夏の日本の空に現れる象徴的な「入道雲」は、英語でどう言えばいいでしょうか。一般的な英語表現を紹介する他、「入道雲」という日本語の由来を英語でどう説明すればよいかなど、夏の空の「入道雲」を英語で語るときのヒントをお届けします。
「入道雲」の「入道」って何?
「入道雲」の英語を考える前に、そもそも「入道」ってなんなのでしょうか。
“Nyudo” refers to a type of “yokai,” or supernatural creature, frequently found in Japanese legends and folk tales. The term was originally used to refer to people involved in Buddhism who engaged in certain spiritual practices, specifically those who shaved their heads and withdrew from secular life.
The yokai known as nyudo are typically portrayed as having a large physique and often a shaven head, appearing powerful and fearsome. They are often endowed with supernatural powers and can bring harm to humans.
The term “nyudo gumo,” or “nyudo clouds,” compares the appearance of these yokai to towering clouds, drawing from the image of their form resembling large, mountainous clouds.
「入道」は、日本の伝説や民話によく登場する妖怪つまり、超自然的な生物の一種です。「入道」という名前は元々、仏教の世界で修行を行う人、特に坊主頭になって世間を離れる人を指しています。
「入道」という妖怪は、一般的には巨大な体格で、しばしば坊主頭で、力持ちで恐ろしい見た目をしているように描かれます。超自然的な力を持つとされており、人間に危害を及ぼすことがあります。
「入道雲」という表現は、これらの妖怪の姿と高く立ち上がる雲を比較したもので、その姿が山のような大きな雲に似ているというイメージから来ています。
「入道」にもいろいろなタイプの妖怪がいるようです。「見上げ入道」「見越し入道」・・・。「妖怪ウォッチ」にも、なんとか入道が何種類かいるみたいですが、妖怪の世界に入り込み過ぎると、この世に戻って来れなくなるかもしれないので、詳しくは割愛します。
「入道雲」は英語でなんて言う?
さて、「入道」は妖怪の名前だとしたら、英語文化にそんなものが存在するはずもありません。ではどう言えば?
入道雲=積乱雲
あ、なるほど。一般的な用語に置き換えて考えればいいわけです。では「積乱雲」は英語で言うと?
積乱雲= cumulonimbus clouds
おっと、読めない。「キューミュロウニムバス」?気象用語は難しいですね。もっと通称名みたいな言いやすい英語はないのでしょうか。
thunderhead=積乱雲
thundercloud=雷雲
storm cloud=嵐雲、暗雲
「サンダーヘッド」や「サンダークラウド」「ストームクラウド」なら言いやすそうです。日本人は、「サンダーヘッド?」「ちりちり頭の雷様?」などと想像してしまう気がしますが、雷様を知らない英語圏の人は何を思い浮かべるのでしょう・・・。
あ、入道雲か。
「入道雲」を使った例文集
入道雲を使った例文を幾つか紹介します。
Looking at that storm clouds forming over the mountains over there, I think we’d better cancel our hike.
山の上にできている入道雲を見ると、ハイキングは中止した方がよさそうだ。
That thunderhead sure looks ominous. Make sure to take an umbrella when you go out.
あの入道雲は不吉な感じだね。出掛けるときは傘を持って行ってね。
The weather forecast said thunderclouds are moving over Tokyo. It might be a good idea to stay indoors today.
天気予報によると積乱雲が東京上空に移動しているそうです。屋内にいた方がいいかもしれません。
「入道雲」が何を指すか説明した後ならば、nyudo cloudsと呼んでもいいですね。
Whenever I see those towering nyudo clouds, I can’t help but feel summer is truly upon us.
あんなふうに立ち上がる入道雲を見ると、本当に夏が来たと感じずにはいられません。
Nothing says “summer is here” quite like the sight of a nyudo cloud on the horizon.
地平線に入道雲を見ると、まさに「夏が来た」という感じがします。
まとめ
夏の象徴の一つ「入道雲」は、英語では一般的にcumulonimbus clouds、もしくはもっと一般的にthunderheadと呼ぶことをご紹介しました。さて、いよいよ夏本番。あなたはこの夏、どんなことをする予定ですか?空に入道雲を見たら、thunderheadを使って英語の会話を楽しむのも、いいかもしれませんね。
トップ写真:Joshua Reddekopp from Unsplash 本文写真:Felix Mittermeier from Unsplash
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