累計350万部!英語以外も楽しく学べる「キクタン」の秘密

 

「アルクラボ」はキクタンとかヒアリングマラソンとかを作っている英語の会社「アルク」の事業について、いろいろ調べる研究所。調査員の「辛口ネコ」がサービスの特徴に鋭く迫り、独自のインタビューで 分析 。今回は「キクタン マルチリンガル」を調査!

<登場人物>
アルクラボの調査員。外では辛口だが、家ではかなりの甘えん坊。

「キクタン」はどうして、そんなに人気なの?

 こんにちはー。「キクタン」って人気の書籍なんだよね? 名前は聞いたことがあるんだけど、よく知らないから教えて。

辛口ネコさん、こんにちは。『キクタン』は、その名の通り 聞いて覚える単語集 で、音楽のリズムに乗りながら楽しく語彙を学ぶ「チャンツ」という学習法を採用しています。シリーズ累計350万部も売れている人気商品なんですよ。

音楽のリズムに乗りながら。。。それで350万部も売れるの? 木魚みたいな単調な音に合わせて単語を覚えたりする本とかあるよね。そんな感じ?

いえいえ、それだと苦行ですよね。もっと楽しい音楽ですよ。(笑)

楽しいって、PPAPみたいな?

結局はリス二ングは回数だと思うんですよね。何回聞くかによって、語彙力の定着力が変わってくると思います。リズムや音楽がバックにあると、ちょっと聞いてもいいかな?と思うと思いますしね。キクタンは音楽とチャンツで本を見なくても、聞くだけでも勉強になるように作っています。

英語のアルクがどうして、マルチリンガルをやっているの?

英語の「キクタン」で成功したから、英語以外の「キクタン」もちょろっと出したんだっけ?

こほん、ちょろっとじゃないですよ。英語以外の多言語、キクタンのマルチリンガルは 2008年に『キクタン中国語【入門編】』 を出版して以来、 韓国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ブラジル・ポルトガル語、ベトナム語、ロシア語、タイ語、インドネシア語と11カ国 の『キクタン』を出版しています。

それはすごいラインナップだね。で、マルチリンガル版って需要あったの?

よくぞ聞いてくれました。ちょっと語らせてください。以前アルクには中国語の編集部があって、私がその部署にいた時に、 英語のキクタンが流行っていたんです。これだけ好評だったら、他の言語でも受け入れられるんじゃないのかなあと、実験的に中国語のキクタンも作ってみたのです。 結果、1週間くらいで増刷がかかってしまったんです。

よっ、重版出来!

これって大変なことだと思い、 隣にいた韓国語の部署でも作ったら、やっぱり売れたんです。 中韓が売れたので、それじゃあ、他の言語でも、と作ってみたんです。 そしたら、やっぱり売れた!

宝の先生を見つけ出す編集者の調査力

中国語、韓国語は編集部があったからできたんだろうけど、フランス語、ロシア語、タイ語とかってどうやって作ったの?まさかネットの自動翻訳とかじゃないよね?

違いますっ! 実はですね、例えば大学の知人の中国語の先生とかに相談したりして、その先生にフランス語の先生を紹介してもらっています。知人の先生であれば、アルクのテイストも知っているので、その言語の中でもテイストにあった先生を紹介してもらったりして早いんですよね。後は、研究者のサイトなどを見て、探して会いに行ったり。ネットと人脈で地道に時間をかけて探しています。

でも、いくら見つけたとしても、すべての先生が思った通りの先生とは限らないよね?

そうですね。会ってみるとちょっとイメージしていた方と違ったなとかありますね。でも、面白いのがドイツ語、フランス語、イタリア語など、 どんどん有名になっていく方が多い んです。このキクタンで監修をしていた頃は非常勤だった方が准教授になったり、NHKのラジオやテレビの講師などになったり。

多言語をどうやって校正しているの?

先見の明があったの かもしれない ね。でも、監修の先生は見つかったとしても、すべての言語を編集者がマスターしているわけではないよね?どうやって校正とかしていくの?

そこがとても苦労しているところで、その言語の校正者やネイティブチェックを念入りに何度もかけたりします。多くの目を通して、チェックをしています。そこが大変な点なんですよね。もっと楽しい話をしましょうか?(笑)

音楽で気を付けて制作している点は?

校正は苦労してるけどちゃんとやってるからご 安心 をってことだね。じゃあ、チャンツの音楽で国別に工夫している点はあるの?

音源はサウンドデザイナーの永井(Niwaty)さんという方と一貫して、一緒にずーっとやっています。国別の雰囲気とか出して、たとえば、中国とかだと二胡を取り入れたり工夫しています。しかし、上手くいかない場合もあります。たとえば、フランスだとシャンソン風にしたいなあ、シルヴィ・バルタン とかいいなあと思って音楽を作ったんですけどチャンツと合わなかったり。

シャンソンでリズムに乗ってテンポよく単語を覚えようという発想がすごいね。結局どうなったの?

結局、アコーディオンを取り入れて、セーヌ川の湖畔かな?という感じの音楽になりました。(笑)

音声が尋常無く早くない?

