イギリス英語をイギリス人ぽく話すコツ!具体的な学習法やおすすめコンテンツを紹介

洗練された響きのイギリス英語を、「イギリス人ぽく」話してみたいと思ったことはありませんか?本記事ではイギリス英語・文化に精通する川合亮平さんに、イギリス英語の発信力を向上させる学習法やコツ、イギリス英語の習得におすすめのコンテンツなどを、ご自身の経験を基に紹介していただきます。

※本記事は、ENGLISH JOURNAL2022年12月号に掲載した内容を一部抜粋したものです。

イギリス英語を話したいあなたへ

例えば登山をするとき。頂上へたどり着くためのルートは(おおむね)一つではありません。複数あるのが普通でしょう。東京の高尾山は確か5、6 ルートあったと思います。英語の上達(今回のテーマは「イギリス英語発信力」の上達ですが)もそれに似ていると僕は考えます。目標は一つでもそこに至る方法はたくさんある。一つの方法が自分に合わなかったら、その他の選択肢がいくらでもある

高校時代、英語がずっと赤点で、その後20歳のときに大阪の自宅で英語独習を開始して、その後付かず離れず英語学習を継続し、英語学習を開始してから25年たった今、通訳者としてご飯を食べている僕はそう考えます。

これから「イギリス英語発信力」向上の方法論をスペースが許す限り紹介しますが、あくまで、「僕自身」が通ったルートだとお考えください。僕のやり方が絶対だと言うつもりは毛頭ない、ということです。ただ、せっかく一生懸命書きますので、少しでもお役に立てるような普遍的なアイデアを提供していければと思っています。

習うより慣れろ

まず、そもそも(イギリス)英語のスピーキング力を上げるのに僕が25年前から今でも大切にしているのは、「absorb」すること。英語を体になじませる、というか、五感を通じて体に吸収される、「習うより慣れろ」の感覚です。

「イギリス英語が話せるようになりたい!」と強く思い立って以来、自分の生活をできるだけイギリス英語環境にしました。具体的には、耳から入れる英語や音楽はイギリスにこだわったし、読む洋書も、そして能動的にやっていたシャドーイングもとにかくイギリス英語話者の音源だけを採用していました。その他、状況が許す限り、付き合う知人・友人たちもイギリス人をえり好みしていたと思います。

そうこうしているうちに、初対面のイギリス人たちから「なんでイギリス英語を話すの?」というようなコメントを徐々にもらうようになった、という経緯があります。

学習を始めたのが20歳で、その頃は当然、英語のアクセントの聞き分けなんて全然できなかったわけだけど、3年くらいしてなんとなく大まかにイギリス英語と北米英語の違いが判別できるようなってきて、そしてその後2年間で意識的・積極的にイギリス英語をとにかく体に取り込んだ結果、アウトプットも“なんちゃって” イギリス英語になってきた、という流れです。

「慣れる」ための具体的な学習法

「習うより慣れろ」って具体的に何をどうすればいいのか?ということですが、僕の場合はシャドーイングが自分に合っている感覚がありました。やっていて楽しかったんです。集中的にシャドーイングに取り組むことで(イギリス)英語発信力が上がっていった実感がありました

自分が「こんな英語を話したいなあ」と思うような憧れのスピーカーの素材を選んで(それは当然イギリス英語話者になるわけですが)、とにかくシャドーイング。アクセント・イントネーション・雰囲気などなど、とにかく全てを物まねしようという意志で取り組むと効果が上がると思います。

僕の場合、イギリス英語のこの音がどうとか、イギリス英語のこの単語がどうとか、そういうマクロで理論的なことは全く勉強した覚えがありません。当時、ヒュー・グラントなり、ジェイミー・オリヴァーなり、マーティン・フリーマンなり、憧れのスターたちの英語を楽しみながらシャドーイングしていたら、「いつの間にか」、第三者も気付くくらいの(なんちゃって)イギリス英語になっていたというのが正直なところです。

イギリス英語のロールモデルを選んで、とにかく彼・彼女の英語を聞きまくる、まねしまくる、意識しまくる、というのは、イギリス英語発信力向上にかなり有効な手段だと思います。

イギリス英語の上達に適した映像作品

自分が好きかどうか、というのが一番大切な判断基準になります。人からの「おすすめ」でも自分が特に興味がなくて集中して見られないと、その分学習効果も薄まりますからね。

あえておすすめを書くとすると、時代は近代で、設定が日常の作品。使われている言葉が自分のアウトプットに直結しやすいから、というのが理由です。ちなみに、僕がここ数年の間に「面白い!」と思ったイギリスのドラマは、「刑事モース~オックスフォード事件簿~」や「シェイクスピア&ハサウェイの事件簿」です。

Murder mysteryジャンルが好きなのがバレたと思います。その流れで話を進めると、僕は、日本で一番売れている外国人作家としても知られるイギリス人Anthony Horowitz(アンソニー・ホロウィッツ)氏の大ファンなんですが、彼の著作を原書で読むだけでは飽き足らず、一度本で読んだ作品をオーディオブックで聞き直し、さらに、ポッドキャストで“Anthony Horowitz” と検索して、今、世に出ている彼のインタビューを聞いたりもしています。

オーディオブックやポッドキャストは、使いようによって自分の好きなイギリス英語をインプットできる宝庫となるのです。

続きはEJ12月号で!

ENGLISH JOURNAL12月号では、川合亮平さんが「ボディーランゲージの大切さ」や「映画・ドラマで間暗部際の注意点」などについて解説します。その他、イギリス英語の歴史やイギリスで話されている英語の種類、発音の特徴10を紹介。また、エリザベス女王からリズ・トラス前大統領、イギリスの市井の人々まで、さまざまなイギリス英語を解説と併せて紹介します。「知る」「聞く」「話す」の3ステップで、イギリス英語の習得を目指しましょう!

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川合亮平
川合亮平

通訳者。エディ・レッドメイン、ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、エド・シーランなど、俳優・ミュージシャンの通訳・インタビューを多数手掛ける。関西のテレビ番組で紹介され、累計1万部を突破した『 「なんでやねん」を英語で言えますか? 』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・監修書は現在11冊。
イギリス関連の記事: https://www.british-made.jp/author/kawai

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