イギリス4国の英語の違いやなまりを紹介!現地の人が実際に話す音声付き

イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国から構成され、話される英語にも違いがあります。それぞれどんな特徴があるのか、また、独自の言語は存在するのかなど、現地の人達にインタビューしました。インタビュー音声もお楽しみください。

イギリスで話されるのは英語だけではない!

イギリスでは、英語以外にもたくさんの言語が話されていることをご存じですか?

イギリスで話される言語は英語以外にスコットランド語、ウェールズ語、アイルランド語、アングロ・ロマニー語、スコットランド・ゲール語などが知られており、特定の地域でしか通じない単語なども多いようです。

本記事では、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド出身の方々に、各国で話される言語の特徴などについて聞いてみました。実際のインタビュー音声も聞けるので、英語の発音の違いなどを聞き比べるのもおすすめです。

イングランドの英語

インタビュイー情報

  • Berniさん
  • 60代
  • ドッグスタイリスト
  • イングランド、マンチェスター出身

イングランドにはなまりが数多くあって、25~30マイル(約40~48キロ)ごとになまりが変わるとされています。私の兄はもちろん、私と同じくマンチェスターで生まれましたが、そこから25、30マイル離れたボルトン出身の女性と出会いました。彼女のなまりは兄のなまりとはまるで違います。話し始めるとその人がどの辺りの出身か、北部なのか南部なのかがだいたい分かります。

私たちが使う表現には他とは全く異なるものもあります。例えば、“ta-ra”は「さようなら」を意味し、“Leg it”、“Let’s leg it”は「走る」、“chuffed”は「喜んでいる」、“brew”は「1杯の紅茶」、“sound”は「良いですね」、“our kid”は「兄弟姉妹」を意味します。“It’s spitting”は「霧雨」という意味です。

これらはごくわずかな例ですが、この地域だけで話されるものです。マンチェスターのある北西部や北部出身の人たちはとても率直な人たちで、例えるならニューヨーカーでしょうか。とても率直で淡々としていて、面と向かってものを言う、真面目なタイプの人々です。

There’s[There’re] many, many different accents in England. They reckon every 25 to 30 miles you’ve got a different accent. My brother who was born in the same place as me, obviously, in England met a girl from Bolton ― which is 25, 30 mile(s) outside of Manchester ― she has a totally different accent than him. You can virtually tell when someone starts speaking whereabouts they’re from ― whether they’re from the north or the south.

We have totally different expressions. Like, “ta-ra” means goodbye. “Leg it,” “Let’s leg it” ― run. “Chuffed” ― you’re pleased. “Brew” ― cup of tea. “Sound” ― that’s good. “Our kid” is your sibling ― your brother or sister. “It’s spitting,” means fine rain. So, they’re just a few, and that’s just local. People from the northwest, where Manchester is ― northern people ― are very straightforward people. I guess the comparison is like the New Yorkers. They’re very straight, matter-of-fact, kind of in your face, kind of nononsense kind of people.

スコットランドの英語

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  • Alexさん
  • 60代
  • スコットランド、グリーノック出身

スコットランドには公的に認められた言語が三つあり、主要言語はもちろん英語で、他にスコットランド語とゲール語があります。スコットランドのどこで育ったかによって、他のどんな言語の影響を受けるかが異なってくるでしょう。スコットランドの西海岸は、アイルランドとの距離がたった16マイル(約26キロ)と比較的近く、アイルランド移民が多く移住してきました。祖先がアイルランドへ移り、数世代にわたってそこで暮らした後にスコットランドに戻ってきた人もいます。そのため、スコットランドの西海岸にはアイルランドの影響が強くあるのです。

スコットランドの一部の地域では、そこの言語に慣れていない人だと戸惑ってしまうでしょうね。例えば、大半とは言わないまでも多くのスコットランド人は、質問に対して「yes」とは答えず「aye」と答えます。他には東海岸や北部では特にそうだと言えると思いますが、例えば誰かに「タムさんをご存じですか?」と聞いたとします。そうすると相手は「I ken. I ken Tam fine.」と答えるのですが、kenは「知っている」という意味なんです。

もう一つ、人への呼び掛け方について、スコットランドでは親しみを込めた女性の呼び方があります。親密になることを目的とするようなことではなく、単に親しみがあってくだけた呼び方で「Hello, Agnes, hen. How are you?」と声を掛けます。「やあ、アグネス」とか、そんな感じでしょうか。これはよくある呼び方です。hen(めんどり)だからといって、卵を産むだろうとかそういう意味ではありません。

There are three officially recognised languages in Scotland. The main language is, of course, English, or some form of English; Scots language; and Gaelic. Depending on where you grew up in Scotland, you’ll have other language influences. On the West Coast, because of the comparatively small distance between Scotland and Ireland ― it’s only 16 miles out ― there were many Irish immigrants came over. And there were also Scotch who went to Ireland, lived there for generations and then come back. So, there’s a heavy Irish influence in the West Coast of Scotland.

In several areas of Scotland, the language can be confusing if you’re not familiar with it. For instance, many Scots, if not most Scots, will not answer a question with “Yes.” It will be “Aye.” Another thing you might say is ― in the East Coast particularly and in the north ― somebody would say, “Do you know Tam?” And they’d say, “I ken, I ken Tam fine,” meaning “know.”

Another thing about the mode of address to people, a familiar form of address to a female in Scotland ― and it’s not meant to be intimate, it’s just a friendly, informal form of address ― they’ll say “Hello, Agnes, hen. How are you?” “Hello, Agnes, dear,” or it’s like that. It’s a familiar form of address. It doesn’t mean that they expect you to lay eggs.

