英語赤点の学生が、ベネディクト・カンバーバッチに英語でインタビューするまで

皆さん、初めまして。

今回の記事を含めて、7回シリーズとして、こちら、「GOTCHA!」で連載させていただくことになりました。川合亮平と申します。趣味は、菓子パンを家族に隠れて食べることです。

さて、この連載、テーマは「イギリス英語でイギリス現地レポート」。若干ぼんやりしたテーマではありますが、イギリス現地からあれやこれやのオモシロ情報をイギリス英語を絡めながらレポートしてみよう、という連載でございます。

誰やねん

さて、本格的なレポート連載は渡英後の7月下旬からということで、今回のプレ連載記事(という言葉があるの かどうか 知らないけど)では、 そもそも 、川合亮平って誰やねんということを東京で書いてみたいと思います。

まず、「お仕事は?」と聞かれて困る類の仕事をしています。いや、特殊機関の秘密諜報員である、とかそういう種類の困り方じゃなくて、“フリーランスとして色々なことをしているから、なかなか一言では言えない”という種類の困り方なんです。

一言では言えないんですが、別の視点で書くと、ある一定レベル、聞けて、話せて、読めて、書ける程度の英語力を持ち、イギリスにちょくちょく出入りしている境遇、そういう自分という人間を生かした仕事をしています(敢えて書くと、自分にしかできない仕事をしたい、というのが大テーマではあります。とはいっても、フリーランスのお仕事はすべて人からやってきます。つまり、僕はとにかく人にものすごく恵まれているだけ、ともいえます)。

お仕事のをあげると。

イギリスの著名人に英語でインタビューして、その内容を日本の媒体に書く

これまでにインタビューしたのは、ベネディクト・カンバーバッチさん、マーティン・フリーマンさんなど。

例えばこれは3年前、ポスト・JKローリングともよばれる、英の作家サマンサ・シャノンさんに彼女の第1作『BONE SEASON』 についてお話を伺った時のものです。

イギリスの観光地をまわって、日本の媒体で紹介する。

これは、英ウィンザーの近くにある、英王室御用達の植物園のガーデーナーにインタビューしたものです。

というような感じです。

それで、そんなような仕事をしているので、もしかしたら、少なくない数の人が、「もともと英語がお得意だったんでしょうね」とか「昔からイギリスがお好きだったんですね」というご感想をお持ちになるかもしれません。

しかし、実は、というか、英語は、高校時代ずっと赤点でハタチまで本当にゼンゼンマッタクだったし、イギリスにも割に最近まで、特に興味はありませんでした(20代の最初の頃はずっとNYに憧れてたし)。

人生どうなるかわかりません。

人生を変えた一曲

では、何が、僕の顎をクイとつかんで、英語の、そして、イギリスの方角に顔を向けさせたのか?

これまで人生を過ごすなかで、そういう“方向付け”的な瞬間は所々で訪れたんですが、
そもそも ”という原点を考えると、ある1つの出来事が思い出されます。

それは、今から20年以上前に訪れました。

高3年の卒業間際(実際、英語だけじゃなくて、 そもそも 勉強が本当に全くできなかったので、どうして卒業できたのか、留年しなかったのか、今思い返せば心から不思議です。フェアリー的な何かが助けてくれたとしか思えません)、大阪芸術大学への進学が決まっており(論文と面接だけだったので、奇跡的に合格しました)、卒業旅行として、従姉妹と一緒に、当時オーストラリアのメルボルンに住んでいた叔母家族を訪ねることになったんです。

僕にとって初めての海外旅行、飛行機に乗るのも初めて。初めての海外旅行は素晴らしい思い出で彩られてるんだけど、その詳細は今回の趣旨ではないので、とにかく、今は英語とイギリスに顔が向いた きっかけ についてだけ書きますね。

メルボルンに滞在中、たぶんHMVだったと思うけど、CDショップを訪れました。

特に何を買う目的もなかったんだけど、なんとなく手持ち無沙汰な感じで、何とはなしに試聴コーナーに行って、1番カッコいいCDジャケットの一枚を選び、ヘッドフォンを手に取り、無造作にPLAYボタンを押しました。

まず耳に入ってくる、無造作な咳払い(CD版には入っている)、力強いアコギのストローク、そして流れ込んでくる、それまで聴いてきたヴォーカルのどれとも異なる、似てない、何かを断定するようなリアム・ギャラガーの歌声。

ショックでした。
「え? これ何?!」って感じ。自分の人生の中で、これまでずっとオフになっていた、
そこにあると気づきもしなかった、ある重要なボタンのスイッチが入った感じがしました。

しばらく試聴コーナーから動けなかった。「え? こんなことが存在したなんて」と、身体中に広がる未体験の感覚に身を震わせながら。「Wonderwall」ヴィフォー・アフターで、確実に、自分の人生が(それが何なのかよくわからないけど)変わった感じがしました。

(What's The Story) Morning Glory? (Remastered) (Delux)
 
振り返ってみると、英語を話したい!と思う きっかけ や、それにまつわる様々な出来事、とにかくイギリス!と思う きっかけ や、それにまつわる様々な出来事、それらは色々あるんだけど、とにかく、あの時の「Wonderwall」がなければ、その後に続く、英語もイギリスも、すべてなかったような気がしています。

犬も歩けば棒に当たる、とうか、何が何の きっかけ になるかわからないもんですね。

「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を 引き起こす か?」という問いに端を発する、Butterfly Effect (バタフライ効果)という、カオス理論がありますが、僕の場合、1996年にMelbourneでOASISの「Wonderwall」を視聴したことが、2016年にLondonでカンバーバッチ氏にインタビューする きっかけ になった、とも言えるわけです。

そういえば、「Butterfly Effect 」というアシュトン・カッチャー氏主演のSF映画があるんですが、とても面白いのでおすすめです(随分前に見たんで、ストーリーとか覚えてないけど、とにかくめちゃくちゃ面白かった、見てよかった?としみじみ思った、という記憶は鮮明にあります)。

実は「Butterfly Effect 」の主題歌を歌っているのが(偶然にも)OASISなの(!!)。
運命を感じます(「Wonderwall」ではなく「Stop Crying Your Heart Out」という曲だけど)。 

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション [DVD]
 
余談ですが、英語ができる、できない、とかいうことは、どんな学習法で、みたいな直接的な考えももちろんあるんだと思いますが、実は、人それぞれが持つ、バタフライ効果的な、ある“ きっかけ ”の方が、学習法とかよりも、もっと重要な意味を持つのではないかと、個人的には愚考しています。

イギリスに行ってきます

そんなわけで、そろそろイギリスに行ってきます。

ひと夏、ロンドンを 拠点 にイギリス国内をできるだけ移動しながら、様々な面白トピックをこちらの連載で紹介していきますね。乞うご期待!!

合亮平でした。

川合亮平の本
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川合亮平(かわい・りょうへい)
英語インタビュアー、通訳・翻訳者、ライター。 All About イギリスガイド。特徴は、イギリス英語と大阪弁を話すこと。枠にとらわれない活動を 展開 中。登場メディアは多岐に渡る。東京、ときどきロンドン在住。詳細は こちら

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