ネイティブスピーカー同士のおしゃべりから、自然な英語表現を学べる、『ENGLISH JOURNAL』の人気コーナー「Quick Chat」。その会話40回分を分析し、意思疎通を図る上で欠かせない表現や、語句を変えて応用できる、まるで魔法のような便利表現を、厳選して紹介します。今回は説得力のある説明をするときのフレーズです。
目次
説得力のある説明をするときのフレーズ22
こちらの説明を相手にうまく理解してもらうためには、場面や状況に合わせた上手な切り出し方が大事です。物事の状況を伝えたり、理由を説明したり、例を挙げて理解を促したりするときに使える便利なフレーズを見ていきましょう。
物事や状況を説明する
説明の最初に、何について話すのか明確に話すと、相手が話の内容を把握しやすくなります。
It turned out . . . (・・・だと分かった)
It turned out that the woman had just moved into my building.
その女性が僕の住む建物に引っ越してきたばかりだと分かったんだけどね。
「・・・だと分かった」と何らかの過程を経て判明した結果を述べる際に使うフレーズ。上の例のように、後ろに that節、または It turned out (to be) well / OK. (結果オーライ)のように to be(to be は省略可)~ が続きます。
I remember . . . (・・・を覚えている)
I remember the first time I went to Manhattan, New York.
初めてニューヨークのマンハッタンに行ったときのことを、覚えてる。
「・・・を覚えているけど」と過去の思い出などを述べる際、話を切り出すのに使えるフレーズです。
That’s what . . . (それが、・・・のところなんだ)
That’s what I don’t like about hotels.
それが、ホテルの嫌なところなんだ。
相手の話を受けて、「それはまさに自分が・・・することだ」と同意してから説明を続ける際に使える表現です。That’s what it takes. とすると、「それが必要なことなんだ」の意味になります。
The problem is . . . (問題は・・・だ)
The problem was that in those days, of course, there were no computers, and it probably was an electric typewriter, not manual.
問題は、当時はもちろんコンピューターはなくて、確か、電動タイプライターで、手動ではなかったんだ。
「問題」がなさそうな事柄の後に but the problem is / was . . . を 続けて、We made a reservation, but the problem was the restaurant was crowded and we still had to wait about 15 minutes.(予約はしたけど、問題はレストランが混んでいて15分くらい待たなければならなかったんだ)のように、使うこともできます。
It speaks to . . . (・・・を示している)
> It speaks to how people might acquire knowledge and learn.それは、どのように人が知識を習得し、学習するかを示している。speak to ~ は、無生物主語のときは「・・・を示している、・・・を語る、・・・を証明する」といった意味になります。
There’s something about ~(~は特別だ)
There’s something about an old fashioned book.
昔ながらの本って特別だ。
この something は「大事なもの、大したこと」の意。There’s something about ~ で「~には大きな価値がある、~に引き付けられる」を表します。
I just end up ~(結局、ただ~することになる)
I just ended up getting lost and taking a cab there.
結局道に迷って、タクシーに乗る羽目になっちゃったよ。
end up doing(結局~することになる)を just(だけ)で強調したフレーズ。過去形の I just ended up ~ は、「結局~しただけ」と、自分が結果的にしてしまったことや、なってしまった状況を述べる際に用います。
It just so happens . . . (たまたまちょうど・・・)
Today, it just so happens, we are talking about names.
今日の話題はちょうど、名前についてなんだ。
「ちょうど偶然・・・、たまたまちょうど・・・」という意味のフレーズで、起きた内容の説明を後に続けます。上の例のように、文中で挿入節としても使えます。
情報を追加する
簡潔にまとめた情報を追加すると説明のポイントが強調され、相手が興味を持ちやすくなります。
Another good thing is . . . (もう一ついい点は・・・)
Another good thing is the transport system is so extensive in Tokyo, you don’t worry about getting lost.
もう一ついい点は、東京では交通網が広く発達してるから、道に迷うのを心配しなくていいことだ。
ある物事に対して、さらに「いい点」を追加して説明するフレーズ。Another thing that’s interesting is . . .(もう一つ面白いのは・・・)のように関係節を使った言い方もできます。
理由を説明する
理由を述べることによって、相手の共感を引き出すことができます。
For some reason . . . (どうしてだか・・・)
For some reason, in my memory, moving was so much easier in Australia.
どうしてだか、僕の記憶では、オーストラリアでは、引っ越しはもっとずっと楽だったんだよね。
「どうしてだか・・・、どういうわけか・・・」と明確ではないが、発言の内容には何らかの理由があることを述べる際に便利なフレーズです。
One is because . . . (一つ[の理由として]は・・・)
One is because there are just so many tiny, little secrets randomly placed about the city.
一つは、すごくたくさんの小道が町のあちこちに不規則にあることだ。
「一つ(の理由として)は・・・」と複数の理由がある場合に、その一つを説明する際に使うフレーズ。「理由の一つ」であることを強調する際は、One of the reasons is . . . (理由の一つは・・・)を用いて、One of the reasons is that our society is more intolerant of adultery. (理由の一つは、社会が不倫に対してより厳しくなっているからだ)などのように使えます。
This is why . . . (こういう理由で・・・)
This is why it is called the art of conversation.
