世界中で活躍する、日本人アスリートたち。彼らのことを報じた英語ニュースから、使える表現を学びましょう!今回はバスケットボールの渡邊雄太選手を取り上げます。
NBAプレーヤー渡邊雄太選手
世界で活躍する日本人アスリートにまつわるニュースから英語表現をご紹介する本連載。第4回目はバスケットボールの渡邊雄太選手です。
田臥勇太選手以来14年ぶり2人目の日本人NBAプレーヤーとなった渡邊選手。NBAでの活躍もさることながら、最近では元フジテレビ女性アナウンサーの久慈暁子さんとご結婚されたニュースが日本中を驚かせました。
今回はそんな渡邊雄太選手のこれまでの歩みを振り返りながら、そこに登場する英語表現を幾つかご紹介していきたいと思います。
【自信をつけた4年目】“日本のリーダー” 渡邊雄太|2021-22シーズン ハイライト 【NBA Rakuten】
The Chosen One(選ばれし者)
高校卒業後のアメリカ留学
神奈川県で生まれ、4歳の頃父親の故郷である香川県へ移り住んだ渡邊選手は小学生の頃からバスケを始めます。高校では2年連続の全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会準優勝に貢献し、2年生の頃には高校生史上初のバスケットボール日本代表候補に選出されます。
NBAのコービー・ブライアント選手に強い憧れを持っていた渡邊選手。高校卒業後にアメリカへの留学を希望します。周囲からは反対の声もあったものの、両親をはじめとした人々のサポートによってアメリカ留学を果たします。その際、日本人初のNBAプレーヤーである田臥勇太選手も彼の留学を後押ししました。
そのことについて、以下動画の3:07あたりで渡邊選手が田臥選手への感謝の気持ちを述べています。
Open Gym pres. by Bell S9E7 | The Yuta Watanabe story
He’s definitely a player who influenced me, and he’s actually the guy who like when I say, you know, I wanna go to (the) US, he’s the guy, like, who, you know, pushed me and that supported me too, so I really appreciate him.
彼はまさに私に影響を与えた選手です。彼は実際、私がアメリカへ行きたいと行ったときに後押しして、支えてくれました。だから、彼には本当に感謝しています。
アメリカの大学での活躍
高校卒業後、コネチカット州のプレップスクール(大学進学準備のための学校)に通い始めた渡邊選手はナショナルプレップチャンピオンシップ準優勝に貢献するなどその実力を見せつけ、翌年の2014年2月にNCAA1部に所属するジョージ・ワシントン大学への進学を果たします。
大学でもその実力を遺憾なく発揮した渡邊選手は、大学最終年の2017-2018年シーズンにジョージ・ワシントン大学の選手として「アトランティック10カンファレンス」の最優秀ディフェンダーを受賞するという快挙を果たします。以下の記事でその受賞を報じています。
日本人史上2人目のNBAプレーヤーへ
大学卒業後、NBAサマーリーグに参加した渡邊選手はそこでも好成績を収め、メディアでも日本人選手2人目のNBA選手誕生を期待する声が出始めます。以下の記事でNBA入りの可能性について報じています。
日本の新聞社に「選ばれし者」と名付けられていた渡邊選手。そのことについて記事中にも以下のように記されています。
But he left Kagawa as “The Chosen One,” so named by a Japanese newspaper.
だが、彼はある日本の新聞社に名付けられた”選ばれし者”として香川を離れた。
そして、サマーリーグ後、メンフィス・グリズリーズとツーウェイ契約(日数制限付きでのNBAトップチームと、傘下のGリーグチームの両方に所属する契約)を結んだ渡邊選手。
2018-2019年シーズンのプレシーズンマッチでは値千金の同点3ポイントシュートを放つなど、存在感を見せつけます(動画の0:59あたり)。
Yuta Watanabe has a Strong Performance for Memphis in Overtime Thriller! | 2018 NBA Preseason
そして、2018年10月27日、日本人史上2人目となるNBAプレーヤーとして試合への出場をついに果たしたのです!以下の記事で、史上2人目のNBAプレーヤー誕生を報じています。
記事はこちら:Yuta Watanabe becomes the second Japanese-born player to in an NBA game(Sports Washington)
On October 28 Watanabe made his NBA debut with the Memphis Grizzlies. In doing so, he became just the second Japanese-born player to play in an NBA game.
