『ENGLISH JOURNAL』50周年を記念して、『ENGLISH JOURNAL』「ENGLISH JOURNAL ONLINE」の執筆陣に、「英語学習のこれまでとこれから」というテーマで寄稿していただきました。大学・企業研修講師の濱崎潤之輔さんは、大学時代、英語学習にまったく縁がなかったそう。そんな濱崎さんをTOEIC対策の指導者へと導いた出合いとは?
TOEIC対策を中心に、多くの記事を執筆
「ENGLISH JOURNAL ONLINE」には、その前身である「GOTCHA!」の初期の頃からお世話になってきました。
何回も、それこそ数えきれないくらいの回数の取材をしていただき、TOEIC L&Rテスト関連の連載もたくさん担当させていただきました。
特に、「英語の本は多すぎる!カリスマ講師が本気で悩んだ&選んだ29冊」と「TOEIC おすすめ参考書の最新ガイド[パート別 x レベル別]」という2つの記事は、非常に好評をいただいたようで、「殿堂入り」の記事となっただけでなく、内容も年に2回更新しています。
月刊誌の『ENGLISH JOURNAL』は、今年創刊50周年になるとのこと。
歴史と由緒ある雑誌に関連するこの場にこうして登場させていただけることが、本当にありがたく、光栄なことだと感じ入っています。感謝です。
あるテレビ番組との衝撃的な出合い
僕自身が英語学習を始めたのは、ある冬の夜中に、テレビで大西泰斗(おおにしひろと)先生の番組を偶然見たことがきっかけでした。
大学受験のための英語の勉強はもちろんしましたが、大学時代から社会人になるまで、英語とはまったく縁のない世界で生きてきました。
大学に入学したときに、興味本位でESSに体験入部したのですが、いきなり「キング牧師の“I Have a Dream”を今日1日で暗唱しましょう」と言われ、「これは絶対に自分には無理だ」とその場で逃げ出しました。
その後大学時代は、誰もが受けなければならない必修の英語の授業(週に2コマ)以外では一切英語に触れず、社会人になってからも英語に関わらない生活が続きました。
ある日たまたまテレビをつけたとき、NHKで大西先生の「ハートで感じる英文法」の冬休み総集編が放送されていました。
あまりにも内容が濃く、型破りなキャラクターの大西先生による面白過ぎる講義に感銘を受け、早速先生の本を1冊買ってきて読み始めました。
その後は1冊読み終えては次の1冊を買い、また1冊読み終えては次の1冊を買う、というのを繰り返し、気が付けば市場で手に入るすべての書籍だけでなく、音声講義が収録されたCDやDVDまでコンプリート。
この衝撃的な出合いと経験が、今の僕自身の英語力を支える強固な礎となっているのは間違いありません。
ひょんなことからTOEICを受験することに
大西先生の影響で、これまでなんの興味も関わりも持つことのないままでいた英語の面白さ、魅力にはまり、ほぼ時期を同じくしてTOEICの存在を知りました。
大学卒業後は証券会社に入社、その後は大手学習塾に転職し、しばらく働いた後に独立。高校受験専門塾を開業しました。
その塾でアルバイトとして雇っていた大学生に言われたのです。
「塾長、これからの時代はTOEICですよ、塾長も受けた方がいいですよ」
塾ではずっと国語をメインに指導しており、TOEICはその存在すら知りませんでした。
そして、そのアルバイトの学生は700点台のスコアを持っていたのです。
「おお、じゃあ受けるよ」
こんなやりとりから思いがけずTOEICを受験することになってしまった自分でしたが、「塾長が200点や300点だとさすがにマズイよなあ・・・そんな塾になんて、親としても通わせたくないだろう」と考え、一念発起。
受験日を3カ月後に設定し、平日の空き時間と休日のすべてをTOEIC学習に注ぎ込んだのです。
TOEICスコア伸び悩みの時期を救った人物とは?
