大学院入試におけるTOEICの重要性と必要スコアを徹底解説!

大学院入試で必要なTOEICスコアの目安と対策について解説します。大学院入試で求められるTOEICスコアは、大学院の研究科によって400〜800点台と幅広いのが特徴です。まずは志望校で必要なスコアを正確に把握したうえで、現在のレベルに合った教材や学習順序を踏むことが合格への近道となります。

TOEICと大学院進学の関係

TOEICと大学院進学の関係性について、以下の3点を解説します。

  • 大学院入試におけるTOEICの重要性
  • 大学院の入学要件とTOEICスコアの位置付け
  • 大学院入試で提出できるTOEICの種類

TOEICを大学院入試に活用したい方は、参考にしてみてください。

大学院入試におけるTOEICの重要性

大学院の入試の科目は、専門科目と英語が中心です。多くの大学院の入試において英語力を評価するためにTOEICが採用されています。大学院生になると、自身の研究分野に関連する文献を調査する必要がありますが、文献は英語で書かれているものがほとんどです。

また、人によっては、国際学会に参加したり、英語論文を執筆したりするので、英語力が必要とされる機会が多く、英語の試験が課されます。大学院によっては、ほかの英語試験とTOEICが併用される場合もありますが、一般的にTOEICがよく用いられるといえるでしょう。

大学院の入学要件とTOEICスコアの位置付け

大学院の中には、入試でその大学院独自の英語試験がなく、初めから一定のTOEICスコアを入学要件に定めているところもあります。一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の調査によると、2022年度時点で大学院入試にTOEICを活用している大学は、調査した92校中77校あり、研究科の数でいうと746科中275科でした。

また、TOEICには、「TOEIC Listening&Reading Tests(TOEIC L&R)」や「TOEIC Speaking&Writing Tests(TOEIC S&W)」がありますが、大学院入試においては、基本的にTOEIC L&Rのスコアの提出が求められることが多いです。併せてTOEIC S&Wのスコアが求められることや、TOEIC S&Wスコアのみを求められることもあります。

出典: TOEIC® Tests 入学試験における活用状況【2022年度】
国立大学院の活用状況(PDF)
私立大学院の活用状況(PDF)

大学院入試で提出できるTOEICの種類

TOEICには、個人で申し込む公開テストと、大学や企業が団体単位で実施するIPテストの2種類があります。

両者の大きな違いは証明書の形式で、公開テストでは紙またはデジタルの公式認定証が発行されるのに対し、IPテストでは公式認定証は発行されず、スコアレポートでの報告となります。

大学院入試では、公開テストの公式認定証のみを認め、IPテストを認めない場合があります。出願直前に慌てないためにも、志望先の募集要項で提出可能なTOEICの種類を必ず事前に確認しておきましょう。

大学院入試で必要なTOEICスコアの目安

TOEICスコアは、出願要件・合否判定の一部・英語試験の免除など、大学院によってさまざまな形で活用されます。

自分が志望する大学院でどの程度のスコアが求められるのか、事前に確認しておきましょう。ここでは理系大学院と文系大学院にわけて、目安となるスコアを紹介します。

理系大学院で求められるTOEICスコアは400~700点が目安

理系大学院で求められるTOEICスコアは、専攻や試験形態によって400〜700点台までと幅広く、一般的に文系に比べて基準スコアが下がる傾向にあります。

理系大学院で求められるTOEICのスコアの一例は、以下のとおりです。

大学院名研究科基準スコア
同志社大学大学院生命医科学研究科(医生命システム専攻)500
東京理科大学大学院先進工学研究科730
金沢大学大学院医薬保健学総合研究科460
広島大学大学院医系科学研究科400/500

文系大学院で求められるTOEICスコアは700~800点が目安

文系大学院で求められるTOEICスコアは、理系に比べて高めに設定される傾向があり、700〜800点を基準とする大学院も見られます。これは、文系では研究活動において英語論文の読解や執筆など、英語運用能力そのものが重視されるためです。

文系大学院で求められるTOEICのスコアの一例は、以下のとおりです。

大学院名研究科基準スコア
同志社大学大学院経済研究科750
同志社大学大学院司法研究科740
明治大学大学院商学研究科800
中央大学大学院法学研究科785
関西大学大学院外国語教育学研究科730

