「英語を学ぼう」と思ったとき、「英会話教室」という選択肢がパッと頭に浮かぶ人は少なくないのではないでしょうか?でもちょっと待って。英会話教室に通えば誰でも効果が出る、という訳ではないようです。7人の英語コーチからの、厳しくも温かいアドバイスをお届けします。
目次
Q.中学英語もあやふやな英語初心者が、英会話教室に通う意味はある?
中学英語もままならない英語初心者なのですが、いきなり英会話教室に通って効果は出るでしょうか?
A. もしかしたらお金の無駄かも!
こんな質問に対して、コーチ陣からは次のような回答が寄せられました。
- 身につくのは度胸だけかも
- 英語学習の肝は自主学習にあり!
- 通うなら日本人講師がおすすめ
- お金の無駄遣いになるかも……
- 「いきなり」はおすすめしません
- 英会話教室は 有効 な選択肢の一つ!
- 性格次第で有意義な初期投資に
また、英会話教室に通う上では「相性のよい先生」「日本語で教えてくれる先生」を探すべきという意見も見られました。
では、以下、それぞれのコーチからのアドバイスをご紹介します(全7件)。各コーチのプロフィールや、これ以外の質問と回答は、 こちらの記事 に。
身につくのは度胸だけかも
- 基礎的な英文法の習得
- 中学卒業レベルの基礎英単語の習得
- 正しい英語の発音の理解
英会話教室の講師も日本人英語に慣れているのでデタラメなブロークン英語でも理解はしてくれます。それで自分の英語が伝わっていると勘違いしがちです。実はこれが大きな落とし穴で、初心者の状態のときに間違った英語を間違ったまま使い続けると「化石化」といって間違った英語の感覚が染みついてしまいます。そして「化石化」された間違った英語の感覚は後々 修正する のに多大な労力を必要とします。
ですので、初心者のうちはまずはしっかりと英語の基礎部分である「基礎的な英文法の習得」「中学卒業レベルの基礎英単語」「正しい英語の発音の理解」を身につけてから英会話を始めることを強くおすすめします。それらをしっかりと身につけた後で英会話を始めると最短距離で英語習得ができます。
英語学習の肝は自主学習にあり!
特にネイティブの英会話教室だと、解説もないまま、丸暗記状態で表現を覚えていくので、確かに非効率に感じます。英語には規則性や型があるので、それらをしっかり身につけてから通うか、もしくはきちんと解説してもらえる英会話教室に通うのが良いかと思います。
そもそも 、私は英会話教室は実践の場、口慣らしの場と捉えているので、自主学習の時間で学んだことを試すことをおすすめしています。 すなわち 、英会話教室だけ行くことでは英語は上達しないのです。週に1~2時間だけ英語を話しても、他の時間に、圧倒的に日本語の環境にいたら、すべて忘れてしまうからです。
英語学習の肝は、自主学習にあるので、その時間どう自分で勉強するかが大事です。自主学習の中で、自分で英語の文法や単語を学んでいき、それを英会話教室で実践していく、という学び方であれば効果はあると思います。初心者向けにきちんと解説もある教室もあるようなので、そこで英語の基礎を学びながら会話をする、というスタイルが超初心者にはおすすめです。
通うなら日本人講師がおすすめ
せっかく英語が話せるようになりたいと思って教室に通っても、説明が分からない、質問もできない、ではもったいないですよね。英語ならやはり外国人講師がいい、と思われるかもしれませんが、初心者の方は特に、まずは中学レベルの基礎文法と単語を身につけつつ、分からないことが質問できる日本人講師が 安心 です。
そして、英会話教室を意味あるものにするためにも、自分が話したい内容で会話の練習ができることが重要になります。例えば日本に来た外国人観光客に道案内ができるようになりたいと思っているのに、英会話教室で旅行英語を学んでも、実践的とは言えません。基礎レベルが身につけば、シンプルな英文を自分で組み立てる力はついているはずですから、後は自分に必要な内容で学んでいくことが上達の近道になります。
お金の無駄遣いになるかも……