気になってたんだけど、マルチリンガルの「キクタン」って単語が流れるのがとにかく速くない?特に初心者はまったく聞き取れないで初めて聞いた時には何か音の塊にしか聞こえないレベルだと思うんだけど。。。

速さですか?基本的にタイ語を除いて ネイティブの話すスピードに近い、ノーマルスピード です。
タイ語は声調があるので、先生がひとつひとつの単語をじっくり聞かせたいという思いもあって、普通よりちょっと遅くてハッキリ聞こえるようにしています。 特にヨーロッパ言語はネイティブに近いスピードにしています。結局、教材で聞き取れるようになっても生でネイティブの外国人が話す言葉はさっぱり聞き取れなかった。ということになりがちなんですよね。

なるほどね。最終的にはネイティブの外国人と実際にコミュニケーションを取るのが目標だしね。

聞いてわからなくても、書籍を見てこういう単語だったのか!ということがわかると思います。耳で聞いて、目で見て、発音して、時には書いて、あらゆる感覚を駆使して単語の情報を覚えることが大事です。とにかく単語を覚えるためには、単語に触れる回数が大切ですね。 

各国の誌面構成も各キクタンによって違うの?単語を覚えさせるための工夫とかある?

各書籍、監修の先生と編集者二人三脚で作っているのですが、先生によって教育 方針 が違うんですよね。基本的なキクタンのメソッドは盛り込んでいるのですが、教育 方針 が違うので、構成も違うんです。先生によっては聞くだけだと面白くないので、繰り返して言わせるフレーズを加えています。

キクタンって単語数、少なくない?

ところで、キクタンの単語数はだいたい500前後だけど、単語集としては少なくない?

単語数も監修の先生とも話し合って決めています。500という数字にこだわっているわけではないのですが、だいたい大学での第二外国語の1年で覚えられる範囲など考えています。また、言語の枠や国境を越えて、異なる試験を相互に比較することが出来る国際標準、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR: Common European Framework of Reference for Languages)の一番下の 基準 に合わせたりしています。 このキクタン一冊を終えるという、目標達成可能なボリュームにすることにより この 書籍が終わった時に達成感が得られるよう に作っていて、あまり単語量が多すぎた場合、逆に減らすこともあります。

達成感は大事だね。最後まで覚えられる単語集、いいじゃん。ついでにフレーズも覚えたいけどそれは「キクタン」じゃ無理か。

会話編のキクタンもはじめました

実は最近、会話編、短いフレーズに乗れるキクタンも出し始めました。基本的な考え方は違っておらず、後ろで音が鳴っているので聞きやすいかなと。

出てたんだ!

言葉の学習は自分で勉強する時間も多くて、対峙しないといけないじゃないですか。文法も少しおさえながら、広めの狙いをもっているものをだしています。2回、3回と何回も聞いているうちに身に付くので、気軽な気持ちで聞いてもらいたいと思います。

体で覚えていく感じ?

本当は言語は体で習得するものだと思うんですよね。学校は試験向けですよね。マイナスをチェックしますからね。でも、それだとコミュニケーションの楽しさというのが伝わりづらいのかもしれません。話すこと自体、使うこと自体、日本人は間違いを 指摘 されるのを気にする人多いですからね。

相手に意味が伝わればいいのにさー、後で文法チェックとかしてくるヤツがいるから、話すモチベーションが下がるんだよねー。

ナレーターの人のなまりまで真似して発音して覚えて使ってもらえるといいなあと思います。特に中国語やタイ語は「声調」という声の高低パターンが存在していて、単語の意味を決定する要素となります。「キクタン」だと 独自の声調記号も使って説明しているので、分かりやすいですよ。例えばタイ語だと、「声調」(音の上がり下がり)を表すために、独自の図を付け、タイ語の音をイメージしやすいように工夫しています。

「声調」がイメージしやすいと発音するのにも役立つかもね。もっと面白い話ってある?

ある大学の先生に最近聞いた話ですが、中国語のキクタンがクラスですごく流行ったんだそう。その きっかけ となったのが、クラスのある学生が夏休みにキクタンで中国語を勉強して、クラスで語彙力がずば抜けてできるようになってしまった。それを聞いた周りの人が真似して買って、そのクラスでキクタンが大流行したそうです。若い人は特にリズムなどがあって、それほど勉強勉強していなくても、回数を聞いていれば語彙力がアップするところが受け入れられたのだと思います。

今後の キクタン学習法">ALCOを使った 今後の キクタン学習法

若者も一生懸命、キクタンに取り組んでいるんだね。他に学生以外にもお得な情報とか、これから考えていることとかある?あれば教えて。

書籍の音源をスマホにダウンロードできる「ALCO(アルコ)」というアプリができたので、そのシステムを使って、 今後 、キクタンがより発展できると思っています。ところどころ単語を抜いてロールプレイみたいなこともできるかなと考えています。現在、キクタンに入っている音声は語彙のみですが、より一冊の価値をあげる 施策 を考えています。

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英語以外の言語をちょこっと話せると、2020年の例のイベントで、ボランティアガイドとかやるのに便利じゃない? ありがとうございまーす。

「キクタン」マルチリンガル

音楽のリズムに乗りながら、楽しく語彙を覚えられる「キクタン」! 英語以外にも、中国語から韓国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ブラジル・ポルトガル語、ベトナム語、ロシア語、タイ語、インドネシア語と11カ国まで多様な言語をカバー。試験対策としてだけではなく、役立つ言語を身に付けるためにも最適です。本シリーズは数多くの学校で一括採用していただいており、教育現場における有用性も高く評価されています。

「キクタン」中国語はこちら

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