TOEICで学んだことをキャリアに生かすために大切なマインドセットとは【キャリアにいかすTOEIC】

TOEIC学習では「実際に使える英語力」は身につかないと思っていませんか?連載「キャリアに生かすための TOEIC学習法」では、英語コーチの星名亜紀さんが、使える英語力を身につけるために必要なマインドセットや効果的な学習法を紹介します。

TOEIC学習の目的を明確にしよう

皆さんこんにちは!英語コーチの星名亜紀です。「キャリアにいかすためのTOEIC学習法」最終回の今回は、TOEIC学習をキャリアに生かすために大切なマインドセットについてお伝えします。

まずは、皆さんがなぜTOEICを学習しているのかもう一度考えてみましょう。転職や進学のためにスコアが必要!という方もいるかもしれません。しかし、多くの方はただスコアを取得するだけでなく、その後の目標があるはずです。TOEICスコア取得は学習の指針であることを忘れず、英語を使って将来どのようなことを達成したいのかをいつも心に留めておけると、モチベーションのキープにも繋がるはずです!

英語を話すことは好きでも、苦手意識がある・・・?

皆さんの多くが、キャリアに生かす英語には「スピーキング力」が欠かせないと感じていると思います。

では、皆さんは英語で話すことが好きですか?私は小さい頃から英語環境に恵まれていたわけではなく、中学に入って初めて英語を学びました。ほとんど会話なんてできませんでしたが、それでも私が通っていた学校に交換留学で1年間滞在していたヨーロッパ人の生徒と英語で話すのがとても楽しく、「もっと話せるようになりたい」と思ったのを今でもよく覚えています。

TOEICの運営団体であるIIBCが英語学習中のビジネスパーソン500人に対して行った調査によると、英語を話すことが好きと答えた人は85%いたものの、半数以上が苦手意識があると答えました。

ビジネスパーソン、英語で話すことが「好き」85%、「苦手」52%|プレスリリース一覧|IIBCについて

調査対象が 「英語学習中の」 ビジネスパーソンなので、実際に英語に苦手意識がある人はそれよりずっと多いと思いますが、英語を学習している人であっても苦手意識がある人は多いことが分かります。楽しいのに苦手・・・ 嫌いなわけではないのに苦手・・・。そう答える人が多い状況の背景には、「正しい英語を話すべき」「英語が上手=英語を間違えない人」という思いがあるからではないでしょうか。

英語はコミュニケーションツールの一つでしかない!

私も英語コーチを始めるまで「人前で英語を間違えるのは恥ずかしい」「文法も間違えず、ネイティブのような発音で英語を話せるようになりたい」と考えていました。正しい文法やちゃんと伝わる発音は必要ですし、できる限り習得しようと努めるのは大切なことだと思います。しかし、そこがゴールではなく、その英語力はコミュニケーションを取るためのツールであるということを忘れないようにしましょう。

ぜひこちらのTED Talkを見てみてください。この中で述べられている英語学習において大切なことは、私も共感することばかりです。

「英語を正しく話せる人=英語が上手な人」ではありません。英語はあくまでコミュニケーションツールの一つ。英語を使って自分の考えをしっかりと相手に伝えたり、相手が求めている情報を的確に与えたりすることができたら、それは立派なコミュニケーションなのです。

どれだけ上手に英語を話せているか相手の評価を恐れるのはやめて、コミュニケーションを楽しむ気持ちを忘れずに持ち続けましょう。

相手が関心があるのは英語の流暢さではなく、あなたの意見や想い

私が英検1級のスピーキング対策をしているときに感じたことの一つが、自分の話す英語が上手かどうか、正しいかどうかを気にする前に、自分の知識を増やさなくてはいけないということでした。

英検では環境問題や国際政治に関すること、貧困問題など、さまざまなテーマで自分の意見が求められますが、最初はテーマを与えられても全く話すことができなかったのです。その理由は、お恥ずかしい話ですが、英語力の問題ではなく、自分にそれに関する知識や意見がなかったこと。

スピーキングテストに合格するために私がまず取り組んだことは、YouTubeを見たり本を読んだりして、それぞれのトピックの背景にある知識を増やすことでした。世界では今どのようなことが問題になっているのかをしっかり理解しているからこそ、それに対しての自分の意見を持つことができるようになり、英検2次試験にも合格することができました。

綺麗で正しい英語を話せるようになりたいという思いがあるからこそ、今でも毎日英語学習を続けていますが、同時に私自身の中身を磨き、さまざまな経験を積み、「この人の意見は面白いな」「この人の考えをもっと知りたいな」と思ってもらえるような人間になりたいと思っています。

ネイティブ同士の会話は4%程度。だから間違いを恐れる必要はない

先ほどご紹介したTEDでも出てきたように、世界で話されている英語のうちネイティブ同士の会話は4%程度と言われています。ネイティブスピーカーは非ネイティブの英語に慣れているので、いちいち文法の間違いや発音を気にしたりすることはありません。キャリアで生かせる英語力を身に付けたいと思っている皆さんはぜひ、間違えることを恐れず、TOEIC学習を通して身に付けた知識をどんどんアウトプットする場を作っていきましょう

TOEICスコアを取得するために学んだ知識は決して無駄にはなりません。そのインプットした知識が基礎となり、アウトプットの際のコミュニケーションの幅を広げてくれます。今はTOEICスコアを目標に学習している皆さんも、ぜひ今回お伝えしたマインドセットを大切に、キャリアに生かせる英語力へと結び付けていきましょう!

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星名亜紀
星名亜紀

英語コーチ、TOEIC講師。大学卒業後は全日本空輸株式会社で客室乗務員として勤めたのち、外資系企業にて外国人役員秘書を経験。現在は完全マンツーマンの英語コーチのほか、専門学校のエアライン科や企業研修でTOEIC講師として活動中。また、濱崎潤之輔先生と一緒に「濱崎TOEIC研究所」オンラインサロンを開講中。TOEIC L&Rテスト990点。英検1級。Instagram:@hoshina_aki

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