10月28日、渡邊がメンフィス・グリズリーズでのNBAデビューを果たした。と同時に、彼はNBAでプレーした史上2人目の日本出身プレーヤーとなった。
勝ち取ったラプターズとの通常契約
2020-2021年シーズンにはトロント・ラプターズに所属することになった渡邊選手。そこでも十分に実績を残し、当初のツーウェイ契約から通常契約を勝ち取ります。以下の記事で、ラプターズとの通常契約を報じています。
記事はこちら:Yuta Watanabe signs standard NBA contract with Raptors(The Japan Times)
Toronto Raptors forward Yuta Watanabe has signed a standard NBA contract.
トロント・ラプターズのフォワード、渡邊雄太が通常のNBA契約を結んだ。
東京オリンピックへの出場
2021年には東京オリンピックへの出場を果たした渡邊選手。以下の動画でその意気込みを語っています。
Watanabe Yuta: This is my mission at Tokyo 2020(olympics.com)
動画の1:14あたりで、どんな困難もハードワークによって乗り越える不屈の闘志が垣間見えます。
... So, no matter what, I am gonna just keep working, and I know that hard work pays off, so ...
・・・何であれ、ワークし続けるのみです。 ハードワークが報われると分かっています・・・
勝利への強い執念
2021-2022年シーズンには自己最多得点となる26得点を記録した渡邊選手。残念ながら負け試合となってしまいましたが、試合後のインタビューで記者から、優れた成績を残して自分自身が成長するための機会と感じたかどうか質問されます。
それに対して、自分の記録よりもとにかく勝ちたいんだという強い思いを以下の記事の動画(3:50あたり)で語っています。
記事はこちら:【試合後一問一答】自己最多26得点をあげた渡邊雄太「正直、全然嬉しくない」(The Sporting News)
For sure. But more than anything, I wanna win.
確かにそうですね。でも僕は何よりも勝ちたいんです。
さらなる高みへ
チーム内でコロナがまん延し、自身も感染してしまった激動の2020-2021年シーズンを振り返って、渡邊選手は自身の課題について以下のように語っています。
I need to hit 40 percent (from three-point range) to keep my spot.
自分のポジションを守るためには3ポイントシュートの成功率を40%に到達させる必要がある。
また、ラプターズの運営陣からもシュート精度の改善を求められたことが以下のように記されています。
The Tokyo 2020 Olympian said he discussed his strengths and weaknesses in his postseason interview with Raptors management, who underlined the need for improved shooting.
ポストシーズンに彼の長所と短所についてラプターズの運営陣と協議を行い、運営陣からもシュート改善の必要性を強調されたと東京オリンピック2020の出場選手は言った。
ディフェンスもオフェンスもさらなる高みを目指す渡邊選手。これからの活躍も楽しみですね!
今回登場した英語表現
では、今回登場した英語表現について振り返ります。the chosen one
選ばれし者choose(~を選ぶ)の過去分詞形なので直訳に近いですが、とっさに出てくるかと言われれば難しい。そんな語句だと思います。
sign a contract
契約を結ぶ「契約書にサインする」イメージを持つと覚えやすいと思います。
pay off
報われる「(借金などを)清算する」という意味でも使われます。
for sure
確かに、確実に相づちで使うと、「確かにそうですね」という返事になり、会話をスムーズに進める上でとても役に立つフレーズです。海外ドラマなどにもよく登場するので耳なじみのある方も多いかもしれません。
underline
~を強調するunder(下)+line(線)で文字どおり下線を引くというのが元々の意味なので、連想しやすいかと思います。
おわりに
いかがでしたか。夢をかなえるため高校卒業とともに海を渡った渡邊選手。現地ではバスケだけでなく、英語の習得にも励まないといけなかったため本当に大変だったと思います。「どんな困難が立ちはだかっても努力すればきっと乗り越えられる」――渡邊選手のそんな不屈の闘志を見ていると元気をもらえるような気がしますね!
次回はスケートボードの世界で活躍する、あの選手をピックアップする予定です!お楽しみに~。
第5回は2022年8月8日(月)公開予定!
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