「期待に応える」って英語でなんて言う?高梨沙羅選手を報じた英語ニュース

世界中で活躍する、日本人アスリート達。彼らのことを報じた英語ニュースから、使える表現を学びましょう!今回はスキージャンプの高梨沙羅選手を取り上げます。

“Little Big Woman” 高梨沙羅選手

世界で活躍する日本人アスリートにまつわるニュースから英語表現をご紹介する本連載。第2回目は、スキージャンプの高梨沙羅選手です。

幼い頃から活躍し、ワールドカップでの表彰台登壇回数、個人勝利数のギネス記録を持つ高梨選手。小柄な体型からは想像できないような距離を飛ぶ姿に感動を覚えた方も多いのではないでしょうか。

2022年6月20日時点の女子ワールドカップ通算勝利数は63勝と、2位の30勝を大幅に上回り、スキージャンプ界の女王の名をほしいままにしてきた彼女。

しかし、輝かしい記録の一方で、北京オリンピック混合団体でスーツの規定違反により失格となってしまった悲劇も記憶に新しいと思います。

今回は、そんな高梨選手の歩みを英語ニュースなどで振り返りながら、そこに登場する英語表現をいくつかご紹介していきたいと思います。

「期待に応える」って英語でなんて言う?

初めてのオリンピック出場

幼い頃から着実に実績を重ね、2013年には日本人として史上初、そしてFIS((国際スキー連盟))ワールドカップ史上最年少でスキージャンプワールドカップ個人総合優勝を果たした高梨選手。

出場した初めてのオリンピックは、17歳で迎えた2014年のソチ五輪でした。

メダル候補としてインタビューを受けた当時の映像がこちらです。

女子スキージャンプがオリンピック種目として採用された初めての大会ということもあり、多くの人々から金メダルへの期待を寄せられていた高梨選手。

そのことについてインタビュワーから質問された際、動画の2:28あたりで次のように答えています(高梨選手の日本語の回答を英訳したナレーションです)。

I’m very grateful that so many people have such high expectations of me, and I’m working really hard now to ensure that I can live up to them.

多くの人からそれほど期待されていることについてとてもありがたいと思っています。皆さんの期待に応えられるように一生懸命練習しています。((英語ナレーションを基に筆者が日本語訳したもの))

ソチ五輪では天候の影響もあり、惜しくもメダルは逃してしまいましたが、まだ10代での初オリンピック、そして多くの国民からの期待という、とてつもないプレッシャーがかかる中、堂々の4位という結果を残しました!

更なる高みへ挑戦!

ソチから4年後の2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックでは、自身初のオリンピックメダルとなる銅メダルを獲得したものの、周囲の競技レベルが急激に上がり、新しい選手達が台頭し始めてきていることに危機感を覚えた高梨選手。

2022年の北京オリンピックでの金メダル獲得を見据えて、これまでにつくり上げてきた自らのジャンプをゼロからつくり直すことを決心し、懸命に取り組みます。

“from scratch”ってどういう意味?

ギネス記録達成!

リスクを恐れず、理想のジャンプを追求した結果、勝ち星をさらに積み重ねられるようになり、2021年にはついにスキージャンプワールドカップ個人での優勝回数と表彰台登壇回数でギネス記録を達成します。

記事の中で、高梨選手は以下のように答えています。

▼ギネス記録を報じた記事

I would like to extend the record further, and I feel I must keep the skill worthy of these records.

記録をさらに伸ばしていきたいです。そしてこれらの記録に見合う技術をキープしないといけないなと感じています。((同上。高梨選手の日本語コメントはこちらを参照))

Japanese ski jumper Sara Takanashi breaks record with 109th podium finish | Guinness World Records

また、ゼロからジャンプをつくり直したことについても触れています。

I restructured my jump from scratch, which is finally becoming my own and is starting to turn into results.

自分のジャンプをゼロからつくり直しました。それがやっと自分のものになって、結果に出始めています。((同上))

Japanese ski jumper Sara Takanashi breaks record with 109th podium finish | Guinness World Records

「~に違反する」って英語でなんて言う?

