TOEIC試験対策の専門家である田邉竜彦さんが、やさしく英文法を解説する本連載。第4回は、May I ~? Can I ~? Shall I ~?の違いです。一見すると似たような表現ですが、その微妙なニュアンスの違いを紹介します。
目次
May I ~? Can I ~? Shall I ~? の違い
こんにちは。トイグルの田邉です。
英語初学者の方からよく聞かれる質問に、May I ~? Can I ~? Shall I ~? の違いがあります。これらは一見すると似ており、場合によって交換可能なこともあるため、どのように使い分ければいいか迷うことも少なくありません。
そこでこの記事では、疑問文における may、can、shallの違いについて、分かりやすく説明します。日常会話はもちろん、ビジネス英語や TOEIC試験対策など、幅広く役立つはずです。ぜひ最後までご覧くださいね。
May I ~? は丁寧に相手から許可を求める表現
mayは「~してよい」の意味で、許可を与える際に使う助動詞です。硬い響きがあるため、正式な場面に用いることが多いといわれています。
May I ~? のように疑問文で用いれば、「~してよろしいでしょうか」の意味になります。次の例を見てみましょう。
May I use your phone?
(電話をお借りしてもよろしいですか?)
上の例文では、話し手が聞き手に、電話を借りられないかと尋ねています。mayを使うことで、社会的関係性がやや離れている相手に対し、丁寧にお願いしていることが分かります。
これに対する答え方は何パターンか考えられますが、日常会話で最も自然な表現として、以下のような言い方ができるでしょう。
Yes, of course.
(はい、もちろんですよ)
文法的には Yes, you may.も可能ですが、「使ってもよい」のような感じで、少々尊大な響きに聞こえなくもありません。
このように、May I ~? は丁寧で硬い表現になると覚えておきましょう。
Can I ~? は最も一般的な許可を求める表現
canは能力を表す助動詞で、「~することができる」を意味します。その意味が発展して、「~してもよい」と許可を与える意味でも使われるようになりました。
Can I ~? は「~してもよいですか?」の意味で、May I~?よりも広く使われます。次の例を見てみましょう。
Can I use your camera?
(カメラを借りてもいいですか?)
この例文では、話し手は聞き手に、カメラを借りられないかと尋ねています。Can I ~? の形を使っていることから、社会的関係性が比較的近い相手、例えば友人同士で話していると想像できます。
Can I ~? は他にも、飲食店などで客が店員に注文する際によく使う表現です。次の例を見てみましょう。
Can I have a cup of coffee?
(コーヒーを1杯頂けますか?)
客である話し手が、聞き手の店員に、コーヒーを注文している状況です。ここで、仮にMay I have a cup of coffee? と言うと、丁寧過ぎて不自然な響きになります。
この辺りの言い回しからも、May I ~? とCan I ~? の違いが感じられることでしょう。
Shall I ~? は申し出を表す
これまで述べてきたMay I ~? とCan I ~? とは異なり、Shall I ~? は「~しましょうか?」と「申し出」を表す際に使います。次の例を見てみましょう。
Shall I get you a drink?
(飲み物をお持ちしましょうか?)
ここでは、話し手が聞き手に、飲み物を持ってこようかと申し出ています。店員が接客している場面でしょうか。
Shall I ~? で覚えておきたい点は、答え方です。上の例文に対して、「はい」、あるいは「いいえ」で答えるには、次のように言います。
Yes, please. (はい、お願いします)
No, thank you. (いいえ、結構です)
文法的にはShall I ~? ですが、決してYes, I shall.のようには言わない点に注意しましょう。
なお、shallは古風な響きがあるため、現代英語、とりわけ日常会話ではあまり用いられないことも覚えておくと良いでしょう。
まとめ
この記事では、英語のMay I ~? Can I ~? Shall I ~? の違いについて説明しました。一見すると似た表現に見えるこれら3つですが、どのように使い分ければいいか、お分かりいただけたと思います。
この記事の詳細は、トイグルのウェブサイト「英語の助動詞shallの使い方!ポイントは『不可避』のイメージを理解すること」および、「助動詞canの使い方!ポイントは『能力×自由×疑い』の意味を理解すること」でもご覧いただけます。
誰もが疑問に思ったであろう英文法を3分で解決
3分あれば、学べることがたくさんある!TOEIC試験対策の専門家である田邉竜彦さんが、英語学習者なら誰もが一度は疑問に思ったことのある英文法のあれこれを3分で解説します。
「3分で分かる英文法」目次
第1回:canとbe able toの違い
第2回:willとbe going toの違い
第3回:mustとhave toの違い
第4回:May I ~? Can I ~? Shall I ~?の違い
第5回:shouldとhad betterの違い
第6回:Will you ~?とCan you ~?の違い
第7回:mayとmight、canとcouldの違い
第8回:wouldとused toの違い
第9回:might have、should have、would haveの違い
第10回:不定詞(to do)と動名詞(doing)の違い
第11回:if I amとif I wasとif I wereの違い
第12回:not to doとto not doの違い
英語力が伸び悩んでいる人にはこちらもおすすめ
英語力が上達しない5つの原因と解決法、早口な英語が聞き取れるようになる3つのポイント、スペリングを簡単に覚えられる3つの方法などを、田邉竜彦さんが解説します。
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。