TOEIC学習では「実際に使える英語力」は身につかないと思っていませんか?連載「キャリアに生かすための TOEIC学習法」では、英語コーチの星名亜紀さんが、使える英語力を身につけるために必要なマインドセットや効果的な学習法を紹介します。
TOEIC学習で「使える英語力」は身につくの?
皆さんこんにちは!英語コーチの星名亜紀です。
大学卒業後は客室乗務員として勤務し、外資系企業での秘書へと転職。現在は複業会社員をしながら、英語コーチやTOEIC講師として活動しています。
さて、今回の連載は、「キャリアに生かすためのTOEIC学習法」というテーマ(全6回)でお届けしていきます!
「結局、TOEICの勉強をしても英語は話せるようにならないんでしょ?」
「TOEICは就職活動や転職活動のためのもので、実際に使える英語は学べないんだよね?」
というようなお声をいただくことが時々あります。確かに、TOEIC学習、特にTOEIC L&Rテストの学習をしただけでは、ペラペラと話せるようにはならないかもしれません。しかし、そのインプットの学習は、将来的に英語を書いたり話したりと自由にアウトプットできるようになるために、非常に重要な最初のステップです。正しいマインドセットと目標設定があれば、TOEICを学習することで身につくことはたくさんあります。
「TOEIC学習を通して、キャリアに活かせる英語力を身につけたい!」という方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
「目標スコアの取得」はゴールじゃない
TOEIC受験を考えている方は皆、「目標のスコアを取得するため」に学習をされていると思います。目標スコアをしっかり設定することは、モチベーションのキープのためにもとても大切です。
しかし、その目標スコアの取得は皆さんの最終ゴールではなく、通過点、もしくは、何かに挑戦するためのスタートラインとなるものです。
TOEICを運営する団体の名前が「国際ビジネスコミュニケーション協会」であるように、TOEICスコアは、ビジネスパーソンが日常生活におけるコミュニケーションに必要な英語力を身につけるための学習の指標とすべきものです。
例えば、私の生徒さんの中には客室乗務員になるためにTOEIC学習をしている方も多くいらっしゃいますが、多くの日系エアラインの募集要項には、「TOEIC600点程度の英語力」という条件が明記されています。
そうすると、ついTOEIC600点を取ることがゴールであるかのように思ってしまいがちですが、本来は、「将来、客室乗務員となったら海外からのお客様にサービスをしたい」「日本の魅力を海外の方にもお伝えしたい」「海外のさまざまな都市にフライトをして現地でのステイの際に観光も楽しみたい」といった想いをかなえることがゴールのはず。
モチベーションキープのため、そしてTOEIC学習をより効果的に英語力アップに繋げるためにも、なんのためにTOEICを学習しようと思ったのか、どんなことを実現したくて学習を始めたのかという想いを常に心に留めて学習に取り組みましょう。
「TOEIC高得点でもしゃべれない」その原因は
「TOEIC高得点者でも、英語を話せない人はたくさんいるよね?」・・・こんなことを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、断言します!もちろん、TOEIC学習を通して「使える英会話力」を身につけることは可能です。
実際に、TOEIC高得点者でありながら英語が話せない方がいるのも事実です。しかし、その方たちに英語力がないかというと、全くそんなことはありません。
TOEIC600点の壁を越えるには、英文法の基礎知識が欠かせませんし、800点?900点を取れる方は、かなりの語彙力や英文読解力をお持ちです。
問題は、そのインプットした知識をアウトプットする練習をしっかりしているかどうか、それだけです。自分が話せる英語は聞けますし、書ける英語は読むことができます。しかし、その逆はその通りではありません。
第一段階として「聞ける&読める」英語力を身つけたら、アウトプットの練習を通して、その知識を「話す&書ける」英語力にしていきましょう。
他のアジア諸国やヨーロッパと違い、日本にいて英語環境に身を置けることはまれです。オンライン英会話を受ける、英語を使うイベントやセミナーに参加してみるなど、ご自身で学んだ知識を発表する場を積極的に作っていきましょう。
実際に使ってみると、「TOEICで学んだことが使えた!」「TOEICでよく出てくるあの表現がちゃんと聞き取れた!」など、ご自身の成長を感じる場面が多々あると思います。そのような「楽しい!」「嬉しい!」の気持ちが、英語学習の継続には欠かせません。
TOEICは「必要に迫られて受けるもの」?
皆さんの中には、「TOEIC=就職・転職活動中の人が受けるテスト」と認識されている方も多いでしょう。もちろんそのような方も多くいらっしゃいますが、私の生徒さんでも、TOEIC学習をする理由はさまざまです。
国際スポーツイベントでのボランティアに挑戦することを目標に、基準点を目指して学習されていた生徒さん。地元の外国語観光ガイドの研修参加要件であるスコアをゲットするために学習をされていた生徒さん。
中には、必要に迫られていなくても、純粋に自身の英語学習の指標としてテストを受けている方も多くいらっしゃいます。楽器関連の会社にお勤めで、「もっと音楽の魅力を自分の言葉で世界に届けたい」と学習中の方。
大学卒業後、20年近く英語から離れてしまったものの、一人でニューヨークを旅するという目標を立て、最終的には2年間で400点近くスコアアップし、実際に夢を叶えた生徒さん。
TOEICは合格か不合格ではなく、5点刻みでご自身の成長を確認できるので、英語学習の指標とするのにとても適した試験だと感じています。
ちなみに、ニューヨーク一人旅を実現した方は、ホテルでcomplimentaryな(無料の)食事があるか聞いてみたり、エレベーターでout of order(故障中)の表示を見つけたり、空港でのアナウンスがまさにPart4で出てきそうな表現だったりと、TOEIC学習で学んだことを旅行中にバッチリ体感しながら楽しんだそうです。
TOEIC学習を通して「使える英語力」を身につけよう
今回は、TOEIC学習を通して「使える英語力」を身につけたり、キャリアに生かしたりするために必要なマインドセットをお伝えしました。
今後は、英会話力をアップさせるためのTOEIC教材を使ったシャドーイング練習法や、TOEICの中に実はたくさん出てくる「使える英語表現」などもご紹介していく予定です。
実際に、TOEICスコアを学習の指標としてうまく活用し、学習を通して使える英語力を習得されている方はたくさんいます。正しいマインドセットと目標設定、そして皆さんの目指す本来のゴールを常に忘れず、TOEIC学習に取り組んでいきましょう。
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