海外に紹介したい!四季折々の絶景を楽しめる「五稜郭公園」&禅で心身をリフレッシュできる「禅坊 靖寧」

『ENGLISH JOURNAL』11月号の特集は「海外ゲストと行きたい日本7選」。本記事ではさまざまな「目的」に合わせて、日本の各地域で働く観光のプロフェッショナルに地元の注目スポットを教えてもらいました。今後訪れる海外ゲストの増加を見込んで、日本の今知っておきたいスポットや新しい魅力について英語で紹介できるようになっておきましょう。

ここでは各地域の注目スポットの英語説明と、海外ゲストに紹介する際のポイントやアドバイスをまとめて紹介します!

History-歴史―:Goryokaku Park 五稜郭公園(北海道)

北海道・函館にある「五稜郭公園」は、榎本武揚(えのもと・たけあき)や土方歳三(ひじかた・としぞう)らが率いる旧幕府軍が最後のとりでとして新政府軍と激戦を繰り広げた、戊辰(ぼしん)戦争終焉(しゅうえん)の地。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色――四季折々の絶景を見ることができます。

毎年12~2 月ごろは、雪景色に映えるライトアップで彩られる。

Constructed in 1864 as the first Western-style fort in Japan, this bastion was turned into a public park in 1914. Although the bird’s-eye view from the observation tower is impressive all year round, cherry blossom season is perhaps when Goryokaku is at its most stunning: Over 1,000 cherry blossom trees cover the star-shaped grounds in pink blooms every spring. While in the area, make sure to also visit the Former Magistrate’s Office, in the center of the complex, to see a perfect reconstruction of traditional Japanese architecture.
日本初の西洋式要塞として1864年に建設されたこの稜堡(りょうほ)は、1914年に公営の公園となりました。展望タワーから見下ろす風景は一年を通じて見事ですが、恐らく桜の季節が五稜郭の最も壮観な時期でしょう。1000本を超える桜の木が、毎年春になるとピンクの花を咲かせて星形の敷地を覆い尽くします。この場所に来たなら、敷地の中心にあるかつての奉行所も必ず訪れましょう、日本の伝統建築が完璧に復元されているのが見られます。

五稜郭を眼下に眺められる「五稜郭タワー」は函館のランドマーク。

紹介のポイント&アドバイス

五稜郭自体はとてもインパクトのある遺構ですが、その歴史をきちんと説明するとなると容易ではありません。明治維新(Meiji Restoration)前後の複雑な歴史と深く関わっているためです。手短に伝えるとしたら、次の3点でしょう。

①長期間の鎖国後、最初に開港した函館を防御するために造られた要塞であること
Fort Goryokaku was built to protect Hakodate, whose port first opened to foreign countries after the long period of national isolation.

②日本初の西洋式要塞であること
It was the first Western-style fort in Japan.

③大政奉還後に旧幕府軍と新政府軍の間で起きた戊辰戦争の最後の戦いの場であること
It was the final battlefield of the Boshin War between the Shogunate Army and the New Government Army, which occurred after the Restoration of Imperial Rule.

Meditation-瞑想(めいそう)―:Zenbo Seinei 禅坊 靖寧(兵庫県)

兵庫県・淡路島北部の四方が山々に囲まれた環境にある「禅坊 靖寧」。せわしない日常から離れて、美しい大自然を堪能しながら「禅リトリート(心や体を癒やすこと)」を行いましょう。食材にこだわって作られた禅坊料理、ZEN 書・ZEN 香・ZEN 茶体験なども楽しめます。

360度に広がる圧巻の景色の中で、座禅や瞑想、ヨガなどができる。

Located amidst the pristine nature of Awaji Island, Zenbo Seinei is a wellness facility for rejuvenating the body and mind by adopting the philosophy of Zen. Designed by architect Shigeru Ban, winner of the Pritzker Architecture Prize, Zenbo Seinei features a 100-meter long wooden deck where you can feel the warmth and bathe in the aroma of Japanese cedar. The retreat was developed as a place to allow visitors to experience Zen through experiences such as zazen meditation, yoga and healthy eating. If you would like to escape from the commotion of everyday life and experience a moment of peace and tranquility in a rich natural environment, this is the place to be.
淡路島の手付かずの自然に囲まれた「禅坊 靖寧」は禅の思想を取り入れ、心身をリフレッシュするためのウェルネス施設です。プリツカー建築賞受賞者である建築家、坂 茂氏の設計による禅坊 靖寧は、杉のぬくもりを感じ香りに浸れる全長100メートルのウッドデッキが特徴です。このリトリートは、座禅やヨガ、健康的な食事などの体験を通して禅に触れられる場所として開発されました。日常生活の騒がしさから離れ、豊かな自然環境の中で安らぎと静けさのひとときを過ごすのにぴったりの施設です。

紹介のポイント&アドバイス

「Zen(禅)」という言葉を知っている外国人も増えており、「座禅をやってみたい」という声を聞くこともあります。でも外国人が気軽に座禅に参加できる場所を探すのは容易ではないし、参加したとしても長時間座っていることで苦痛を感じてしまうかもしれません。

そこで、必ずしも本格的な「座禅を組む(practicing Zen meditation)」のではなく、「心を落ち着かせて気持ちよさを味わうこと(experiencing a feeling of comfort by calming ourselves down)」を紹介してはいかがでしょうか?

例えば、京都府にある龍安寺(りょうあんじ)などの禅寺に案内した際は、以下のように説明して簡単に体験してもらうだけでも気持ちよさを感じられるでしょう。

Let’s sit on the veranda and breathe deeply while looking at the garden for five minutes.
縁側に5分ほど腰掛けて、庭を見ながら深呼吸してみましょう。

杉の良い香りが残るウッドデッキで、心を落ち着かせながら瞑想。

紹介のポイント・アドバイス執筆:島崎秀定
スポット選定・英文・写真:HOKKAIDO LOVE、禅坊 靖寧 
英文翻訳:挙市玲子、禅坊 靖寧

『ENGLISH JOURNAL』2022年11月号

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
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