ウェールズの英語

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  • Pádraig Lawlorさん
  • 20代
  • 学生
  • ウェールズ、ブリジェンド出身

ウェールズ語は美しいと思います。ちょうど今、盛り返しているところで、恐らく成人の大半はウェールズ語を話すでしょう。特に年配の人の大半は、英語よりウェールズ語を話すと思います。でも若い人は学校でウェールズ語を習わないので、あまり話しません。

ウェールズ人は2言語話者かという質問に対しては、ほとんどの人はウェールズ語をある程度は話せますが、2言語話者が大半だとは言えない、と答えますね。ウェールズの西部や北部の人たちは、恐らく英語は話さないでしょう。

英語では、母音をあまり長く発音しません。例えば、helloは「ハロ」のように言います。しかしウェールズ語の話し方では、「ハロー―」のように母音を少しだけ長めに発音します。とても微妙な違いですが、「o」(オ)ではなく「ohh」(オー)のような感じになります。

より北の方へ行くと、特に北部では、すごく鼻にかかった話し方をします。私はカナーヴォン出身ですが、そこの言語はよりケルト語のような感じです。Rを巻いて発音し、独特な音の母音の「a」があります。特に北部では、喉頭を引き上げて発音するので、これもすごく鼻にかかった音です。ちょっと何かが喉に詰まったような、そんな感じに聞こえます(笑)。南部出身の人はそれをからかうのが好きですが、実は私はそのなまりが好きなんです。

The Welsh language is gorgeous. It’s having a revival at the moment. I would say probably most people that are adults speak Welsh, or especially older adults will speak Welsh most of the time over English. But a lot of younger people don’t ’cause they go to schools that don’t teach it. I would say, to answer your question about people being bilingual, most people can speak it to a certain degree, but I wouldn’t say most people are bilingual. When you go west and north, then people probably don’t even speak English.

In English, they don’t really spend a lot of time on a vowel. For example, you’d say like, “Hello.” Whereas in a Welsh accent, they just spend a little bit more time on each vowel. So, it’d be like, “Helloo.” It’s sort of quite nuanced, but it’s like a(n) “ohh” sound as well, instead of an “o.”

When you go further up, especially up in the north, they’re very nasal. I’m from Caernarfon. The language up there is a lot more like the sort of Celtic language. They roll their R’s, and they have a specific, distinctive, “a” vowel. Specifically, as well, up in the north, it’s very nasal, so you, the larynx is raised. They sound a bit like they’ve got something stuck in their throat or something like that. Ha-ha. People from the south like to make fun of them, but I actually like the accent.

北アイルランドの英語

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  • Dvoraさん
  • 写真家
  • 北アイルランド、ベルファスト出身

今はイングランドに住んでいるので、私のなまりは以前より少し弱くなりました。北アイルランド人はとても早口で話すので、複数の語がつながって長い1語のように聞こえたりします。故郷に帰ると、私がいやに上品ぶっていると思われるんです、ゆっくり話したり幾つか単語の発音を変えたりしたからです。

大学に入学するためにここイングランドに来たとき、よく話し方をからかわれました。私は写真科の学生だったのでフィルムの作業をしていたときに、filmの言い方をよくからかわれました。filmではなく「fil-lem」と言っていたからです。fil-lemです。あとはsnooker(スヌーカー:ポケット・ビリヤードの一種)ですね。よく、「snookerという単語を言ってみて」と話しかけられましたね、私たち北アイルランド人は「snugger」と言うからです。北アイルランドの人はとても鼻にかかった話し方をする傾向があります。

北アイルランド人の話し方の例を幾つか挙げますね。「やあ、元気ですか?」「全て順調ですか?」と聞かれたら、「So, it is.」と言うんです。「今日は本当に良い天気ですね、so it is.」のように「so it is」をたくさん使います。

南アイルランドのなまりは、どちらかというとウェールズ語に少し似ているように思います。ちょっと歌うような感じです。U2のボノの話し方を思い浮かべるといいかもしれません。それか「テッド神父」を見たことがある人がいるかどうか分かりませんがそんな感じです。それが話し方の違いです。テッド神父は南アイルランド人です。南アイルランドの言葉はもっと軟らかいです。北アイルランドは鼻にかかった話し方なので、より強めのなまりといえるかもしれません。

My accent is a bit softer than it used to be. The Northern Irish speak very quickly, and the words can roll into each other so it can become one big word. So when I go home, they think that I’m quite posh because I’ve had to slow down to speak and I’ve had to change the pronunciation of some of my words.

When I came to here for university, they used to make fun of the way I would ・・・Because I was a photography student, and I was working with film, they used to make fun of the way I would say film because at the time it was “fil-lem.” Not film. Fil-lem. And snooker. They used to ask me to say the word “snooker” a lot ’cause we would say “snugger.” Northern Irish tends to speak, it’s quite nasal, the accent.

So, I’ll give you an example of some Northern Irish speak(er). They say, “Hi, how’re you doing?” “Are you doin’ all right, there?” “So, it is.” They use “so it is” a lot. “It’s a really lovely day today, so it is.”

Your southern Irish accent, I think, it’s a bit more kind of like, in a way, Welsh. It’s more sing-songy. If you think of the way maybe Bono from U2 would talk, I don’t know if ev—anybody’s ever seen “Father Ted.” So that’s the difference between the accents. Father Ted is southern Irish. Southern Irish are softer with their language. I’d say maybe the Northern Irish have a harder accent ― because of the speaking through your nose.

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※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年12月号に掲載した記事を再編集したものです。

取材:荒玉野(イングランド、スコットランド)、冨久岡ナヲ(ウェールズ、北アイルランド)

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
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