足切りラインと合格ラインの違い

募集要項で「出願要件の一部」としてTOEICスコアが指定されている場合、その点数に達しないと出願そのものができないため、実質的な足切りラインを意味します。

たとえば、 同志社大学大学院 社会学研究科ではTOEIC730点が「出願要件の一部」であるため、これに満たないと受験できません。

一方で、合格ラインは公式な基準ではなく、過去の合格者の実績を参考にした目安として捉えるのが適切です。

参考:同志社大学大学院

【カテゴリー別】大学院入試で必要なTOEICスコア一覧

ここからは、大学院を3つのカテゴリーに分けて、TOEICスコアの目安をご紹介します。

  • 旧帝大大学院
  • 国公立大学院
  • 難関私立大学院

志望校がどのカテゴリーに該当するかを確認しながら、自分が目指すべきスコア帯をイメージしてみてください。

旧帝大大学院

旧帝大大学院でTOEICを採用している大学院のうち、基準スコアが明示されている研究科は以下のとおりです。

大学院名研究科基準スコア活用方法
東北大学大学院農学研究科630英語試験免除
名古屋大学大学院生命農学研究科500出願要件の一部(修士)
京都大学大学院総合生存学館740出願要件の一部
京都大学大学院農学研究科530出願要件の一部

旧帝大でも研究科によって基準スコアは500〜740点と幅広く、活用方法も「英語試験免除」と「出願要件の一部」に分かれています。特に農学系での採用が目立ちます。

国公立大学院

有名国公立大学院では700点以上を目安と考えるといいでしょう。もう少し具体的に見ていきます。

大学院名研究科基準スコア活用方法
横浜国立大学大学院国際社会学府730英語試験免除
新潟大学大学院現代社会文化研究科700英語試験免除
山口大学大学院共同獣医学研究科730英語試験免除

大学院によっては、入学後の海外研修の一環として、海外提携プログラムや英語圏留学プログラムを採用しているところがあります。海外提携プログラムに参加する場合、TOEICスコア800点以上、英語圏留学プログラムでは850点以上が求められることがあります。

難関私立大学院(早慶上理・GMARCH)

難関私立大学院(早慶上理・GMARCH)でTOEICを採用している大学院のうち、一般入試において基準スコアが明示されている研究科は以下のとおりです。

大学院名研究科基準スコア活用方法
東京理科大学大学院先進工学研究科730英語試験免除
明治大学大学院経営学研究科700英語試験免除
明治大学大学院国際日本学研究科550出願要件の一部
明治大学大学院商学研究科800英語試験免除
明治大学大学院情報コミュニケーション研究科750英語試験免除
明治大学大学院政治経済学研究科730英語試験免除
明治大学大学院法学研究科810点数加算
青山学院大学大学院経営学研究科(修士)730英語試験免除
青山学院大学大学院経営学研究科(博士)760英語試験免除
青山学院大学大学院国際政治経済学研究科730出願要件の一部
中央大学大学院総合政策研究科600出願要件の一部
中央大学大学院法学研究科785英語試験免除
法政大学大学院デザイン工学研究科400出願要件の一部
法政大学大学院経済学研究科590出願要件の一部
法政大学大学院国際文化研究科700出願要件の一部

難関私立大学院でも研究科によって基準スコアは400〜810点と幅広く、活用方法も「英語試験免除」「出願要件の一部」「点数加算」と多岐にわたります。

短期間でスコアアップを目指すTOEIC対策

TOEICのスコアアップに役に立つ、効果的な勉強方法を解説します。

  • TOEIC対策のポイント
  • 大学生のおすすめ勉強スケジュール
  • SantaアルクでTOEICスコアアップを目指そう

大学院入試まで時間がないと感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

TOEIC対策のポイント

TOEIC対策のポイントの一つは自分のレベルを把握することです。TOEICの模擬試験を活用して、現在の自分のスコアを確認しましょう。TOEICの模擬試験は、問題集として販売されているものや、Web上で無料公開されているものがあります。いずれも本番同様の問題レベル・構成で、試験に慣れることができます。

リスニングセクションとリーディングセクションはそれぞれ495点ずつの配点となっています。特に、リーディングは問題数が多く、英語の得意な人であっても時間が足りなくなることがあるので、注意が必要です。模擬試験を活用して、リーディングの時間配分ができるようになりましょう。

大学生のおすすめ勉強スケジュール

大学生は授業や研究で忙しく、なかなかまとまった時間を確保するのが難しいと思います。ここでは、平日1日1時間、週末3時間の集中学習を基本にした、おすすめの勉強スケジュールを紹介します。

