英検1級二次試験対策!スピーチで押さえておきたいポイントをチェック

これまで英検1級に18回合格した経験のあるJunさんが、英検1級の二次試験の模範スピーチを用いて解説してくれました!

こんにちは、英語ジム らいおんとひよこR代表のJunです。今回は、英検1級の二次試験のスピーチ原稿を見ながら、高得点を狙うポイントやありがちなミスを解説していきたいと思います。

スピーチのトピックを正確に理解する

まず最初にやることは、 第3回 で説明した英作文のときと同様、 トピックの確認 からです。今回の記事用にオリジナルのトピックを用意しました。二次試験では5つのトピックから1つを選びます。例えば、5つの中から下記のトピックを選んだとしましょう。

TOPIC:Are concerns about alcohol consumption among teenagers warranted?
ちょっと見慣れない表現かもしれませんが、Are concerns about ... warranted?で「?についての 懸念 は妥当(当然)か?」という意味です。実際の二次試験本番でもこの表現が使われています。

ここで聞かれていることは「10代の若者がアルコール接種をすることについて 懸念 は妥当か」、つまり、「若者がお酒を飲むことを 心配 するのは当然か」、「 心配 する必要はないのか」、ということについて自分の意見を述べていくことになります。

模範スピーチをチェック

準備時間の1分間でどちらの意見(Yes / No )か決めて、理由を2つ考えます。私の場合は、YESで回答することにしました。

論点は以下にしました。

  • 10代の若者は脳も体も成長途中のため、アルコール接種の 影響 を受けやすい。
  • 飲酒が犯罪や事故につながりやすい。
それでは、高得点を狙うためのポイントや、よくあるミスも交えながら次に実際のスピーチ原稿を解説していきます。皆さんが実際に原稿を作成する際には、 第4回 でもお伝えしましたが、ちょうど2分でおさまるような長さで書きましょう。大体170語?200語程度がいいかと思います。

【模範スピーチ音声】

【模範スピーチ原稿】

I believe that worries about alcohol drinking among adolescents are reasonable because alcohol consumption affects adults and young people differently. Let me give you some reasons for this.

First of all, young people's brains and bodies are still in the process of growth. Alcohol harms their brain development , which often results in a decline in academic performance . Also , it is said to cause serious diseases, including cancers and heart attacks, at some point in their lives. To prevent these risks, schools and parents should take this issue seriously and teach youngsters the association between alcohol consumption and its effects on their brains and bodies.

Second, the youth don't know how much alcohol they can drink without coming under its influence . So they quickly get intoxicated and are more likely to display antisocial behavior . It is not uncommon to hear some news about young people driving cars without a driver's license. Sometimes, under the influence of alcohol, they commit violent offenses or become involved in crimes and accidents. This is a critical social issue that adults should take measures against .

For these reasons, I believe concerns about underage drinking are warranted. It is essential to raise awareness of the health risks and antisocial behaviors related to alcohol abuse among teenagers.

解説

それでは、ここから重要なポイントをいくつか見ていきましょう。皆さんがスピーチ練習をするときに参考になるかと思います。

Introduction "> Introduction

①I believe that worries about alcohol drinking among adolescents are reasonable because alcohol consumption affects adults and young people differently. ②Let me give you some reasons for this.
まず、最初にどちらの立場を取るか自分の意見を明確に示します。また、ここではteenagersをadolescentsにパラフレーズしてみました。このような単語 単位 でのパラフレーズは難易度が高くないため、試験本番でもやり易いです。 ただし 、難しいと感じる場合は、パラフレーズせずにトピックにある表現をそのまま使っても不合格にはなりません。

もし、 No の立場でスピーチをする場合は、 I don’t believeで文を始めて、that節の中を否定文にせず、that節の前を否定文 にしましょう。

②のセンテンスもあまり長く言わず、 すぐに 論点の1つ目に言及できるようにしています。この文を常に使うようにしておくのもいいでしょう。

Body

③First of all, young people's brains and bodies are still in the process of growth. ④Alcohol harms their brain development , which often results in a decline in academic performance . ⑤ Also , it is said to cause serious diseases, including cancers and heart attacks, at some point in their lives. ⑥ To prevent these risks, schools and parents should take this issue seriously and teach youngsters the association between alcohol consumption and its effects on their brains and bodies.
③では、論点の1つ目を端的に述べました。ここでは長々と説明する必要はないので簡単に伝えましょう。2センテンス目(④)以降からその詳細について述べるのがいいですね。

④は、 非制限用法の関係代名詞 ”, which ” を使って得点アップ を狙っています。この場合、先行詞は直前の文全体を指しています。あまり難しく考えることなく、前の部分に情報を追加する形で言えるので便利です。

