留学しなくても英語を話せるようになる方法を教えてください。

英語力をグッと伸ばしたいと考えたとき「留学」は有力な選択肢の一つ。でも、いろいろな事情で留学は難しいという人も多いはず。国内の学習だけで話せるようになるのか?それが可能ならば、 具体的に 何をするべきなのか?そんなお悩みに、4人の英語コーチがずばりお答えします。

Q. 留学しなくても英語を話せるようになる方法を教えてください。

「英語は留学しなくても話せるようになる」と聞きましたが、本当でしょうか?現状、英会話スクールには通っておらず、外国人の友達もいないため、アウトプットの場はありません。留学せずに話せるようになった人がどんな勉強をしたのか、知りたいです。

A. 自分自身で英語漬けの環境をつくれるなら、どこにいても同じ

こんな質問に対して、コーチ陣からは次のような回答が寄せられました。

  • 優れた市販教材で独学せよ!
  • 1日3時間以上英語に触れよう
  • 目標を明確にして誘惑に勝て!
  • 誰に何を伝えたいか?を明確に
コーチ全員、留学しなくても英語は話せるという回答に。英会話習得において重要な「自習」は、日本にいる方がむしろ効率的。「話す練習」も、いまやテクノロジーの進化で、国内にいながら誰でもリーズナブルに行うことができます。

ただ、嫌でも英語漬けの環境に身を置く留学と違って、国内では自ら能動的に英語に触れる機会をつくることが必要。逆に言えば、これさえクリアすれば、居場所は問わないということです。

以下、それぞれのコーチからのアドバイス(全4件)にはさらに 具体的な ヒントが紹介されていますので、ぜひご覧ください。各コーチのプロフィールや、これ以外の質問と回答は、 こちらの記事 に。

優れた市販教材で独学せよ!

アウトプットに必要な「大量のインプット」を日本でやろう(福田圭亮)
英語をスムーズに話せるようになるために留学はほとんど関係ありません。というのも、留学しても英語を話せるようにならないまま帰国する人が実際は大半を占めています。日本から一度も出ずに英語をスムーズに話せるようになった人もたくさんいます。

英語をスムーズに話すのに必要なトレーニングは大きく4つです。

  • 中学校で習う基礎的な英文法の習得
  • 高校卒業レベルの英単語(5000語レベル≒英検2級相当)の習得
  • 瞬間的に簡単な英文を構築する力をつける
  • 英語の正しい発音の習得
これらは日本にいる方が効率的にできます。英文法や英単語習得には市販の優れた教材を使えば短期間で一気に習得できます。瞬間的に簡単な英文を構築する力も「瞬間英作文トレーニング」で鍛えることができます。市販の発音トレーニング教材も、日本人にとって分かりやすいものがたくさんあります。

英語習得で最も大切な考え方は「大量のインプットと少量のアウトプット」です。多くの人はアウトプットにこだわりがちで、留学や英会話スクールを検討します。しかしアウトプットしようにもインプットされたものがなければできません。

自分の知っている英単語や表現を何回繰り返したところで表現の幅は広がりません。大量のインプットをするなら、日本で学ぶ方が有利です。「留学すれば英語を話せるようになる」という幻想に惑わされないようにすることが重要です。

1日3時間以上英語に触れよう

瞬間英作文とシャドーイングでスピーキング力が向上(五十嵐未知子)
「英語は留学しなくても話せるようになる」というのは本当です。通訳学校の同時通訳をこなす先生で、留学したことがない、という方も知っています。反対に留学しても上達するとは限りません。

英語学習は、・自主学習と・継続が肝です。 従って 、自分で自分を管理し、1日3時間以上毎日勉強できる人であれば、環境に関わらず、必ず英語が上達します。でもこれが、なかなか自分では難しいので、皆さん留学して自然と英語を3時間みっちりできる環境に身を置くのですね。

独学で勉強する場合は、主に問題となるのはスピーキング力の向上かと思いますが、これは初級者であれば、日本語から英語を瞬間的に訳す「瞬間英作文」が、ある程度上級者であれば「シャドーイング」がおすすめです。シャドーイングは結構スピードについていくのが難しいので、TOEICなら900点以上ある人が望ましいと思われます。シャドーイングをして、自分の声を録音して聞いてみると、良い復習となりますよ(最初のうちはすごくがっかりしますが……)。

目標を明確にして誘惑に勝て!

ITを駆使して英語環境とアウトプットの場を作ろう(鬼英語コーチ☆サヤコ)
テクノロジーの進化のおかげで、日本に住んでいても英語環境を作ることは非常に容易になりました。ネットさえあれば、海外ドラマを英語字幕で観たり英語のラジオをポッドキャストで聴いたりすることができるので、必ずしも留学しないと英語が話せるようにならない訳ではありません。

ただ相当強い目的意識や目標がないと、この習慣を継続するのはかなり困難です。インプットもアウトプットも日本語の方が楽なので、ついつい周りの誘惑に負けてしまうからです。まずはご自分がなぜ英語を習得したいのかという目的をクリアにし、何をいつまでに達成したいのかという目標を数値化してみましょう。そしてそこから逆算して「今、何ができるか」を考えてみましょう。

それに加え、インプットを繰り返すだけでは話せるようにならないこともお忘れなく。アウトプット に関して も、能動的にその機会を作ることが不可欠となります。幸いこちらも、リーズナブルな価格のオンライン英会話を利用したり、ランゲージエクスチェンジのパートナーを見つけたりするなどの方法があります。ぜひいろいろ試してみてください!

誰に何を伝えたいか?を明確に

自主練と実戦を積み重ねれば、国内でも話せるように(谷口恵子 / タニケイ)
私自身も留学経験はありませんが、自分が英語で話したいことは話せるようになりました。話せるようになるために必要なことは、「文法+単語+話す練習」というシンプルなものだと思います。文法が嫌い、単語は覚えたくない、話す練習をする場はない、ということだと、話せるようにはなりません。

今でも、初めて英語で話す内容については、知らない単語があったり、いい表現が思いつかなかったりすることは多々あります。その度に、「調べて、練習をして、話してみる」を繰り返すのです。

また、国内で英語が話せるようになった人は「話したいことがある人」であるという共通点もあります。自分が英語で伝えたいと思う何かがあることが、出発点です。どんな人に、どんな話がしたいのか、を 具体的に 考えてみましょう。そして、その場を想定した自主練をしましょう。基本は、トレーニング(自主練)+コミュニケーション(実践)の積み重ねです。

アウトプットの場としては、英会話スクールだけでなく、スカイプ英会話や英会話カフェなど、いろいろと手軽な場があります。日本人同士でも、良いサークルがいろいろありますよね。私のおすすめは「 Vital English」という場です。一回ごとに参加申し込みができて、毎回テーマが変わります。とても活気があって、英語習得に前向きな方がたくさん参加されていますので、チェックしてみてください。

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部 「英語を学び、英語で学ぶ」学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!

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