映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれで すぐに 使える英語表現を毎回1つ紹介します!
今日のおすすめ表現
I would kill for xx.ものすご?く何かが欲しい、というとき、日本語でも「喉から手が出るほど・・・」とか「死ぬほど・・・」などいろいろな比喩表現がありますが、英語ではこんな言い方をします。
「そのためなら殺人だっていとわないくらい○○が欲しい」という強い思いを表現 しています。日本語では「死ぬほど」と言うところが、kill(殺すほど)になるのが興味深いですね。
表現の出どころ
今回は、2006年に公開された作品『プラダを着た悪魔』(原題:The Devil Wears Prada)からの表現です。
当初は、一番やりたい仕事であるジャーナリストの職へのチャンスをつかむまでの腰掛けと考えていたアンディですが、 厳しい ことで有名なミランダ編集長のもとで奮闘しながら、RUNWAYでの仕事に真剣に向き合うようになります。そして忙しい日々を過ごす中、アンディは自分にとって何が一番大切なのかを悟っていきます。
服装に無頓着だった アンディがおしゃれに目覚めたあとの変身ぶりも楽しい ので、ファッションに興味がある人は必見です。
アメリカで90年代に大人気を博し映画にもなった『セックス・アンド・ザ・シティ』やその現代版とも言えるドラマ『NYガールズ・ダイアリー』でもそうでしたが、ニューヨークのファッション業界を扱った作品は、大切な場面でフランスのパリが出てくることが多いようです。この映画も大事なシーンでパリの街が登場するのも見どころの一つです!
表現の使い方
この表現は、映画のかなり冒頭に出てきます。
RUNWAYのアシスタントの面接に来たアンディが、「レジェンド」と評されるほどの編集長ミランダを知らなかったために、第1アシスタントであるエミリーが、ミランダとは何者かをアンディに説明する中で使われています。
非常に 厳しい ミランダのもとでアシスタントとして1年やっていければ、その後はどんな雑誌の仕事でも手に入れることができる、と説明したエミリーはこう続けます。
A million girls would kill for this job.アンディはこのあと何度も、友人や 同僚 からこの言葉を言われます。アンディが手に入れた仕事がどれほど憧れの的であるかが伝わってきます。この仕事が死ぬほど欲しいって女の子は山ほどいるのよ。
なお、 日本語の「死ぬほど○○したい」と同じ表現である “die to ” も映画の中で使われています。アンディが仕事で落ち込んだときに泣きついた相手、ナイジェルがこんなふうに言う場面です。
Because this place , where so many people would die to work , you only deign to work .ここでは would を使っていますが、一般的には進行形( dying to または dying for )で使い、「今まさに○○したい!」という思いを表現することが多いようです。たくさんの人が死ぬほど働きたがっているこの場所で、君はただ「働いてやっている」という態度だ。
また、die(ダイ「死ぬ」)とdeign(デイン「嫌そうに~してくれる」)で韻を踏んでいます。
まとめ
ものすごく欲しい!という強い気持ちを表現した “ Would kill for ” ですが、人を殺すほど・・・というのはもちろんあくまでも仮定の話なので(笑)、 Will ではなく Would にする ことをお忘れなく。
「ものすごく○○したい」と動詞にしたいときは、 Would kill to と to 不定詞にしてくださいね。
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文:松丸さとみ
フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。
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