日本酒は・・・うまい!うまい!世界中で知られる「umami(うま味)」を合言葉に、会話を味わい深く【#5秒英語】

国際唎(きき)酒師の資格を持つ藤代あゆみさんと一緒に、日本酒と英会話について学ぶ「#5秒英語」。第5回は、“日本生まれ”の味覚、「umami(うま味)」を使って、会話に深みを持たせましょう!肉や魚などの食材だけでなく、日本酒にも「うま味」は含まれているんだそうです。

世界共通のあの言葉で会話を盛り上げる

英語がペラペラになれたら、かっこいいな〜!と思っているあなた。そのためには、単語を覚えて、文法を勉強して、発音の練習をして・・・想像しただけでも、やる気がなくなりますよね(笑)。でも、安心してください。日本酒が好き過ぎて飲み過ぎたら英語で語れる国際唎酒師になってしまった私、藤代あゆみがお送りするのは「#5秒英語」です。短い英会話フレーズを覚えるだけで、だんだんと英語力が身に付きますよ。

英語を話すことも大切ですが、何を話すのか、つまり、話のネタも持っていなければなりません。せっかく日本人ならば、日本に関するネタを仕込んでみましょう!

というわけで、本日一つ目のフレーズはこちら。

You can taste umami when you drink sake.
〔ユー・キャン・テイスッ・ウマァミ・ホェン・ユー・デュリンク・サケ〕
日本酒を飲むと、うま味を感じられます。

(藤代さんによる音声は、①カタカナ発音、②ゆっくりとした速度の英語、③自然な速度の英語、④日本語訳の順で読み上げています)

・・・いつもよりちょっとだけ長い文章ですね!でも、よく見ると、日本語がアルファベットになっただけの単語が二つも入っています。一つはもちろんsake、日本酒のこと。そしてもう一つがumami(うま味)です。

お寿司は英語でもsushi、人生を捧げられるほど好きなアイドル、いわゆる「推し」のことをoshiと言えば海外のオタク界隈では通じるように、うま味は英語でもumamiと言います。

「umami」と「旨み」と「うま味」

しかし!私たちが気軽に使っている、この「うまみ」という日本語、実は二つの意味をもっているんです。たとえば、お蕎麦や牛鍋弁当を食べると、つい「うまい!」と言いたくなりますよね。これは、おいしい味がするという意味での「旨み」です。ですから、英語だと、delicioussnessと訳されます。形容詞のdeliciousが名詞になった形で、(食べ物の)おいしさのこと。

うまい!と言えば全世界共通のこの方ですね!/※画像は担当編集者(重度の煉獄さんオタク)の私物を撮影。

そしてもう一つ、今回のフレーズの中で登場したumamiは、甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味(きほんあじ)の一つ。「第5の味覚」とも呼ばれています。
(参照:食品分析開発センター「味を感じる仕組み」味の素株式会社「うま味アカデミー 講座1」

「どうして日本語がそのまま英語で使われているの?」という疑問にお答えすると、このumamiは日本人の科学者が見つけた味覚だから。日本で育ってきた人であれば、umami(うま味)は自然とわかる味かと思います。たくさんお酒を飲んだ後に、お出汁の利いたお味噌汁をすすると、体中(からだじゅう)に染み渡って最高過ぎます!

umamiを分かち合えるあの食材

ところが、外国の方に説明するのは、ちょっとだけ難しい味覚でもあるんです。先ほどのフレーズ、You can taste umami when you drink sake.(日本酒を飲むと、うま味を感じられます)と伝えると、「日本酒にうま味があるってどういうこと?」と思われてしまうかもしれません。

そこで、外国の方にも馴染みのある食材を例えに、説明をしてみましょう!

You can taste umami when you eat salmon.
〔ユー・キャン・テイスッ・ウマァミ・ホェン・ユー・イーッ・サーモン〕
鮭を食べると、うま味を感じられます。

umamiを感じられるものとして、よく、鰹(bonito)や昆布(kelp)が挙げられますが、これらは海外ではそこまで馴染みのない食材です。これに対して、世界中で愛される鮭(salmon)を例に出すとわかりやすいんですよ。

焼き魚で、刺身で、あるいはおにぎりや鍋の具材として、日本酒と一緒に・・・うまい!特に左上の鮭は脂がのっていて、絶対にうまいやつだな!

さらに、魚、肉、野菜だけでなく、日本酒や、日本茶にも、このumamiがあるんです。超ざっくり説明すると、アミノ酸(amino acid)が含まれているものを口にすると、umamiを感じられます。私たちの暮らしを彩っている味覚の一つなので、ぜひ英語で説明できるようになってみてくださいね。

ちなみに、うま味を英語で発音するときは、「ウマァミ」とマのところを強調すると、それっぽくなりますよ〜!この記事には私がしゃべっている音声も付いていますので、再生ボタンをポチッと押して聞いてみてください。実際に真似してみるのもおすすめです♪

普段の会話だけでなく、ビジネスでもかっこよく英語を使ってみたい!なんて人には、ENGLISH JOURNAL編集部による「2語で伝えるビジネス英会話」の記事もありますので、そちらも読んでみてくださいね。Go ahead!

それでは、また次回お会いしましょう!

「5秒英語」を耳で学ぶ

この連載は、音声でもお楽しみいただけます。読み上げるのは藤代さんご本人。2つのフレーズはぜひご自宅で音読して練習にお役立てください。また、「うまい!」もぜひ声に出してみましょう!うまい!うまい!


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藤代あゆみ
藤代あゆみ

平成元年、東京生まれ。世界に10人しかいない、国際唎酒師・日本酒学講師・酒匠・焼酎唎酒師。海外勤務の経験を生かし、世界20カ国以上の人に向けて日本酒の素晴らしさを広めつつ、平尾アウリ先生の『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(徳間書店と百合マンガの魅力を伝える筋金入りのオタクとしても活躍中。著書に『推し英語入門』(アルク)、『日本酒オタクのほろ酔い英語』(アルクEJ新書【電子書籍】)がある。
X:@ayumi_and_sake
Instagram:@ayumi_and_sake
note:日本酒オタクのあゆみせんせい

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SNSで推し(応援している存在)の情報収集をしたい、素晴らしさを世界中に広めたい、オタク同士つながりたい、推しに愛を伝えたい・・・そんな人にピッタリなのが、藤代あゆみさんの著書『推し英語入門』です。「推し活」が何倍も楽しくなるシンプル英語のフレーズ集であるのはもちろん、藤代さんの最推し「平尾アウリ先生」、そしてその平尾アウリ先生の傑作漫画『推しが武道館いってくれたら死ぬ』への愛がダダ漏れの1冊。

本書の主人公は、ある日突然、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の沼にはまり、推し活を始めた「ちぷちぷ」。ちぷちぷの心の動きやつぶやきが、ストーリー仕立てで展開します。楽しく共感しながら「推し活に使えるシンプル英語」=「推し英語」を身に付けましょう!

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