そして学習開始から3カ月後にTOEICを初受験。結果は790点でした。
初回でまずまずのスコアを取ることができ、欲が出てきました。
そのまま勉強を続け、半年後となる次の受験では860点を取得。
当時は、TOEICで900点を取ることができれば、これはもう本当にすごいことだ、という時代でした。
気をよくした僕は、今のように毎回受験とはいきませんでしたが(塾は土日に教室を開けなければならないことが多いので)、3カ月~半年に1回くらいのペースで受験を継続したのです。
ところがその後は845点、855点と、いくら勉強しても一向にスコアが上がる気配はなく、横ばい状態に。
「これが自分の限界なのかもしれない・・・」
そう思っていた頃、偶然ネットで見つけた、TOEIC受験力UPトレーナーのヒロ前田先生のイベントに参加したのです。場所は横浜の関内(かんない)。参加者は僕を含めて8名程度、終了後の懇親会には4人が参加。
どうすれば今の状況を打破できるのか。
どのような勉強をすれば900点が取れるのか。
自分が持っている疑問のすべてを初対面である前田先生にぶつけ、アドバイスどおりに学習をした結果、半年後に受験した時のスコアは一気に970点まで跳ね上がりました。
どうしても欲しかった900点どころか、満点にすら手の届きそうなスコアを取ることができたのです。
TOEICを「受ける」から「教える」へ
当時、日々の学習記録をブログに書き続けていたのですが、それを発掘してくださった語学専門の出版社に転職。TOEIC関連書籍を制作する編集者としての仕事を開始しました。
ほどなく990点を取得、「英語公用語化」に着手したファーストリテイリングや楽天銀行で、TOEICを教えるという仕事を頂くようになりました。
「教える」ということに関しては、英語と国語という教科の違いこそありますが、偶然とはいえ今までやってきたことを十二分に発揮することができる幸運に恵まれました。
時期を同じくして、勤めていたところではない出版社から出版のオファーを頂き、TOEIC学習関連書籍の著者としてもデビュー。
デビュー作がまずまずの結果を出すことができたため、本当にありがたいことに、2013年からこれまで、一瞬も切れることなく出版のオファーを頂き続けています。
本気でやってきたことは必ずつながる
講師としてTOEICを教えることに、塾で教えてきた経験が役に立ちました。
著者として本を書くことに、編集者として学んできた経験が役に立ちました。
これらは自分の中では偶然の事象なのですが、一つ言えること。
それは、本気でやってきたことは必ず後につながるということ。そして、何かの糧となるということを、1人でも多くの方にお伝えできれば幸いです。
必ず成功する保証なんて、もちろんどこにもありません。
僕自身、うまくいかずにもどかしい思いをすることの方が、うまくいく場合の何倍も、何十倍も多いです。
それでも僕は、「いつか必ず絶対にかなえたい」ことがあるのなら、信じてやれるだけやる道を選ぶべきだと思うのです。
せっかく「生きている」のですから。
大西泰斗先生に出会い英語学習を始め、TOEICと出合い未来の仕事へとつながりました。
そしてその過程において、多くの素晴らしい方々と知り合うことができました。
人生が変わり、世界が開けました。すべては英語の、TOEICのおかげです。
5年後も今のように、「目の前の人やものを最大限大切に」していたい。
50年後も今のように、「目の前の人やものを最大限大切に」していたい。
先のことなんて誰にもわかりませんが、今を大切にすることだけが、生きがいのある明日を創る。
そう信じて、今日も「今を大切にして」生きていこうと思います。
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トップ画像の写真:山本高裕(編集部)
濱崎 潤之輔
大学・企業研修講師、書籍編集者。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。明海大学や獨協大学、早稲田大学EXT、ファーストリテイリングや楽天銀行、エーザイやSCSK、オタフクソースなどの企業でTOEIC L&Rテスト対策研修講師を務める。TOEIC L&Rテスト990点(満点)を70回以上取得。『
TOEIC L&Rテスト990点攻略』(旺文社)、『改訂版 中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)など、著書・監修書は70万部以上の実績を誇る。「濱崎TOEIC研究所オンラインサロン」主宰。
・濱崎TOEIC研究所オンラインサロン:
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