英語の疑問文~作り方&使い方の基本をクイズ3問で分かりやすく解説!

『子どもに聞かれて困らない英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが出題するクイズで一緒に学び直してみませんか。今回取り上げるのは「疑問文の作り方・使い方」。わが子が英語の宿題を持ってきても大丈夫!英文法を「子どもにも説明しやすいように分かりやすく」復習するこの連載におまかせください。

まずはクイズに挑戦!

今回もクイズからスタートです。3問ありますので、考えてみてください。

Q1

ノートに書き間違いをしてしまった友人が、あなたにDo you have an eraser?と言いました。これに対して、あなたならどのように答えますか。

Q2

授業中、うとうとしているあなたに、先生がAre you sleepy?と言って、注意しました。先生への答え方は、①~③のどれが適切でしょうか。

① Yes, I am.
② No, I’m not.
③ I’m sorry.

Q3

これは、ロンドンのウェストミンスター地区に掲示されていたポスターです。このポスターの疑問文「CAUGHT SHORT IN WESTMINSTER?」は、何を尋ねているのでしょうか。

今回のテーマは「疑問文」

疑問文って何だっけ?

分からないことや気になることがあったとき、どのように解決しますか?本やインターネットで調べることができるものであれば、自分だけで何とかなるかもしれません。しかし、それでも分からないことがあれば、聞いて回るしかありません。困ったときは、人に聞く。そんなときに活躍するのが「疑問文」です。

相手に質問をする形である疑問文を使えるようになると、何だか今まで以上に会話が楽しくなりそうです。今回は、疑問文の作り方や答え方について一緒に考えていきましょう。

最も簡単な疑問文の作り方

誰かに何かを尋ねたいときに、一番簡単な方法は、単語や文の最後を少し上がり口調で伝えることでしょう。文の形を変える必要がないので、これ以上楽な方法はありません。

単語だけでもChocolate?(チョコレートは?)と言えば、大きな店内でも迷うことなくお菓子売り場を聞き出せますし、You speak English?(英語話せる?)と文末を上げ調子にして言って回れば、怪しまれはするものの、海外で話し相手を見つけることだってできるはずです。しかし当然のことですが、本当に困っていたり、お願いしたりしたいときこそ丁寧な言葉で質問したいものです。

他にも、You live in Tokyo, right?(東京に住んでいるんですよね?)のように、文の最後に..., right?(ですよね?)を付けて聞く方法もありますが、毎回こんな感じでは相手も尋問されているようでそわそわしてしまいます。慣れるまでは楽をしても構いませんが、やはり丁寧な質問の仕方を身に付けるのが一番です。

疑問文は何から始まる?

基本は「doや助動詞、be動詞を文頭に」

疑問文はdoから言い始めるのが基本です。先ほどのYou speak English?やYou live in Tokyo, right?も、文頭(文の最初)にdoを添えるだけでDo you speak English?(英語を話せますか?)、Do you live in Tokyo?(東京に住んでいるんですか?)という、ちゃんとした疑問文になります。

Does your sister work part time?(妹さんはバイトしているんですか?)やDid you visit Kyoto last year?(昨年は京都に行きましたか?)のように、文の主語や時制によってdoの形も少しずつ変わりますが、その後ろには普通の文が並んでいます。doには、今から言うことが「疑問文」であることを知らせる重要な役割があるのです。

do 以外にも疑問文を作ることができる語があります。それはcanやwillといった「助動詞」や、isやam、areなどの「be動詞」です。

こちらも doと同様に、文の始まりで使うことで、Can I use your pen?(ペンを使ってもいい?)やAre you happy?(幸せかい?)といった疑問文になります。

I use your pen?と、ちょっと偉そうな感じのI can__* use your pen.(わたしは君のペンを使っていい)という、普通の文を比べてみましょう。

Can I use your pen? 【疑問文】
I can use your pen. 【普通の文】

canが文頭に移動しているだけで、それ以外の語の順番はまったく変わっていませんね。一見複雑そうに見える疑問文も、doや助動詞など、特別な役割の語が前に出てきているだけなのです。

答え方にもルールがある

さて、疑問文にはどのように答えたらよいでしょうか。

Do you live in Tokyo?(東京に住んでますか?)といった質問には、yes(はい)かno(いいえ)を使った答え方をするのが一般的です。学校ではYes, I do.(はい、そうです)、No, I don’t.(いいえ、違います)と、丁寧に回答するように習うのですが、まるで面接試験のやり取りのようになってしまうので、友人と会話をするときはYes.かNo.と言うだけで問題ありません。