そしてもし仮に非常に良質な英会話教室を見つけたとしても、一番大事なのはご家庭での学習習慣です。1週間は7日間。7日間は168時間。3分の1を睡眠に使ったとしても、約110時間残ります。そのうち1、2時間を英語の勉強に使っても、残りの時間ずっと日本語に接しているようでは、正直大きな進歩は望めないからです。
とはいえ、初心者の方が単独で効果的な勉強方法を探し出し、それを継続するのは至難の業です。プロのサポートが必要と感じることもあるかもしれません。幸い最近はテクノロジーの進化により、ネット上でリーズナブルな価格のサービスが数多く提供されています。そちらも併せて試してみて、ご自分に一番合った教室またはコーチを見つけられてはいかがでしょうか。
「いきなり」はおすすめしません
英会話教室は、(3)のコミュニケーションの予行演習です。文法やトレーニングの積み上げなくコミュニケーションの練習をしても効果は出にくいですが、積み上げがあって、練習試合をするつもりで英会話教室に通うなら、とても意味があります。そういう意味では、初心者が「いきなり」英会話教室に通うことはおすすめしません。外国人と接することに慣れる効果もありますが、それだけなら英会話カフェやスカイプ英会話など、もっと安くて活用しやすい場はたくさんあります。
自分でできること(文法の確認、頻出フレーズを口に出すトレーニング、リスニングのトレーニングなど)はやっておき、腕試しのつもりで通うのがいいでしょう。「週末は何をしたの?」といった型通りの会話で終わらないよう、気になったニュースについて話せるよう準備しておいたり、仕事のプレゼンの練習をさせてもらうなど、あえて高いレベルに挑戦してみるといいと思います。
英会話教室は有効な選択肢の一つ!
実際に英会話教室に通うのであれば、「初学者を教えるのが上手な先生に出会うこと」がポイントになります。急がず丁寧に進めてくれる先生、ゆっくり英語を喋ってくれる先生、あるいは日本語の説明も加えながら進めてくれる日本人の先生に指導を仰ぐのもいいでしょう。
また、初心者の段階では英語学習に良いイメージを持てることも重要です。通うのが楽しくなるような相性の良い先生に出会えると、さらにレッスンも楽しくなるでしょう。
大手の英会話教室は、ほとんどの場合予約時に先生を選ぶことができるかと思います。上記を踏まえつつ、「この先生とだったら英会話の勉強が続きそう!」と思える先生を探すような気持ちでレッスンに通い続けてみてください。信頼できる先生との出会いは最高の財産です。ぜひ、初心者の自分を支えてくれる先生と出会うための労力を惜しまずにいきましょう。
性格次第で有意義な初期投資に
ただ、せっかくやる気になられる背景には何があるのか、質問者さんが「アクションをどんどん取る行動派」「楽観的」「人と関わるのが好き」「失敗を恐れない」タイプだとすれば、まずは英会話教室のグループレッスンで、ネイティブの先生などと会話する機会を持つことで、英語を、授業や机上の勉強ではなく、リアルなコミュニケーションツールとして認識を変えるために短期間の英会話教室通いは意味のある有意義な初期投資かもしれません。それで英語って楽しい!ってなれば儲けもの。あるいは、公民館などでお手頃な値段で自分が楽しいと思える英会話の機会が持てるなら、是非参加を考えるのもありでしょう。
一方で「人前で恥をかきたくない」「間違えるのが嫌」「コツコツまずは基礎を習いたい」慎重派の方は、書籍でまずは文法の復習に取り組んでみる、あるいは、ネイティブ講師の英会話よりも、日本人による英語教室、NHKラジオ英会話、英語コーチングなどに相談してみるのも選択肢だと思います。
英会話教室に何を求めるか、コスト効率と自分の優先度と合わせて、よく考えるといいです。
ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部 「英語を学び、英語で学ぶ」学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!
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