⑤は、深刻な病気になる 可能性がある ことに言及し、どんな病気があるか、がんや心臓発作という 具体的な 例を付け加えました。具体例がほんの少しでもあるとイメージが伝わりやすくなります。

よく見るミスは、 cause の代わりにhappenや occur を使用してしまっているケースです。 happenや occur は自動詞で、 cause のように目的語を取れない のでご注意ください。違いが曖昧な方は辞書で使い方を再度確認してみてください。

⑥では、もう少し時間稼ぎをしたいと思ったので、どんなふうに問題に 取り組み 、若者のアルコール摂取を防いで行くべきか解決策を示して語数を増やしました。詳細な説明や具体例が多く思いつかない場合は、このように「どうするべきか」のアイディアを追加するのもありです。

⑦Second, the youth don't know how much alcohol they can drink without coming under its influence . ⑧ So they quickly get intoxicated and are more likely to display antisocial behavior . ⑨It is not uncommon to hear some news about young people driving cars without a driver's license. ⑩Sometimes, under the influence of alcohol, they commit violent offenses or become involved in crimes and accidents. ⑪This is a critical social issue that adults should take measures against .
⑦では、「若者」を表す表現として、the youthを使いました。 under its influence とは「お酒の 影響 を受けて」という意味です。 「・・・の 影響 を受けて」を意味する under the influence of … は便利な表現なので使ってみてください。

⑧では、get drunkでもいいのですが、少し難しめのget intoxicatedを使いました。

⑨は、 common 「普通である」という言い方を、not uncommon 「珍しくはない」という少し複雑な言い回しにしています。単純に「よく聞きます」というよりは「意外と聞きますよ」のようなニュアンスを出すためです。 ほかの受験者が使わなさそうな表現を使うと面接官の印象に残りやすい 可能性 があります

⑩のようにoffenceやcrimeを目的語に取る動詞は commit であることを覚えていない方が意外と多いので注意です。

⑪では take measures against というイディオム表現を使って得点アップ を狙っています。この「大人が対策を講じるべき重大な社会問題です。」という意味となる、This is a critical social issue that adults should take measures against .は、 さまざまなトピックで使いやすいセンテンスです

For these reasons, I believe concerns about underage drinking are warranted. ⑬It is essential to raise awareness of the health risks and antisocial behaviors related to alcohol abuse among teenagers.
結論もスピーチではそれほど長く言う必要もありません。⑫のように、トピックのalcohol consumption among teenagersをunderage drinkingとパラフレーズすると、得点アップにつながります。

論点の1つ目と2つ目のパラグラフの最後で「なんらかの対策を取るべき」という意見も述べているので、⑬でも論点をまとめつつ、「意識を高めるべき」という意見を追加しています。2分間のスピーチが短く終わってしまう場合は、このように スピーチの途中で述べたことを再度言葉を変えて言う と適度に時間の調整ができます。

スピーチのポイント

練習する際、また、試験本番で心掛けたいポイントは、

  • 背伸びし過ぎた表現を使わない。
  • 小学生に伝えるような内容でOK。
  • 思いついたことを全部入れなくてOK。
ということです。

あまり難しい語彙や表現・構文を使おうとすると、話しているうちに意味が変わってしまったり、自分が何を言っているか話の筋が見えなくなったりします。

日本語でスピーチを考えた場合、難しい説明や具体例になりがちで、その難しい日本語をそのまま英語にしようとすると、英語表現が思いつかず、沈黙してしまったり言いよどんでしまったりすることが多いです。

また、思いついた論点や具体例をすべてスピーチに入れなくても、質疑応答で面接官に伝えるチャンスはあります。まずは2分のスピーチでうまくまとめられるように話しましょう。

その後、質疑応答セクションでは4分間、2名の面接官からスピーチで話した内容や少し論点から外れた質問があります。ここでは面接官との「英会話」「意見交換の場」として自分の考えを述べることができます。スピーチをしている途中でいろいろ思いついてしまい、うまくいかないことがある方は特に意識しておきましょう。

今回の内容が二次試験合格のために何か少しでもお役に立てれば幸いです。次回は、いよいよ最終回です。お楽しみに!

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Jun 英語ジム らいおんとひよこR 所属。 SEとして10年以上IT業界で勤務し、オンライン英語スクール 「英語ジムらいおんとひよこR」 を立ち上げる。英検1級に18回合格、TOEICでは990点満点を23回取得し、英語発音指導士R?の資格も保持。言語学習好きで英語以外にスペイン語・中国語・韓国語も勉強中。 Twitter:@Jun_suerte

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