ところが、実際に会話をしてみると、これら2通りの答え方だけではうまくいかないことがたくさんあることに気が付きます。yesとnoだけではどんな問題が起きるのか、冒頭のクイズのQ1で考えてみましょう。

ノートに書き間違いをしてしまった友人が、あなたにDo you have an eraser?と言いました。これに対して、あなたならどのように答えますか。

友人はあなたに何をしてほしいのでしょうか。それが分かれば、答え方も決まってきます。

ここでは、「相手のしてほしいこと」に気付くことが何より大切です。Do you have an eraser?(消しゴム持ってる?)は疑問文ですから、あなたが消しゴムを持っているかどうかを尋ねているのは間違いありませんが、持ち物検査をしているわけではありませんね。

この状況から考えると、言葉の裏に「もし消しゴムを持っているなら貸してほしいなあ」という気持ちが隠されていることがすぐに分かります。

こういう場面で、Yes, I do.(持っていますよ)とだけ言って終わってしまうと、「消しゴムは持っているけど、何か?」と、少しイジワルをしているかのような印象を与えかねません。yesという返事に続いて、Here you are.(どうぞ)と言って消しゴムを貸してあげることで、良好な友人関係を保つことができるはずです。

もし、消しゴムを持っていなかったとしても、No, I don’t.(いや、持ってないよ)と言い切るのではなく、Sorry.(ごめんね)などを付け足して、申しなさを伝えることも忘れてはいけません。

疑問文にyesかnoで答えるのは基本ルールですが、それ以上に、相手の気持ちをくみ取って、何か一言添えることを大切にしましょう。

クイズの答え

Q1の答え

Yes, here you are.(はい、どうぞ)などが考えられます。

相手の言葉からは「消しゴムを貸してほしい」というメッセージが読み取れます。貸せる状態にあるのなら、Here you are.などと言って消しゴムを貸してあげましょう。消しゴムを持っていなくて、noと言わなくてはならないときも、すぐ後にSorry.(ごめんね。)の一言があるだけで、温かみのある返事になります。

Q2の答え

Are you sleepy?(眠いのですか?)という言葉には、「授業中は寝るな」という注意の気持ちが込められています。こういうときは、本当は眠くても相手を怒らせないようにNo, I’m not.(いえ、眠くありません)とウソをつくことも大切です。

これは面接試験ではありませんので、すべての質問に正直に答える必要はないのです。少なくともここで正直に答えると、かえって相手を怒らせてしまうことになるでしょう。

Q3の答え

「あなたがトイレに行きたくなったかどうか」を尋ねています。

get caught shortは「急にトイレに行きたくなる」という、主にイギリスで使われる口語表現です。きちんとした疑問文にするならDid you get caught short in Westminster?(ウェストミンスターでトイレ行きたくなっちゃったの?)ですが、こういったポスターや新聞の見出しなどでは省略した形で書かれることがよくあります。「?(クエスチョンマーク)」をポスターや新聞で見かけたとき、何を聞かれているのか考えてみるのも面白いですね。

まとめ

疑問文は、相手に分からないことを聞くときだけでなく、会話中に「興味を持ったこと」を詳しく知りたいときにもよく使われます。質問の仕方がうまいと、答える方も気分が良いですし、自然と会話が弾んでくるのは日本語も英語も同じです。英会話を楽しむ秘訣は、実は疑問文にあるのかもしれません。

大竹保幹
大竹保幹

明治大学文学部文学科卒業。神奈川県立多摩高等学校教諭。平成23年度神奈川県優秀授業実践教員(第2部門)表彰。文部科学省委託事業英語教育推進リーダー。著書に『子どもに聞かれて困らない英文法のキソ』『まんがでわかる「have」の本』(いずれもアルク)『APPLAUSE LOGIC AND EXPRESSION Ⅰ~Ⅲ』(開隆堂出版)など。

編集:美野貴美

大竹保幹さんの本

『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』では、「仮定法」をはじめとする、子どもが抱きそうな疑問・質問に対して、ある程度答えられるように英文法の基礎を学ぶことができます。英語を学ぶ面白さに触れられる雑学的な小話も随所にあり、楽しみながら英文法を復習できます。

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