映画やドラマは生きた英語の宝庫。おすすめ映画・ドラマから、ちょっとおしゃれですぐに使える英語表現を毎回一つ紹介します!今回はドラマ「glee/グリー」から、「もうおしまいだ!」という意味の英語表現を紹介します。
今日のおすすめ表現
We are doomed.
「あぁもうおしまいだ!」とか「絶望的!」なんて冗談っぽく叫びたくなること、ありませんか!?
今回は、そんなときに使えるフレーズを取り上げます。
表現の出どころ
この表現は、日本でも人気を博した学園ドラマ「glee/グリー」(原題: Glee)のシーズン1エピソード1で使われています。
「glee/グリー」は、アメリカで2009~2015年まで、6シーズンにわたり放送されていたドラマです。オハイオ州にある架空の高校ウィリアム・マッキンリー・ハイスクールが舞台。ステージ上で歌って踊る「グリー部」を中心にストーリーが展開します。
廃部寸前のグリー部でしたが、スペイン語教師のウィル・シュースター(マシュー・モリソン)が顧問になり、新しいチーム「ニュー・ディレクションズ」として立て直していきます。新しいグリー部のメンバーは、人種や性的指向、身体能力などが原因で社会的な弱者とされがちな生徒たち。いじめや嫌がらせに遭いながらも、部員が一つになって州大会の優勝を目指します。
ところでこの「glee」という単語、「どういう意味なんだろう?」と思ったことはありませんか?「大喜び」や「歓喜」という意味の他、3声以上による無伴奏の合唱という意味もあります。
さらに、エピソード1のオープニングで、グリー部がかつて優勝したときの顧問だったリリアン・アドラー先生(ジェーン・ギャロウェイ・ハイツ)の盾が映し出されますが、そこには、こんな言葉が刻まれています。
By its very definition, Glee is about opening yourself up to joy.
グリーとは、まさにその言葉の定義どおり、喜びへと自分を解き放つこと。
表現の使い方
シュースター先生は、州大会でライバルとなる強豪校のパフォーマンスを見せに、「ニュー・ディレクションズ」のみんなをこの学校の公演に連れていきます。
とはいえ先生は、次のように言ってメンバーを安心させます。
Hey guys, so this is supposed to be our competition, but uh, I honestly don’t think that they’ve got the talent that we’ve got.
なぁみんな、このチームは僕らのライバルってことになっているけど、でも正直、やつらに僕らのような才能があるとは思わないよ。
ところが、幕が開いてステージが始まると、その圧倒的なパフォーマンスに「ニュー・ディレクションズ」のメンバーは度肝を抜かれます。
そしてティナ(ジェナ・アウシュコウィッツ)は、こんな言葉を口走ります。
We’re d...d...doomed.
私たち、絶望的だわ。
ティナはつまり、自分たちには勝ち目がない、と言っているのです。
このdoomという単語は、辞書を引くと「運命」とか「悲運」と載っており、動詞の場合は、「運命づける」という意味があります。
形容詞としてのdoomedなら、「運が尽きた」とか「絶望的な」という意味です。
そのため、「We’re doomed.」なら「もう終わりだ」とか「絶望的だわ」となります。自分一人の場合は主語はIなので、「I’m doomed.」になります。
ちなみに、シュースター先生は前述の発言の際、competitionと言うときに両手で2本指を立てて、「カニ」のようなジェスチャーをします。これは「air quotes」というもので、両手の2本指で「引用符」(quotation marks、つまりこれです→‟”)を作っており、「いわゆる」を表現しています。つまり、「本当はそうではないけれど」という皮肉を言っているのです。
まとめ
今回は、見ているとつい自分も歌いたくなってしまうドラマ「glee/グリー」から「We are doomed.」をご紹介しました。
この番組からは、グリー部の曲を収録したサウンドトラックがなんと16枚もリリースされています。グリーといえば思い出すあの曲、‟Don’t Stop Believin’”も収録されていますよ。興味がある人はぜひ聞いてみてくださいね。
それからこちらは、オリジナルであるジャーニーの‟Don’t Stop Believin’”です♪
松丸さとみフリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。訳書に『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)、『限界を乗り超える最強の心身』(CCCメディアハウス)、『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』(サンマーク出版)などがある。
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