悲劇の北京オリンピック

そして、満を持して迎えた2022年の京オリンピック。

スーツのサイズが規定より大きいと判断され失格になるという、まさかの悲劇が起こってしまいます・・・。

▼スーツ規定違反による失格を報じた記事

Takanashi was one of five women ski jumpers disqualified for violating guidelines on the suits they wore while competing in the mixed-team ski jumping final on Monday.

高梨は、月曜日に行われたスキージャンプ混合団体決勝で、着ていたスーツに関するガイドラインを違反したために失格になった5人の女子選手の1人だ。

Sara Takanashi: Japanese ski jumper apologizes amid 'too big' suit disqualification controversy - CNN

また記事の中では、高梨選手がInstagramに残したコメントの内容にも触れられていました。

“I am very sorry that the chance of winning a medal has been taken away from the Japanese team," said Takanashi in an((原文ママ。正しくはa)) heartfelt message on Instagram.

「メダルを獲得するチャンスを日本チームから奪ってしまい本当に申し訳ありません」と、高梨はInstagramで心からのメッセージを伝えた。((同上))

Sara Takanashi: Japanese ski jumper apologizes amid 'too big' suit disqualification controversy - CNN

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Sara Takanashi / 高梨沙羅(@sara.takanashi)がシェアした投稿

優勝候補だった国の選手が次々と失格となり、大きな物議を醸したこの出来事。すべてを賭けて準備してきた北京オリンピックでの悲劇の後、Instagramに真っ黒な画像とともに謝罪のコメントをアップした高梨選手の気持ちを考えると、とても胸が痛くなりました。

悪夢を払いのける優勝!

悲劇の中、幕を閉じた北京オリンピック。しかし、高梨選手は心を強く持ってすでに前を向いていました。北京オリンピック後に出場したワールドカップ・リレハンメル大会で優勝したのです!

▼優勝を報じた記事

Ski jumper Sara Takanashi brushed aside the recent Beijing Winter Games drama to win the World Cup event in Lillehammer in her post-Olympic comeback on Wednesday.

スキージャンパーの高梨沙羅が、先日の北京オリンピックでの事件をはねのけて、水曜日に行われたオリンピック後の復帰戦となるワールドカップ・リレハンメル大会で優勝した。

Sara Takanashi brushes aside Olympic drama with victorious return in Norway | The Japan Times

また、高梨選手のコメントとして下記が紹介されており、やはりご自身としてもモヤモヤを晴らして純粋に楽しめるジャンプができたのだろうなと感じました。

“It’s been some time since I’ve jumped and the competition was pure enjoyment. It wasn’t my own power but the power of my supporters that helped me achieve this win,” Takanashi said.“ This, coming after the Olympics, it’s my happiest win ever.”

「久しぶりのジャンプで純粋に競技を楽しめました。この勝利は私の力ではなく、私を応援してくれる人たちの力によって成し遂げられた勝利だと思います。オリンピック後のこの勝利は私にとって一番うれしいものです」と高梨は言った。((同上。高梨選手の日本語コメントはこちらを参照))

Sara Takanashi brushes aside Olympic drama with victorious return in Norway | The Japan Times

今回登場した英語表現

では、今回登場した英語表現について振り返ります。

live up to ~

~の期待に応える

worthy of ~

~に見合う

例:His achievement is worthy of admiration.

彼の業績は賞賛に値する。

from scratch

ゼロから、一から

“scratch”はかけっこ等の時にスタート地点を示すために引く線を表し、そこから転じてこのような意味で使われるようになりました。

violate ~

~に違反する

例:He violated some school rules.

彼は学校のルールをいくつか破った。

heartfelt

心からの

形容詞です。“heart”(心)+“felt”(感じる)というつくりから、なんとなく意味が想像できるでしょうか。派生語に“heartfelt sincerity”(誠心誠意)があります。

世界中に感動を与えてくれる高梨選手

いかがだったでしょうか。困難があっても常に前を向き続けて結果を出す高梨選手を見ていると、「自分も頑張らないといけないな」と勇気づけられます。

まだまだギネス記録を伸ばして、日本はもちろん、世界中の人に感動を与えてくれることでしょう!

次回は高梨選手と同じくウィンタースポーツの世界で活躍するあのアスリートをピックアップする予定ですので、お楽しみに~!

第3回は2022年7月4日(月)公開予定!

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