「仕事で必要だからビジネス英語」「昇進したいからTOEIC」など目的が明確な場合は英語を学ぶ動機も、学ぶべき英語も明確。そうでない場合、楽しく英語学習を続けるにはどうすればいいのでしょう?「目的がなければ英語を学ぶ意味はないのか?」という そもそも の疑問も含め、7人の英語コーチがお答えします!
Q. 明確な目的がなくても、楽しく英語学習を続けるコツは?
英語が必須の環境ではありませんが、話せたら楽しいと思い英会話教室へ通っています。でも、テレビなどで「日本にいれば英語は必要ない」という 主張 を聞いて、気持ちが萎えることも。明確な目的がなくても、楽しく英語学習を続けるコツを教えてください。
A. 「英語学習」自体を楽しもう!
こんな質問に対して、コーチ陣からは次のような回答が寄せられました。
- 苦に感じない英語学習を見つけよう
- 楽しいと感じることが、最重要
- 興味のある内容で学習してみて
- 自分のペースで英語学習を楽しむ
- 上達を実感できる機会を持とう
- 自分の伸びを感じるアンテナを磨け!
- 楽しいと思える英語学習にどんどん挑戦を
では、以下、それぞれのコーチからのアドバイスをご紹介します(全7件)。各コーチのプロフィールや、これ以外の質問と回答は、 こちらの記事 に。
苦に感じない英語学習を見つけよう
毎日2時間英語に触れればOKなのです。そして、それは決して難しくはありません。
まずは自分の身の回りを英語化することです。スマートフォンの設定を英語に、YouTubeで英語の動画を観る、Netflixで洋画を英語(英語字幕あり)で観る、通勤中に英語のリスニングをする、簡単な英語日記を書くなどです。また、外国人の友達を作るのも非常に効果的です。メッセンジャーでチャットしていると、気がついたらかなり長い文章を書いているようなこともあります。
このように「自分が苦に感じない英語学習」が最も良いです。英語を習得する最大のコツは「長期間継続すること」です。
ですので毎日楽しく自然にできる方法で英語学習を行っていけば長期間継続でき、2、3年続けていけば自然と英語も身についていきます。
楽しいと感じることが、最重要
英語は日本人にはどんな人にとっても避けて通れる道です。例えば、仕事で昇進するために英語が必要です、という方も、英語が本当に嫌いなら、その昇進を諦めるか他の仕事に転職することも可能です。
日本に住んでいる限り、英語は誰でも避けて通れる道なのです。もっと言うとアメリカにいても英語を大して話せなくても生きていけます。日常会話程度ができればそれで生きていけるので、長年海外に住んでいても全然英語が上達しない人もたくさん見てきました。
本当に英語を勉強する かどうか は、明確な目的を持っているかではなく、その人の選択にかかっているので、どんなに目的が曖昧でも、その人が「英語を勉強する」という選択をした以上、同じ土俵だと思っています。
したがって 、英語を続けるには明確な目的がある かどうか よりも、英語を勉強すること自体が楽しいと思えることが大事です。目的も何でも良くて、外国人の彼氏が欲しい、映画を楽しみたい、退職後海外移住したい、旅行を楽しみたいなど、その人がワクワクするような目的であれば何でも良いと思います。
実際に私も最初は「海外ドラマを楽しみたい」から始まり、「世界中の人とコミュニケーションしたい」と大して目標は明確ではありませんでした。
そこからそのためには英検1級取ろうとかTOEIC満点取りたい、という 具体的な 目的になっていきました。結局、その試験のための勉強が今の英語力につながっています。
興味のある内容で学習してみて
例えば来年は東京でのオリンピック開催があります。その際、駅やお店で外国からの観光客が困っている姿を見かけることもあるでしょう。「英語は必要ない」と思って使わなければそれで終わりますし、逆に外国人の方の道案内やヘルプをしてみようと思えば、英語を使うことは十分可能です。
「明確な目的」と肩肘をはらなくても、「これができたら楽しい」という、自分で使いたいシーンの 具体的な イメージを持つと、学習は続けやすくなります。まずは興味がある内容や、英語を使ってみたい状況を想定して取り組まれるといいですね。ごくシンプルなテキスト、視覚的にも楽しめる教材などを使ったり、オンライン英会話などで、ご自身が話したいトピックを練習することも可能です。
「楽しい方法は?」と探しながら学習すること自体を楽しんでみてください。そうすることで、飽きにくく、負担にならずに続けやすくなります。
自分のペースで英語学習を楽しむ
私自身、イタリア語とフランス語を独学していますが、どちらも生活に「必要」な訳ではありません。でも美術展に行って絵画のタイトルを原語で理解できたり、旅行番組などで地元の人が話している内容が字幕なしで分かったりすると、なんとも言えない喜びを感じます。
また日本で英語というとどうしても「学校の教科」と考えられがちですが、実際は世界で最も効率の良いコミュニケーションのツールです。ビジネスの現場でも、一番使われているのはやはり英語。つまり英語ができて損することなどあり得ないのです。
それからもう一つ。「日本にいれば英語は必要ない」と 主張する 方のほとんどは、ご自身が英語を話せないのです。そんな負け惜しみは放っておいて、これからも英語学習をご自分のペースで楽しんでください!
