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「今聴いてほしいアーティスト」と関連する楽曲を音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが解説します。今回は、ビヨンセの「Break My Soul」を紹介します。
今月の一曲
ビヨンセの「Break My Soul」を紹介します。
7作目のアルバム『Renaissance』を7月にリリースして以来大ヒットを記録している世界的スーパースター、ビヨンセ。同アルバムの先行シングル「Break My Soul」は、バラク・オバマ元アメリカ大統領の「サマープレイリスト2022」にも選曲された。
ビヨンセが人々に伝える、コロナ禍からの「Renaissance(再生)」
ビヨンセが人々に伝える、コロナ禍からの「Renaissance(再生)」女性アーティストとしてグラミー賞の歴代最多受賞を誇るビヨンセが、2016年の『Lemonade』以来6年ぶりとなる通算7作目のアルバム『Renaissance』をリリース。第1弾先行シングルの「Break My Soul」が全米1位を記録する大ヒットになった。ビヨンセ名義の楽曲としては2008年の「Single Ladies(Put a Ring on It)」以来、久々のナンバーワン獲得だ。
ロビン・Sの1993年のヒット曲「Show Me Love」を大胆にサンプリングした「Break My Soul」は、ビヨンセがハウスミュージックに挑んでいることで大きな話題を集めている。ハウスは1977年にオープンした有色人種のゲイ男性を中心とするシカゴのクラブ「Warehouse」を発祥とするダンスミュージックだが、この「Break My Soul」はまさに黒人クィアのコミュニティーに向けたアンセムなのだ。
Got motivation / I done found me a new foundation, yeah / And I’m takin’ my new salvation / And I’ma build my own foundation, yeah / You won’t break my soul / And I’m tellin’ everybody
モチベーションはある/新たな基盤を見つけた/新しい救いを手に入れて/自分自身の基盤を築き上げる/あなたに私のソウルを打ちのめすことなんてできやしない/みんなに言っているわ
「Break My Soul」が全米チャートを制した直後、ビヨンセは“The Queens Remix”と題された同曲のリミックスバージョンを発表。ここではキャリアを通じてLGBTQコミュニティーをサポートしてきたマドンナを迎え、彼女の1990年の全米ナンバーワンヒット曲「Vogue」をサンプリングするなど、改めてハウスミュージックとクィアカルチャーに対してリスペクトをささげている。本作を通してハウスミュージックのパイオニアである黒人クィアに光を当てたビヨンセは、計3部作になるとうわさされているアルバム『Renaissance』をもって今後、何を「再生」していくのか、興味は尽きない。
現行ハウスミュージックのおすすめ楽曲5選
今回の記事で紹介している音楽のプレイリストをご紹介します。ビヨンセの「Break My Soul」と併せて聴いてみよう!
- Massive by Drake
- Intimidated feat. H.E.R. by Kaytranada
- LaLaLa by Black Coffee & Usher
- Her by Megan Thee Stallion
- Boomerang by Dawn Richard
ビヨンセのアルバム
最新アルバム『ルネッサンス』
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※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2022年11月号に掲載した記事を再編集したものです。
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