だからこそ、会話術と言われるんだよね。
先に述べた内容を受けてその理由を説明するフレーズ。類似の表現として、That is why . . .(そういう理由で・・・)もあります。先に述べた過程の結果については This is how . . .(こんなふうにして・・・)を使って、This is how we came up with this funny mascot character.(こんなふうにして、私たちはこのおかしなキャラクターを考え出した)などと説明することができます。
限定して説明する
このような見方もある、といった客観的な視点で説明を加えることで説得力が増します。
in a sense(ある意味で)
In a sense, it would be interesting to try out the different options.
ある意味で、別の選択肢を試してみるのも面白いだろう。
特定の見方や状況において当てはまることを述べるときに、文頭、文中または文末で使える表現。in a way(ある意味で)や to an extent(ある程度)も一緒に覚えておきましょう。
As far as I know, . . . (私の知る限り)
As far as I know, there are two different kinds of boomerangs.
僕の知る限り、ブーメランには2種類ある。
「私の知る限り」という少しかしこまった表現。far は距離ではなく「(知識の)範囲」を表します。
From someone’s point of view,([人の]考え方だと)
From an American point of view, often it’s really, you think, "Well, if you have a set of plates, they should all be blue."
アメリカ人的考え方だと、「そうだね、お皿を 1 セット持つなら、全部青でそろえないと」ということがよくあるんだけど。
from someone’s point of viewまたは from the point of view of someone で「~の視点からは」の意味。これから話す内容が、誰の視点のものなのかをあらかじめ断っておきたいときに使えます。自分の意見を述べる際は From my point of view, . . .(私の立場では・・・、私の見方は・・・)と言います。
言いにくいことを切り出す
言いにくいことを切り出そうとするときに、相手の関心を引きつけ、説得力を高めることができます。
I must admit, . . . (実を言うと・・・)
I must admit, my real addiction is chocolate.
実を言うと、僕がやめられないのはチョコレート。
直訳だと「私は認めなければならない」ですが、言いにくいことや恥ずかしいことを切り出す前に「実を言うと・・・」の意味で使うフレーズです。To tell you the truth, . . .(本当のことを言うと・・・)も一緒に覚えておきましょう。
I have to say . . . (言わせてもらうと・・・)
I have to say licorice was actually perhaps my favorite when I was a kid.
言わせてもらうと、実は、甘草キャンディーはたぶん、僕の子どもの頃のお気に入りだったよ。
直訳は「・・・言わなければならない」ですが、「言わせてもらうと・・・」と言いにくいことを思い切って伝える際などに便利なフレーズ。I must say . . . 、または、少しカジュアルな I’ve got to say . . . も同様に使えます。
例示する・引用する
具体的な事例やデータを引用することで、主張を裏付けましょう。
For example, . . . (例えば・・・)
Protein needs in diet can be met by, for example, fish or meat.
食事におけるタンパク質は、例えば魚類や肉類などで満たすことができる。
「例えば・・・」と例を挙げる際に使うフレーズ。for instance, . . .(具体例としては・・・)もほぼ同じ意味。文頭で使うことが多いですが、上の例のように文中でも使うことができます。
As you say, . . . (あなたの言うように・・・)
As you say, things are getting complicated.
君が言うとおり、物事はより複雑になってきている。
相手の発言を引用して「あなたの言うように・・・」と説明を加えるフレーズ。As you say! だけで、「全くそのとおり!」と同意する際にも使えます。
As I was referring to earlier, . . . (さっき話していたように・・・だ)
As I was referring to earlier, the mobile game will be released next week.
さっき話していたように、その携帯電話向けゲームは来週リリースされるよ。
refer to ~ は「~に言及する」の意味。As I was referring to earlier, . . .(さっき話していたように・・・だ)は自分が話したことを強調したり、相手に確認したりする際に用いる表現です。As I said earlier, . . . や As I mentioned before, . . . も同様の意味で使えます。
as if . . . (まるで・・・であるかのように)
I knew exactly where the community center would be, as if I’d lived in that town all my life.
公民館がどこか、正確に分かったんだよ、まるで生まれてからずっとその町に住んでいたみたいにね。
「まるで・・・であるかのように」と事実ではない例え話をする際に使うフレーズ。He went out in the storm, as if it didn’t matter.(彼は、大したことではないかのごとく、嵐の中を出て行った)のように文末に使うこともできます。
It’s like . . . (・・・的な感じだ)
It’s like, “Thank you for letting me use your house,” kind of thing.
「君の家を使わせてくれてありがとう」的な感じだね。
「・・・的な感じだ」と例えを示すときに使うカジュアルなフレーズ。ちなみに kind of thing は「そのようなもの、そうした類いのこと」の意。
次回は、「話を展開する表現」をご紹介します。どうぞ、お楽しみに。
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