「エレベーターに閉じ込められた」「稲川淳二の気分次第」と、使い勝手が全くよくないと評判の英語表現を紹介している「ぬる英語」第3回。今日はどんなフレーズが出てくるかな~!?教えてくれるのは、英語もお酒もアニメも漫画もなんでもイケちゃう国際唎酒師・藤代あゆみさんです!
目次
シュークリームはかわいい・・・ってコト!?
先日、タイ人の友達に「日本はちいかわに支配されている」と日本語で言われて、鳥肌が立ちました。藤代あゆみです。
小さきものは、みなうつくし――清少納言もそう言ってたように、小さいものは、なんかかわいくて愛おしいですよね。
例えば、そう。小さいサイズのシュークリームなんかは、通常のものに比べて、ギルティ感も薄く、心を満たしてくれます。私の好物の一つです。
この連載も3回目。そろそろアルクの偉い人とかに怒られそうで怖いので、今回はすぐ英語のことを書きます。「すごく勉強になった!」とSNSに投稿してください。
英語っぽいけど、本当の英語は違う単語シリーズ
「シュークリーム」って、まるで英語みたいな面構えをしていますが、なんと英語ではありません。というわけで、本日は、「英語っぽいけどそうじゃない言葉」が英語でなんて言うのか、ご紹介するところからスタートします!
シュークリーム:cream puff
英語圏の国や地域に行ったとき、絶対にシュークリームを食べたい人は、ぜひ覚えておいてください。ちなみに、「どうしてシュークリームという名前になったん?」と思って調べてみたら、フランス語では「Chou à la Crème」と言うらしく、たぶんそこからでしょう!(*1)
《編集部注・参照:*1》
シュークリームの歴史 / 世界のシュークリーム
ショートケーキ:sponge cake
どう考えてもショートケーキは short cake だろ、と思っていた皆さん。残念なお知らせです。こちらも本当の英語は異なり、sponge cake 。というかショートケーキって、日本ならではのケーキなのです。(*2)
《編集部注・参照:*2》
イチゴのケーキはなぜ「ショートケーキ」? / Wikipedia:ショートケーキ
SNS:social media
甘いもの縛りと見せかけて、急に SNS です。ビックリした? SNSは Social Networking Service の略称ですが、これも英語では使いません。この連載を SNS に投稿してほしい!と言いまくっている私ですが、英語だったら Please spread the word about my serial ‘Nuru-Eigo’ on social media!(私の連載「ぬる英語」をSNSで広めて!)といった感じで social media を使わないと、なんのことやらになっちゃうんですね。
シューの悲劇
ヨシ!それっぽいことを書いたので、シュークリームの話をします。あれは、いつかの夏の夜でした。
遅くまで仕事をしていて、終電で帰り、家に着く前にコンビニで夜ご飯を選ぶ私を誘惑してきたのが、ミニシュー(6個入り)でした。
「今日くらい、ごほうびで食べてもいいよね」
「ミニ(mini)」で小さいとはいえ、カロリーはなきにしもあらず。いや、普通にある。でも、私は心から求めていたのです。小さきシュークリームを。
隠し切れない笑顔でレジに向かった私は、電子マネーで颯爽とお会計をし、足早に店を出ました。
・・・足早に、なり過ぎたのかもしれません。
横断歩道を渡っている途中で青信号が点滅し始め、慌てた私は走り出しました。早く家に着いてご飯を食べて、そして、デザートにミニシューを食べたかった。ただただその想いを胸に、駆け足になると体が軽くなったようにさえ思いました。
でも、本当に、物理的に軽くなっていたなんて――
私の小さきシュークリームは、バッグからこぼれ出て、横断歩道の真ん中に落ちていたのです。
そして、私の、私だけのシュークリームは、ひかれました。
My cream puff got run over by a taxi.
私のシュークリームはタクシーにひかれました。
- run over:(人・動物などを)車でひく
この事故が起きたのは何年も前のことです。でも、あの横断歩道を渡るたびに、今でも思い出します。あと、タクシーの運転手さんが怒ってなかっただろうかとか、道路を汚してしまって法律や条例に違反していないだろうか、などと不安になります。
しかし、なんであれ、あのシュークリームには罪はなかったのに・・・私は大変なことをしてしまいました。
「過去のことは忘れて、もう一度コンビニでシュークリームを買おう」とはなりませんでした。私は自らの過ちに、真摯に向き合う必要があったのです。
それからというもの、私は甘いものを見るだけで、あの日を思い出します。私の心はシュークリームに支配されてしまったのかもしれません。
本日の「ぬる英語表現」たち
イケメンがきゅうりを拾ってくれました。
A good-looking man picked up a cucumber for me.
「イケメン」という表現には、叶姉妹の口ぐせでもおなじみ、good-looking がよく使われます。このハプニングは、どうしてもきゅうりが食べたくて、きゅうりだけ買ってバッグに突っ込んでスーパーを後にし、帰宅している道中で起きました。その後、恋が生まれたかどうかはあなたの想像にお任せ・・・。
A:このスープ、めっちゃおいしい!こんなにおいしい秘訣は何なの?
B:虫だよ。A:This soup tastes amazing! What's the secret to making it so delicious?
B:Worms.
ベトナムで友人の家に招待され、ポリタンクからお酒を注いで振る舞ってもらいました。
When my friend in Vietnam invited me to their house, they served me liquor from a large plastic container.
次回、「推しは推せる時に推せ!トイレは行ける時に行け!」をお送りします。
藤代あゆみさんの魅力満載のコンテンツ
●「お酒×英語」の最強タッグで学べばいいじゃない
●「推し」が24時間365日そばにいてくれたら英語頑張れるカナ☆
●読みなさい、そして推しと英語を愛でるのです・・・
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
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