日本語の「泥沼にはまる」という表現は、複雑で解決が難しい状況や、終わりが見えない状況に巻き込まれることを指す比喩的なフレーズです。英語ではこのニュアンスをどのように表現するのでしょうか?例文と併せて紹介します。
目次
「泥沼にはまる」は英語で?
「泥沼にはまる」は、状況が困難になったり、複雑な問題に巻き込まれたりすることを指します。英語では、get bogged downがこの表現と非常に近い意味で日常的に使われます。
get bogged down
bogは名詞で「沼地、泥沼」を意味し、動詞の場合は「沼にはまる、泥沼化する」という意味があります。get bogged downで「泥沼にはまる」となります。
I can’t get bogged down in this issue right now.
今、この問題で泥沼にはまる訳にはいかない。
We shouldn’t get bogged down in the small details.
細かいことで泥沼にはまってはいけない。
少し古風な「泥沼にはまる」表現
次に紹介するのは、日常的な会話の中でこれらの表現が頻繁に使われるわけではないけれど、特定の文脈や文学的な文章などで見かける表現です。
get stuck in a quagmire
quagmireは「泥沼」を意味する英単語で、比喩的に難しい状況や複雑な問題を指すことができます。
After the initial decision, the project started to get stuck in a quagmire.
初の決定の後、プロジェクトは泥沼にはまり始めた。
The negotiations began to get stuck in a quagmire with no clear resolution in sight.
交渉が進行中に、明確な解決策が見えずに泥沼にはまってしまった。
sink into a mire
mireも「泥沼」を意味する単語です。sink into a mireは、状況が次第に悪化していく様子を表します。
The company began to sink into a mire of debt and controversy.
会社は借金と論争の泥沼に沈み始めた。
Without a clear strategy, you risk sinking into a mire.
明確な戦略がなければ、泥沼にはまるリスクがある。
「泥沼にはまる」のニュアンスを伝えるその他の表現
「泥沼にはまる」と同じような意味合いを持つ英語表現は他にもあります。
get entangled in [something]
「~(何か)に巻き込まれる」という意味で、特に複雑な状況や問題に関与することを指します。
The politician got entangled in a series of scandals.
その政治家は一連のスキャンダルに巻き込まれた。
fall into a trap
「罠にはまる」という意味で、注意や警戒が足りずに不利な状況に置かれたり、問題に直面したりすることを指します。
If you’re not careful with the contract, you might fall into a trap.
契約に注意しないと、罠にはまるかもしれない。
get caught in a web
文字通りの意味は「網にかかる、クモの巣にかかる」です。複雑で誤解や欺瞞(ぎまん)に満ちた状況に陥ることを指します。
The detective got caught in a web of lies and deceit.
その探偵は絡み合った嘘と偽りに捕らわれた。
まとめ
「泥沼にはまる」という日本語の表現を英語で伝える方法を紹介しました。予期せず複雑で難しい状況に巻き込まれたときに(巻き込まれたくはないですが)、この記事で紹介した英語フレーズを使って、自らの状況を冷静に見つめてみましょう。でもやっぱり、泥沼には、はまらないのが一番ですね!
トップ写真:Chip Vincent from Unsplash
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。