないケースが、意外と多いんです。
英文解釈で本当に重要なことは、「構文の理解」よりも「意味をつかむ力」。つまり、“英文が何を伝えようとしているのか”を読み取る力を磨くのが英文解釈です。
「正しい意味」にたどり着けないワケ
でも、構文はちゃんと取れているのに、英文の意味がつかめないのはなぜなのか?実はその原因の多くは、「そもそも英語について知らないことが多すぎる」からなんです。
授業時間も本のページ数も有限ですから、学校や参考書で学べることには限りがあります。でも実際の入試問題やネイティブの英文では、教わっていない表現や文の使い方が次々に出てきます。しかも中には、「教わったけど、実際の英語ではちょっと違う」というケースも珍しくありません。「それじゃあ、書き手の言いたいことがわからなくても無理ないよな」と思うこともあるんです。
だからこそ、その“知識のすき間”を埋めて、本当の意味で英語を理解できるようになることが重要です。
英文解釈を実践!「知ってるつもり」の落とし穴 ― operateの意味
例えば、operateという言葉は、英語をある程度勉強している人なら意味を知っていると思いますが、上で説明したような、“知識のすき間”が生まれやすい単語の一つです。次の和訳問題を見てみましょう。
Other people appear to be acutely insensitive at the emotional level. Do you know someone who is like this? These people seem to be quite unaffected by the emotional tides of life. The ability to operate rationally is a great gift but not if it is earned at the expense of our emotions. “Super-cool” may mean “super-insensitive.”
[富山大]
この中にある operate。「操作する」「動かす」という意味だと考える人が多いのではないでしょうか?よく勉強している人なら「手術する」という意味も思い浮かぶかもしれません。でも――実はどれも違います。
ここでの operate は、「行動する」「生活する」「仕事をする」といった意味で使われています。つまりこの文は、「理性的に行動できる力は素晴らしい才能だが、もしそれが感情を犠牲にして得られるものなら、そうとは言えない」という内容なんです。
意外と気づかれませんが、英文の理解を邪魔しているのは“語の正しい意味”。「知っていると思っていた単語」が、文脈によって全然違う意味で使われていることがよくあります。
勉強してすでに知っている知識をただ機械的に当てはめていくのではなく、一語一語の理解を積み重ねて、「英文が本当に言いたいこと」を読み取る力を養うことが、英文解釈の基本なのです。
このように、英文解釈は単なる「読解テクニック」ではなく、英語そのものの見方を変える学びです。単語の意味や構文を“知っている”だけで終わらせず、その裏にある本当のメッセージをつかみ取るトレーニング。少し立ち止まって「本当は何を言っているのか?」を考えることで、“知識のすき間”が埋まり、英語との距離がぐっと近づきます。
真の英文解釈の力を養う『Realize 英文「解釈」演習99[発展レベル][音声DL付]』
本書は、「意味の把握」に徹底的にこだわった英文解釈の参考書です。文法構造を正確に捉えることだけに重点を置きがちな従来の参考書とは異なり、「内容の正確な理解」に焦点を当て、英文を本当の意味で読み解く力を育てます。
1. 実際の入試問題で実践力を磨く
掲載されている問題は、ほぼすべて実際の大学入試で出題された和訳問題です。京都大学や東京大学、大阪大学など、和訳問題を確実に得点していくことが欠かせない大学を目指す受験生に最適。難問にも正面から向き合い、あらゆる英文に対応できる力を養成します。
2. 語句の真の意味を理解する
英文が正しく理解できない大きな原因は、語句の誤解です。本書では、日常的に「知っているつもり」になりがちな単語や表現を丁寧に解説。誤訳を防ぎ、英文理解を深める力を着実に積み上げます。さらに、下線部以外も含めた詳細な解説と豊富な例文で、繰り返し学習を通じて知識を定着させます。
3. 和訳問題が必要ない人にも役立つ
英文の伝えていることを正確に読み解くことに徹底的にこだわっている本書は、試験で和訳問題を解かない人にも有益です。単なる試験対策にとどまらず、英文を深く正しく理解したいと願うすべての高校生・受験生に、自信をもっておすすめできる一冊です。
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