「この春、TOEICテストを初めて受ける!」そんな決心をした方に贈る、3カ月TOEIC対策プログラムの新連載です。3カ月前、2カ月前、1カ月前…と、どのタイミングでどんなことをしたらよいのか。サラリーマンとして働きながらTOEIC満点を達成し、今はTOEIC対策の著書を多数持つ、大里秀介さんに教えていだきます。
目次
受験3カ月前にすべきこと
こんにちは、大里秀介です。今回から6回にわたって、特に初めてTOEIC受験に向けた学習をするという皆さんに、「どの段階でどんなことをするとよいか」をお伝えしてまいります。どうぞよろしくお願いします。
私自身、30歳で「やり直し英語学習」を始め、約3カ月でTOEIC600点の壁を突破しました。そのノウハウを、少しでもお伝えできればと思います。
目的・目標を確認、設定する
これから学習を始める皆さんはまず、TOEIC L&Rテストを受験する理由について、今一度考えてみてください。
おそらく進学、就職など、何かを達成するための指標として設定したのではないでしょうか。
そうであれば、皆さんが何をしたいのか(目的)をはっきりさせ、そのために達成したいのは何点か(目標)を明確にし、手帳やパソコンのデスクトップなど、常に見えるところに貼り付けておきましょう。
それがあなたのコミットメントであり、ミッションステートメントです。
ちなみに私の場合は、会社が短期留学を公募していたときの条件の1つが、TOEICのスコアでした。「短期留学に選抜されるために(目的)、650点突破するぞ(目標)!」が私の目的・目標でした。
皆さんの場合はいかがでしょう。
- 単位を取得するために、600点を取るぞ!
- 昇進試験のために、650点取るぞ!
- 海外出張できる最低限のスコア、700点を取るぞ!
- 特に目的はないが、今後のためにまずは600点を突破するぞ!
このように 目的・目標をはっきりさせ、「見える所に置いておく」 ことが、これからの3カ月間の、自らのモチベーション維持につながります。
学習を継続させるサイクルを確立する
私自身、30歳でやり直し英語学習を始めたわけですが、実はその1年前に、学習を継続できず挫折した経験があります。
学習を続けていくためには、いきなり模試を解くとか、問題集を手あたり次第やるとか、ガムシャラにやりすぎると挫折につながる可能性が高くなります。
焦らずに、まずは少しずつできる簡単なことから始めていきましょう。
ペースが確立できる学習を取り入れる
英語を理解するために必要なものは何でしょう?それは次の2つです。
- 英単語
- 英文法
意味の分からない英単語が多いと、相当なストレスがかかり、読もう、聞こうというモチベーションが下がります。また、文法がわからないと、英単語がどういうルールで並び、それがどんな意味を成しているのかを理解することができません。
単語を覚え、文法を覚え、意味とルールがわかってきてから、少しずつ英文の読み方、聞き方に慣れていく――この作業を、*最初の1カ月で進めていくことで、学習のペースをつかむ。それが3カ月間のうちで、最初にすべきことです。
学習に取り入れやすい参考書
私の場合は、次の本をおすすめします。
英単語のおすすめ本
英単語のおすすめは、今やTOEIC対策本の大ベストセラーとなっている本です。TOEICテストに出てくる単語のほとんどが収録されていると言っても過言ではありません。
この本の「600点レベル」に載っている400語について、1日5個ずつ、できる人は10個ずつ覚えていってください。5個または10個ずつの意味がわかるレベルになったら、次へと進んでいきます。
週末にはその週に学んだ単語を忘れていないかを、改めて確認するようにしましょう。
また、この本の購入者は全単語とフレーズの音声を無償でダウンロードできます。使い勝手のいいアプリ「abceed」に対応した電子版もあるので、通勤時にも手軽に学習ができます。
電子版は穴埋めのテスト形式でも学習できますから、いろいろなやり方を通じて進めてみて下さい。1日5個なら30分、1日10個なら1時間で覚えるくらいの目安で取り組むとよいでしょう。
※ アプリは無料。書籍のDLは別途有償です。
英文法のおすすめ本
このパートの内容はとても秀逸です。パート5は短文の穴埋め問題ですが、これを解くのに必要な「品詞を理解する」「文型を理解する」「品詞を見分ける」という 3つの柱をしっかり押さえています 。
この部分をしっかり読んで(場合によっては自分のノートに大事なところを書き込みながら)覚えていくことで、かなりの文法知識が得られ、文の基本構造も理解できるようになります。
本書と英単語の本を併用して学習することで、少しずつ文が読める、文章が理解できるという、英語のインフラが整っていきます。
この学習をしっかりやると、1日約1時間~1時間半かかると思います。もし余力があれば、この本のパート1、2、6、7の順に読み進めて解いてみてください。
※ 上の2冊はあくまでも私のおすすめ本です。皆さん自身に「これがいい!」という本があるのなら、それで代用して構いません。ただし、最初に使うのは「基本単語、基本文法がしっかりと理解できるもの」ということを忘れないようにしましょう。
最初の1カ月で学習体質を作る
少しずつ、毎日継続する
最初の1カ月間は、「自分を学習体質にする準備期間」だと思ってください。
ここで成功を収めるためには、まずは「ガッツリ学習する!」というよりも、「少しずつ毎日継続する」ことが重要です。ガッツリやりすぎると、前に学んだことを忘れてしまったり、時間が取れなくて学習が追いつかなくなり、結果として挫折してしまう可能性があるためです。
「今日は単語5つと品詞の見分け方を学ぶ!」というように、 1日30分程度からでもよいので、とにかく少しずつ前に進め、続ける ――これを念頭に置いておいてください。
1日1時間の学習を1カ月続けたら、合計30時間です。もしそれが3カ月続いたら、90時間になります。1日1時間の学習時間を少しずつ増やすだけで、100時間以上にもなります。
学習時間の確保する
自分の学習時間を確保するために、 日々の中で優先すべきものを少しずつ見直し ましょう。
例えば、仕事終わりに寄り道をして帰る時間や、スマホでだらだらとネットサーフィンする時間を、学習に当てられるかもしれません。自分の時間をどう工夫すれば、1日の学習時間が確保できるかを考えていきましょう。
「今すぐ時間の使い方を劇的に変える!」というより、少しずつ変化させていくことが重要です。
筋トレと一緒で、いきなりやると筋肉痛のようにストレスが生まれたり、急用ができてもうまく対応できなくなったりします。
ですから、この段階では慣らし運転にしてください。ここで目指すのは、あくまでも 最後の1カ月で使える学習体質を作り上げる ことだからです。
また、親しい友人にコミット(宣言)するのも一案です。学習していることを認識してもらい、周囲の環境も変化させていくといいでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。このスタート期間は、 これから学習をするための大切な準備期間 です。まずは
- 目的・目標をはっきりさせる
- 継続できるような簡単な学習から始めていく
- 毎日継続!を意識して学習体質を作る
この3つを意識してがんばっていきましょう!
次回お届けするのは、「2カ月前にどうするか」です。お楽しみに!
大里秀介さんの著書
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