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カナダ出身のラッパー、ドレイクの3年ぶりとなるニューアルバム『Certified Lover Boy』

EJ’s Playlist【2021年12月号】

「今聴いてほしいアーティスト」と関連楽曲を、音楽が伝えるメッセージや社会的・音楽的文脈などと併せて渡辺志保さんが解説します。

今月のアルバム

ドレイクの『Certified Lover Boy』を紹介します。

現代ヒップホップを代表するカナダ出身のラッパー、ドレイク。俳優としてキャリアをスタートさせ、2006年頃から音楽活動を開始、2010年にデビューして以来グラミー賞を3度受賞という偉業を達成した。9月に発売したアルバム『Certified Lover Boy』も世界で大ヒット中。

新記録樹立が止まらないニューアルバム

EJ’s Playlist【2021年12月号】

写真:ロイター

ラッパーであると同時に世界を牛耳るポップスターでもあるドレイクが、9月に6枚目となるアルバム『Certified Lover Boy』をリリースした。発売と同時にアメリカ、ビルボードチャートの1位を獲得し、初週の売り上げは約61 万枚相当。これは2021 年におけるアルバムセールスの中ではトップの記録で、さらにはストリーミングサービスのApple MusicとSpotifyでリリース日における1日当たりの最高再生回数記録を更新した。ちなみにこれまでの記録保持者は同じくドレイクのアルバム『Scorpion』(2018)で、ドレイクは自らの記録を更新したということになる。リリースから21日後には100万枚相当を売り上げたという証しのプラチナディスクにも輝き、こちらもまた2021年のアメリカ音楽業界においては最速記録だ。

ドレイクといえば、地元であるカナダ、トロントを代表するアーティストとしても知られている。今回のアルバム収録曲においても、地元を示唆する歌詞がちりばめられている。例えば、「7am On Bridle Path」という楽曲では、“You tell ’em I run the country, they’ll say, ‘True, though’”という歌詞がある。runという単語はスラング的に「〜(ある地域)を仕切る」という意味もあるが、同時に「選挙に立候補する」という意味も持つ。その後には“True, though”と続くが、これはカナダの首相、ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)の名前と掛けたもの。自分がカナダを席巻しているという事実と、実際にはトルドー首相が国の代表であるという二重の意味を持たせた歌詞として成立しているのだ。

その人気ゆえに批判を受けることも少なくないドレイク。しかしながら数字が証明するように、彼がともし続ける炎はまだまだ消える気配はない。

ドレイクと共にカナダを盛り上げる楽曲4選

今回の記事で紹介している音楽のプレイリストをご紹介します。ドレイクの出身であるカナダに関連する楽曲を併せて聴いてみよう!

  1. Take My Breath by The Weeknd
  2. Die For It ft. Nas by Belly, The Weeknd
  3. I Believed It (ft. Mac Miller) by dvsn & Ty Dolla $ign
  4. Break From Toronto by PARTYNEXTDOOR

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「EJ’s Playlist」では、これまで『ENGLISH JOURNAL』の連載「EJ Culture Music」で取り上げてきた楽曲を音楽配信サービスで公開中です。こちらのプレイリストは、Apple Musicでもお楽しみいただけます。次のURLからご利用ください。https://umj.lnk.to/EJplaylist

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年12月号に掲載した記事を再編集したものです。

渡辺志保音楽ライター。主にヒップホップ関連の文筆や歌詞対訳に携わる。これまでにケンドリック・ラマー、A$AP・ロッキー、ニッキー・ミナージュ、ジェイデン・スミスらへのインタビュー経験もあり。block.fm『INSIDE OUT』をはじめ、ラジオMCとしても活躍中。