平日の勉強スケジュール(1日1時間)】

  • 月曜日:リスニング強化…リスニングに特化した参考書を読んだり、練習問題を解く。
  • 火曜日:語彙力強化…TOEICによく出る単語を50個覚える。
  • 水曜日:文法強化…TOEICのPart 5、Part 6の短文・長文穴埋め問題を解き、文法への理解を深める。
  • 木曜日・金曜日:長文のリーディング練習…時間配分を意識しながら、Part 7の練習問題を解く。

【週末の勉強スケジュール(1日3時間)】

  • 土曜日:模擬試験…実際のテストと同じ2時間で200問の模擬試験を解く。
  • 日曜日:弱点克服…模擬テストで間違えた問題を中心に、再度問題集に取り組む。その週に新しく覚えた英単語を復習する。

また、これ以外にも講義のない時間や通学時間などのスキマ時間を上手に活用することが、TOEIC学習を効率よく進めるポイントです。次のセクションでは、スキマ時間にピッタリな学習アプリを紹介します。

TOEIC目標スコア別の具体的な勉強法

TOEICの勉強法は、レベルに応じて変える必要があります。具体的には、現在のスコアごとに以下のような学習が効果的です。

現在のスコア学習の重点ポイント
〜400点未満毎日5分でも動画やアプリで英語に触れる習慣作りから始める
400〜599点単語力の強化、基礎文法のやり直し、出題形式の把握
600〜799点公式問題集の反復、特にPart 7の長文対策で解答スピードを上げる
800点以上多様な分野の読み聞きを通じて英語の総合力を鍛える

以下の記事では、TOEICの目標スコア別におすすめの参考書を紹介しているので、参考にしてみてください。

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TOEICの評価方法と他の英語試験との違い

TOEICとその他の英語試験のどちらを受けるべきかは、以下の2つのポイントに留意して、その目的に合ったものを選ぶとよいでしょう。

  • TOEICとIELTS・TOEFLの比較
  • TOEICとTOEFL、どちらを受けるべき?

これらのポイントについて詳しく解説します。

TOEICとIELTS・TOEFLの比較

TOEICは主にビジネスの場での英語のコミュニケーション能力を評価する試験です。一方、IELTS・TOEFLは学術英語に特化しており、海外の大学や大学院への入学、そして現地での生活に必要な英語力を測定します。特にTOEFLは、北米を中心に世界160カ国以上の大学への入学で広く使用されています。

TOEICはリスニングとリーディング、スピーキングとライティングは、それぞれ別の試験です。これに対し、IELTS・TOEFLはリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つの技能を評価し、特にスピーキングが重要視されます。

TOEICは選択式の問題ですが、IELTS・TOEFLでは記述問題や面接形式の問題もあります。スピーキングについては、IELTSでは対面形式、TOEFLではPCを使って行われます。

試験時間は、TOEICが約2時間、IELTSは約2時間45分です。TOEFLは2026年1月の改訂により約2時間に短縮されました。

評価方法については、TOEICは990点満点のスコア制で、IELTSは0から9のバンドスコアで評価されます。TOEFLは合計120点満点でスコア化されます。

TOEICとTOEFL、どちらを受けるべき?

TOEICとTOEFLのどちらを受けるべきかは、受験者の目的や将来の目標によって変わります。一般的に、ビジネス英語や職場でのコミュニケーション能力を重視する場合はTOEICが適しています。一方、学術的な英語力や、特に英語圏の大学や大学院への留学を目指している場合は、TOEFLがおすすめです。

大学院入試に関しては、まず志望する大学院の入試要項を確認し、どの試験を採用しているかを把握することが最も重要です。大学院の研究科によっては、TOEICではなくTOEFL・IELTSのみが認められている場合もあるので、注意してください。

TOEICとTOEFLの両方のスコアが認められている場合は、短期間で効率的に高得点を狙えるTOEICの方が有利です。TOEICはTOEFLに比べて問題がやさしく、リスニングとリーディングに集中して対策を立てられるためです。TOEFLはスピーキングやライティングセクションに慣れる必要があり、十分な準備が必要になります。

