夢を叶えるために必要な「いい我慢」とは【ニコライ・バーグマンさんインタビュー】

『ENGLISH JOURNAL』2020年7月号にご登場いただいている、フラワーアーティストのニコライバーグマンさんのインタビューを音声付きで紹介します!「フラワーボックス」誕生秘話や、最新著『いい我慢~日本で見つけた夢を叶える努力の言葉~』のタイトルにある「いい我慢」とは何なのか、ご自身がどのように夢を叶えたのかについて、語っていただきました。

ニコライ・バーグマンさんってどんな人?

1976年、デンマーク生まれのニコライさんは、2001年に自身のブランド「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン」を立ち上げ、2010年に南青山に旗艦店をオープン。北欧と和を融合させたユニークな作品を発表し続け、フラワーデザインはもとより、ファッションやデザインの分野で世界有数の企業と共同デザインプロジェクトを手掛けています。

現在は国内外に14店舗のフラワーブティック、2つのカフェとバーガーショップ、アートギャラリーを 展開 しています。

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いい我慢~日本で見つけた夢を叶える努力の言葉~
 
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ひらめきで生まれた「フラワーボックス」

And (1)soon after, a customer came in and said that they wanted gifts for a (2)press release event where they didn’t have much space to give the flowers to the customer. So , they (3)basically had, like, one table, and this table, they had to (4) stack up the flowers ? so , basically, put them (5) on top of each other .

So I made a lot of different samples, small (6)arrangements, small (7)bouquets, and since the request from the customer was to stack things, I also bought a lot of small boxes to put the bouquet and arrangement inside so I can put them on top of each other . But there was also budget. And the budget didn’t really (8)come together with the . . . I couldn’t do both . And that’s when I came up with the idea of putting flowers directly into a box. And then that (9)turned out to be a very good idea.

それから間もなく、一人のお客さまが入って来られて、顧客に花を渡すスペースがあまりないプレス向けのイベントで配るギフトが欲しいという相談を受けました。基本的に、テーブルが一つあって、このテーブルに、花を積み上げなくてはいけない、つまり、基本的に一つ一つ重ねていかなくてはいけなかったんです。小さなアレンジメントや小さなブーケなど、いろいろなサンプルをたくさん作ってみました。そして、お客さまの要望が積み重ねる、ということでしたから、ブーケやアレンジメントを中に入れてどんどん積み重ねていけるよう、小さな箱もたくさん買いました。でも、 予算 の都合もありました。 予算 は実際のところ、うまく合わせることが・・・両方はできませんでした。その時に、花を直接箱に入れるというアイデアを思い付いたのです。そしてそれが、結果的にはとてもいいアイデアになったのです。
語注

(1) soon after 間もなく (2) press release  プレスリリース、報道発表 (3) basically 基本的に (4) stack up ~ ~を積み重ねる (5) on top of each other  (お互いに)重なり合って (6) arrangement  アレンジメント ★カゴなどに吸水性のスポンジを入れ、そこに切り花を挿したもの。 (7) bouquet  花束、ブーケ (8) come together with . . . ★ここでは「 予算 が折り合わなかった」と言おうとしたと思われる。 (9)  turn out to be ~ ~という結果になる

新刊『いい我慢』というタイトルの意味

The book is called Ii Gaman. And when I first (1)got introduced to the word “gaman,” my Japanese was still not very good. And for many years, I always had the idea that gaman was kind of like a positive thing. But when I start to ask around and ask people’s feeling about gaman, it was always negative; it was always something impossible that you would do which didn’t make you feel good. But I (2) sort of came up with this idea that . . . I mean , life is difficult. There’s a lot of things you need to do.

If gaman is not good, then what is “ii gaman”? And basically, I sort of realized that a lot of the things that I have felt waswere] really difficult and where I really (3)stretched myself [more than I (4)was first willing to , I realize that that gave me, um, a lot of positive things (5) going forward . I had new opportunities.

本のタイトルは『いい我慢』です。私が初めて「我慢」という言葉を教えてもらったとき、まだ日本語があまりうまくありませんでした。何年もの間、私は我慢とは、ある意味ポジティブなものだと考えていました。でもいろいろ聞いて回り始めて、人が我慢をどう捉えているのかを聞くようになると、それは決まってネガティブなものでした。それは常に、あまりいい気分のしない無理なことをする、という意味でした。でも私は何と言うか、こんな考えを思い付いたのです・・・つまり、人生は困難なものです。やらなくてはいけないことがたくさんあります。

我慢がいいことでないなら、「いい我慢」とは何でしょうか? それはつまり、自分が本当に難しいと感じていた多くのことや、自分が最初にやろうとした以上の力を尽くしたことが、自分が前に進むために必要なたくさんのポジティブなものをもたらしてくれたことに気付いたのです。新しいチャンスが生まれました。

語注

(1)get introduced to ~ ~を紹介される、~を知る (2) sort of ~ 多少 (3)stretch oneself 自分の能力をさらに広げる、全力を尽くす (4)be willing to do ~する意思がある (5) go forward  前進する

日本で暮らした20年を振り返って変化したこと

So , a lot of things have happened. So , nothing is the same basically anymore. And there is no way back, which is, of course , nice. Um, sometimes you could wish things were a bit more simple, no ? But, that’s just sort of living a, a (1) weird dream, you know? I’m very happy with what I’ve (2)achieved and what I’ve done. And, and I’m very happy to keep going on it. Um, I think what has (3)stayed the same and has never changed is my passion for flowers. Uh, running a flower shop, now running a flower business , my love for nature is exactly the same.
これまで、いろんなことが起こりました。つまり、同じものは、基本的にもう何もありません。それに戻ることはできませんが、それは、もちろん、いいことです。時には、物事がもっとシンプルだったら、と願うことはありませんか? でも、それはある意味、奇妙な夢を生きているようなものですよね。私は自分が達成したこと、やってきたことにとても満足しています。そして、これからも続けていくことをとてもうれしく思っています。そして、同じままのもの、まったく変わっていないものと言えば、私の花への情熱です。フラワーショップを経営して、今ではフラワービジネスを経営していて、私が抱く自然への愛は、まったく変わっていません。
語注

(1) weird  奇妙な (2) achieve  ~を成し遂げる、~を達成する (3)stay the same 同じ状態のままである

インタビューのフルバージョンは『ENGLISH JOURNAL』2020年7月号で!

写真:杉本博一 取材:大井明子 翻訳:春日聡子  

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2020年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

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日本人インタビューにはメディアアーティストの落合陽一さんが登場し、デジタルの時代に生きる英語学習者にメッセージを届けます。伝説の作家カート・ヴォネガットのスピーチ(柴田元幸訳)、ノーベル生理学・医学賞受賞のカタリン・カリコ、そして、『GRIT グリット やり抜く力』のアンジェラ・ダックワースとインタビューも充実。どうぞお聴き逃しなく!

【特集】PC、IT、そして、ChatGPT・・・パイオニアたちの英語で見聞する、テクノロジーの現在・過去・未来
【国境なきニッポン人】落合陽一(メディアアーティスト)
【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明

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