英語を話すときに「知っている単語を並べるだけ」になってしまう人でも、グッと話しやすくなる秘けつがあります。それが「しゃべり出しパターン」。出だしのパターンが決まるだけで、伝わりやすさも、話すスピードも、聞き取り力も劇的に変わります。英会話の土台となる魔法のパターンを身につけてみませんか?『英会話は3週間だけ続けなさい』(共著:名郷根 修、リノ)の著者で英会話講師のリノさんに教えていただきます!
目次
しゃべり出しパターンとは何か?スピーキングの土台になる型の考え方
「しゃべり出しパターン」とは、英語の文章の最初に出てくるパターンのこと。「Can you V ?(Vしてくれる?)」や「You can V(Vしてもいいよ)」などのパターンです。
そして、しゃべり出しパターンは、いわば文章の骨格。このしゃべり出しパターンさえ口にすることができれば、文章の大意が相手に伝わりやすくなります。英語が上手な人は、このしゃべり出しパターンが頭にあり、直訳するのではなく、しゃべり出しパターンから文を作っているのです。
しゃべり出しパターンが英会話・スピーキングに効く3つの理由
① 言いたいことが相手に伝わりやすくなる
しゃべり出しパターンは、文章の骨格部分。日本語で「〜したいです」「〜できますか?」にあたる部分は、英語だとしゃべり出しパターンとして文頭に来ます。やみくもに単語を並べるよりも文章の大意がまず伝わるので、よりわかりやすい英語を話せるようになりますよ。
しゃべり出しパターンさえ決まっていれば、後ろは少し間違えちゃっても大丈夫!文章の骨格が伝わることで、後ろの単語が多少怪しくても、言いたいことはちゃんと伝わります。
② 直訳せずに英文が作れるようになる
頭にしゃべり出しパターンのストックがある人は、直訳せずに文章が作れます。
例えば、「今日は寝た方がいいよ」を英語で訳してみましょう。英語が苦手な人だと、“You ... 、sleep ...”というように、単語から話そうとしてしまう。
これに対し、英語の得意な人は、「Vした方がいいよ」=You might wanna V というしゃべり出しパターンを使えばいい、ということに気づきます。そして“You might wanna go to bed early.”のように文章をパッと出せるのです。
これは、日本語から訳そうとするのではなく、「今回はしゃべり出しパターンAが使えるな」「しゃべり出しパターンBを使って言えそうだな」のように常に考えているからです。
③ リスニングの力が高まる
しゃべり出しパターンを学ぶと、スピーキングだけでなくリスニングにも役立ちます。というのも、Can you V ?(Vしてくれる?)や You can V(Vしてもいいよ)などの代表的なパターンは、ネイティブがよく使う表現でもあるからです。
しゃべり出しパターンを学んでいくことで、英語の映画やドラマを観て「あっ、ここは聞き取れる!」という場面が増えていきますよ。
しゃべり出しパターンの勉強法
では、どうすればしゃべり出しパターンを身につければいいのか? ―― 勉強するときに気をつけるべきポイント2つについてお話しします。
1. 発音とセットで覚える
まず、しゃべり出しパターンは発音と一緒に覚えましょう。
「発音なんて二の次で、まずは話せたらいいんだ!」という人もいるかもしれませんね。しかし、英語を勉強するうえで発音学習は欠かせません。なぜなら、英語は「書いてある文字」と「読む音」が違う言語だからです。
よく、「リスニングで全く聞き取れなかったのに、スクリプトを見ると全部知っている単語だった……」ということはないでしょうか?これは“英語あるある”ですよね。英語の「書いてある文字」と「読む音」が違うことが原因です。
では、次の3つの単語を読んでみてください。
① merry
② marry
③ Mary
それぞれの発音の違いは分かりますか?日本人の感覚だと、「①がメリーで、②はマリー……かな?でも③はどう発音するんだろう」という風になりがちですよね。
しかし、肝心の答えは……「全部一緒」!アメリカ英語だと、これら3つの単語は全部同じように発音するんです。
このように、英語はスペルと音があまり一致しない言語。言い換えるなら、スペルだけでは発音を推測しにくいのが英語なんです。
スペルと発音にギャップがあるからこそ、「読めるのに、リスニングになると全然聞き取れない」ということも起こってきます。だからこそ、しゃべり出しパターンも発音とセットで学習することが大切です。
2. しゃべり出しパターンで英文を作ってみる
そして、しゃべり出しパターンを学習したら自分でも文章を作ってみましょう。アウトプットもすることで定着しやすくなり、実際の会話でも出てきやすくなりますよ。
【Can you V ?】を使ってみよう
今回は、頻出のしゃべり出しパターンである「Can you V ?(Vしてくれる?)」を見てみましょう。いくつか例文を挙げてみます。
- Can you wait?(待ってくれる?)
- Can you text me?(連絡してくれる?)
- Can you pass me the salt?(塩を取ってくれる?)
Can you の後ろは全部動詞が続いてますね。
発音についてですが、「キャンユー」と読んではダメです。このフレーズは、Can の n と you の y がつながり、「キャニュー」と発音されます。これに気をつけながら、上の文章を音読して練習してみてください。
その次は、自分でも文章を作ってみましょう。最低でも1つのフレーズにつき5文は作ってくださいね。Chat GPTに文法チェックをするように指示すれば、正しい文章へと添削してくれます。添削された後の正しい文章で、何回も音読するようにしましょう。
しゃべり出しパターンを増やせば、英会話はもっとラクに話せる
今回は、スピーキングに必要な「しゃべり出しパターン」についてお伝えしました。英語の上手な人は、しゃべり出しパターンがいくつも頭に入っていて、それを使い分けながら話していることが多いんです。
しゃべり出しパターンは「Can you V ?(Vしてくれる?)」や「You can V(Vしてもいいよ)」の他にも数多くあります。その中から100パターンを厳選して紹介している書籍『 英会話は3週間だけ続けなさい 』もぜひ活用して、スピーキングに役立てていってくださいね。
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