TOEICの受験スケジュールと準備期間

受験に当たって十分な学習時間を確保するためには、以下の2つのポイントに注意することが重要です。

  • TOEIC試験の実施スケジュールについて
  • 大学院出願に向けたTOEIC受験タイミング

TOEIC試験の実施スケジュールについて

TOEICは年に複数回行われ、基本的には月1回程度のペースで実施されています。そのため、受験希望者は自身の都合に合わせて受験スケジュールを調整しやすいです。

試験会場や実施日時などの詳細については、TOEIC公式サイトにて公開されています。試験会場はこれまでの試験で使用頻度の高い会場が掲載されていますが、そのときの状況によって会場が変わり、希望で会場を選べないことに注意しましょう。

申し込みの締め切りは試験日の約1カ月前に設定されており、受験を希望する場合は早めの手続きが必要です。受験後、結果は試験日から約17日後にオンラインで確認できます。また、試験日から19日後にはデジタル公式認定証が発行されます。なお、2025年4月以降、紙の公式認定証は申し込み時に発行を「希望する」と選択した方にのみ郵送される選択制となっています。大学院入試の出願で紙の公式認定証が必要となる場合があるため、申し込み時に必ず発行を希望するようにしましょう。

大学院出願に向けたTOEIC受験タイミング

出願に向けたTOEICの受験タイミングは、出願締め切り日から逆算して計画的に設定することが重要です。TOEICスコアは有効期間が2年間であるため、出願時にスコアが有効であるかを確認しながら、受験日を決める必要があります。そのため、締め切りまでに十分な準備期間を確保しながら、早めに受験の計画を立てることが望ましいです。

TOEIC公式(出典①)によると、2024年度における大学生の平均スコアは600点です。オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)が発表している記事(出典②)によると、TOEIC600点前後から750点を目指すのに必要な勉強時間は、225〜450時間とされています。TOEICスコア600点の人が、平日1時間、週末3時間で計11時間/週の勉強時間を確保したとしても、5~10カ月ほどの期間が必要となることがわかります(スキマ時間を活用して勉強した場合は、もう少し短くなるでしょう)。

大学院入試は8〜11月に行われるのが一般的なので、英語に自信のない方は、受験する前の年からTOEICの勉強に取り掛かることをおすすめします。

また、希望するスコアに一度で到達できない可能性を考慮して、複数回受験することも視野に入れておきましょう。TOEICスコアは2年間の有効期限があるため、早めに高得点を取得すれば、他の準備に集中できます。出願書類の作成や他の試験の準備、推薦状の手配などを並行して進められるため、TOEICは早期にクリアすることが重要と言えるでしょう。

出典①:TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2025
出典②:A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success

大学院入試にTOEICが間に合わないときの対処法

大学院入試にTOEICが間に合わないときは、まず募集要項で英語試験の必須有無・提出期限・未提出時の扱いを確認しましょう。あわせて、IPテストやTOEFL・IELTSなど代替試験が認められるかも確認してください。

判断に迷う場合は、入試担当部署へ直接問い合わせれば、猶予措置や個別対応が案内されることもあります。代替手段がない場合は、次回入試や英語評価が不要な入試方式への切り替えも検討しましょう。

出願直前に慌てないよう、早めに選択肢を整理しておくことが大切です。

大学院入試のTOEICでよくある質問

大学院入試のTOEICに関するよくある質問に答えました。

大学院生のTOEICの平均点は?

IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が公表する2024年度のデータによると、大学院生のTOEIC公開テスト平均スコアは640点となっています。

大学院入試のTOEICスコアは何年以内のものが有効?

大学院入試で提出するTOEICスコアは、一般的に受験日から2年以内のものが有効とされています。これは、TOEIC公式認定証の発行期間が2年間と定められていることが背景にあります。

TOEICスコアの有効期間は大学院の研究科によって異なるため、必ず最新の募集要項で確認しておきましょう。

理系の大学院進学にTOEICはいらないって本当?

TOEICを採用していない理系大学院もありますが、すべての大学院で不要というわけではありません。研究科によってはTOEICスコアの提出が求められるため、「理系だからいらない」と一括りにするのは危険です。

また、たとえ入試でTOEICが不要だったとしても、進学後の研究活動では英語論文の読解や国際学会での発表など英語力が求められる場面が多くあります。志望校の最新の募集要項を確認したうえで、長期的なキャリアを見据えて英語学習に取り組んでおくと安心です。

大学院進学を成功させるためにTOEICハイスコアを目指そう!

大学院入試で必要なTOEICスコアは、研究科によって400〜800点台と幅広いです。志望校で必要なスコアを把握し、レベルに合った教材と正しい学習順序で進めることが合格への近道となります。

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