上達を実感できる機会を持とう
話すのが好きな人なら、英会話カフェに行ったり、スカイプ英会話をしてみたり、ボランティアガイドをしてみたり、日本にいながらでも英語で会話をする機会はたくさんあります。Meetupなどを利用して、英語で会話ができる友人を作るのもいいですね!客観的にスピーキング能力を測りたい人は、TOEIC Speaking Test などの試験にチャレンジするのもいいかもしれません。200点満点で、10点刻みでスコアが出ます。
また、英語学習仲間を持つことも、学習自体を楽しむのに役立ちます。たくさん話せるマンツーマンの英会話教室のほうがいいと思うかもしれませんが、一緒に切磋琢磨できる英語学習仲間がいることで、刺激を受けますし、モチベーションも保ちやすいので、友人ができるような英語学校を選ぶのも、とてもおすすめです。
私自身は、2009年にTOEIC980点をとってからも、「正しい英語を話さないといけない」という意識が強くて会話が苦手だったのですが、 FORWARD という英語学校に入学して、10数名のクラスメイトと一緒に、英語だけで会話をして一から英語劇を作りあげるプロジェクトを何度か経験するうち、英語を話すことの楽しさに目覚めました。ぜひ、自分なりの楽しみ方を見つけてくださいね。
自分の伸びを感じるアンテナを磨け!
その状況をより良いものにするため、「自分の伸びを、少しでも積極的に感じるアンテナを磨くこと」をおすすめします。人は取り組んだことに対して効果や成長を感じられると、「自分はやれる!」「もっとやりたい!」という気持ちになります(これを「自己効力感」と言います)。この気持ちをできるだけ積極的に作ると、学習は楽しくノリノリに進められます。「習ったばかりの英単語を駅の看板で発見できた!」という、本当に些細なことでもOKです。自分の伸びを拾い上げるアンテナ感度を高めていきましょう。
そうやって楽しく学習を進めていけば、英語を活用する様々なシーンに興味が広がっていくことも想定されます。その結果、近い将来「せっかくならこんなシーンで英語を使ってみたい!」と、質問者さまらしい目標や目的が芽生えてくるのではないでしょうか。
楽しいと思える英語学習にどんどん挑戦を
楽しく学習を続けるコツは、「自分が楽しいと思うことにどんどん挑戦していくこと」、そして、「自分の楽しみに対して誰がなんと言おうと気にしないこと!」ではないでしょうか。知的好奇心や楽しみを追求するのに、「やりたい/やってみたいから」といった本人のポジティブな気持ち以外、特に明確な目的は要らないのではないかと思います。
時折耳にする「日本にいれば英語は必要ない」という文には、話の流れや発信者によって色々な意味が込められています。「日本国内では日本語だけで生活に困らない(=必要ない)」という事実を述べたシンプルなものから、「つらく苦しい思いをしてまで英語を学習する必要はない」と苦しむ学習者を労るもの、さらには、なかなか英語が身につかないことへの苛立ちや負け惜しみに英語不要論を語ってしまう方もいないとは言えません。
そんなネガティブな思いを持ちながらも英語学習に取り組んでいる(取り組まざるを得ない)人の大勢いる中で、前向きな気持ちで英語学習に取り組めているというのはとても幸せで素敵なことです。どんどん学びを謳歌してください!
「必要」の意味や度合いは個人で異なります。装飾品や高級時計は必要だから身につけるだけでしょうか。シンプルにそれが好きだから身につける方もいるはずです。同じように、「英語ができたら楽しそう」という考えがあれば英語を身につける理由として十分だと思います。
どこにいても、何をしていても、言語の知識が邪魔になることはありません。さらにワクワクしながら英語を学ぶために、「英語ができたからこれが分かった、できた、楽しかった」リストを作ったり、どんな英語の使い手になりたいかを書き出してみたりするのもおすすめです。そして、どんどん英語を使う機会を作り出していくのはいかがでしょうか。英会話教室で仲間や講師と話すことが楽しいなら、それも立派な学習動機です。
ポジティブな考えはポジティブな結果を引き起こし、周囲にも伝染します。ぜひ自分の気持ちを大切にして、前向きに英語学習に取り組んでください!応援しています。
ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部 「英語を学び、英語で学ぶ」学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!
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