
注文してもいないのに、郵便で種のような物が届く。宛名も住所も正確に書かれ、「中国郵政」というラベルが貼られている。そんな現象がアメリカや日本などで起こっています。今回の「ニュースな英語」は中国から送られてくる謎の郵便物に関連する「unsolicited」という言葉を取り上げます。
今回のニュースな英語
Unsolicitedアメリカで、イギリスで、そして今や日本でも、中国郵政と書かれた袋に入った、「注文していない謎の種」が送られてきたという人が続出し、話題になっています。
この現象の ポイントは、「注文していない」「頼んでいない」という点 です。これを英語圏メディアでは、「unsolicited」という言葉を使って報じています。
背景
この現象が最初に話題になったのは、植物の種。内容物として「jewelry」(ジュエリー)とか「ear studs」(ピアスの一種)と書かれた袋が届き、ワクワクして開けたら種だった、という出来事が相次いでいます。
最近では植物の種だけでなく、注文していないマスクが届いたとか、指輪が届いたという話も出ています。中には、明らかに偽物のレイバンのサングラスが届いたという人もいるようです。
どんなふうに使われている?

「unsolicited」のもとの単語は「solicit」という動詞で、「要請する」とか「求める」という意味 があります。つまり、「solicited」(求められた)の頭に「un-」を付けて「~でない」という意味になっているので、「unsolicited」は「求められていない」、「押し付けがましい」という意味になります。
今回の、種など一連の謎の郵便物については、「unsolicited packages」(頼んでいない小包)という表現が報道でよく使われています。
しかし頼んでもいない品物を、わざわざコストをかけて送り付けるなんて、一体何が目的なのでしょうか?これは、「ブラッシング詐欺 *1 」だと考えられています。ニューヨーク・タイムズは、こんなふうに報じました。
www.nytimes.comThe federal inspection agency said evidence indicates the packages are part of a “brushing scam” in which sellers send unsolicited items in hopes of increasing sales.ここに書かれている「the federal inspection agency」は、そのまま読むと「連邦検査庁」となりますが、アメリカに「連邦検査庁」という名前の機関があるわけではありません。アメリカでこの類の検査を行う当局である、アメリカ合衆国農務省の食品安全検査局を指しています(実際に記事を見ていただければ、発言のところに食品安全検査局へのリンクが張られているのを確認できます)。連邦検査当局は、小包が「ブラッシング詐欺」の一環であることを示す証拠があると述べた。「ブラッシング詐欺」とは、販売主が売り上げ増を狙い、品物を勝手に送り付けるものだ。
まとめ
「unsolicited packages from China」(中国から勝手に送られてくる小包)というこの現象ですが、「unsolicited」は「押し付けがましい」などの意味があります。
ブラッシング詐欺の一環だと考えられており、受け取った人はデータが漏えいしている 可能性がある かもしれません。また、送り付けられた種が危険な植物である 可能性 は低いと考えられていますが、日本の植物検疫所は、種を受け取った場合は同所に相談するよう呼びかけています。
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文:松丸さとみ
フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。
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