日本の夏の風物詩ともいえる食べ物「ところてん」。私たちには、見慣れた食べ物ですが、外国の人にはどう説明したらいいでしょうか。興味深い「ところてん」のトリビアも一緒にご紹介します。
「ところてん」の説明を英語で考えてみる
日本の夏を象徴する食べ物、それが「ところてん」です。爽やかな味わいはもちろん、ダイエットにも最適なところてんは、そのつるりとした食感と甘酸っぱさ、独特の味覚体験を提供します。筆者は酸っぱいのが得意ではないので、実は黒蜜で食べるくずきりの方が好きですが・・・。それはともかくとして、英語で簡単にWhat is “tokoroten”?に答えるにはどうすればいいか、調べて考えてみました。
Tokoroten is a traditional Japanese dish made from a seaweed jelly that has been shaped into noodles. It is often served with either a tangy sauce made with rice vinegar and soy sauce or a sweet black sugar syrup.
ところてんは、海藻から作ったゼリーを麺状にした伝統的な日本料理です。酢としょうゆ油で作った酸味のあるソースや、甘い黒糖シロップと一緒によく提供されます。
ところてんは酸っぱいだけじゃない?黒蜜をかけるのは寒天が「あんみつ」や「みつ豆」になったときだけだと思っていました。調べてみると関西地方では黒蜜をかけて食べるという記述が見つかりますが、本当なんでしょうか。関西の皆さん、ぜひその真偽を教えてください!
もう少し詳しく「ところてん」を英語で説明してみる
さて、もうちょっと長く、詳しい説明を、アルクのネイティブスタッフに考えてもらいました。
Tokoroten is a traditional Japanese dish that is over a thousand years old. It is made by boiling a seaweed called “tengusa” and forming it into a jelly, which is then shaped into noodles. Originally a popular summertime snack in Edo, present-day Tokyo, it is now enjoyed all year round. These days, in the Kanto region, tokoroten is typically served with a tangy mix of vinegar and soy sauce. Meanwhile, in the Kansai region, a sweeter version is served, featuring “kuromitsu,” a black sugar syrup. Either way, it’s delightful.
ところてんは伝統的な日本の料理で、その歴史は1000年以上にも及びます。「テングサ」と呼ばれる海藻を煮て、ゼリー状に固め、麺のような形にします。元々は江戸(今の東京)で夏に人気の軽食でしたが、現在では一年中楽しまれています。現在、関東では、酸っぱい酢じょうゆで食べるのが一般的です。一方、関西では「黒蜜」という黒糖のシロップをかけた甘い味付けがあります。どちらも、とてもおいしいです。
「ところてん」という名前の由来が気になる
英語で説明してみよう!という趣旨とは関係ないのですが、ずっと気になっていたのが、ところてんを漢字で書くと「心太」になること。それって「こころぶと」じゃない?と。そう思ったことがある方は挙手!
Tokoroten, written as “心太” in kanji, has an interesting story. It comes from Old Japanese, first recorded in the Wamyō Ruijushō in 938 CE. It means “thick spirit,” reflecting the firm texture of this food. Through the centuries, the pronunciation morphed from “kokorobuto” to “kokoroten” and finally to “tokoroten,” possibly influenced by “tengusa,” the agar seaweed that's a main ingredient.
漢字で「心太」と書くところてんには興味深い話があります。938年の『和名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)に記されたのが始まりです。「厚い魂」という意味であり、この食べ物が持つしっかりとした食感を表しています。その後、「こころぶと」、「こころてん」、「ところてん」と発音が変化していきましたが、これは「テングサ」、つまり主原料となっている寒天(かんてん)の影響だと思われます。
食感から生まれた名前だったんですね。そして、そのまま「こころぶと」と呼んでいた時代もあったとは。それが「ところてん」になるのは、ちょっと変化し過ぎの気もしますが・・・勉強になりました。
まとめ
さて、ところてんについて、簡単な英語の説明とその名前の歴史を紹介しましたが、いかがでしたか。ところてんについて書いていたら、あのつるつるの食感が恋しくなってきました。機会があれば、酢じょうゆだけでなく黒蜜も試してみたいと思います。
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