2017年3月に発売する書籍 『英語力はメンタルで決まる』 (アルク刊)からエッセンスをご紹介。第4回は、英語学習で「使えるテキスト」の選び方を、Q&A形式で紹介します。
基準 で選んだら良いでしょうか。本屋でいろいろ見ますが、どれがいいのかわかりません。">Q. 独学で使う英語の学習書は、どういう 基準 で選んだら良いでしょうか。本屋でいろいろ見ますが、どれがいいのかわかりません。
A. 迷った時は著者の指名買い。
学習書選びで困った時に、私が勧めているのは「誰が書いた(著者名)」で選んでみること。著者が同じであれば、単語集、文法書など、ジャンルが違ったとしても、その中身のブレを最小限に抑えられるからです。
また、英語学習の効率性という面では、著者との相性も大切です。ある学習者には分かりやすい解説であっても、他の学習者には分かりにくい解説となってしまうこともあります。ニュース番組のキャスターでも、NHKの武田真一さんを好む人もいれば、宮根誠司さんを好む人もいるのと同じ話です。このような観点からも「誰が書いたか」は英語学習書選びの大切なポイントと言えるでしょう。
Q. たくさん問題集を買っているのに成績が上がりません。
A. 絶対やってはいけないことが、英語学習書の「持ちすぎ」「買いすぎ」です。
参考書や問題集を数多く揃えても成績は上がりません!
「一冊を完璧に仕上げる」、これを大原則に念頭に置いてください。この「完璧」という言葉が意味するのは、「10割」「100%」です。8割や9割の理解度ではいけません。 10割を、完全に理解する のがコツです。
よくあるパターンは、8割程度の理解でこの本はマスターできたと思いこみ、「さあ、次」と別の本に手を付けてしまうものです。これでは、残りの2割は理解されないままとなってしまいます。
同時進行の英語学習書は2冊までにすると良いでしょう。 おすすめは「英語力を伸ばすための学習」で使う本 と「(資格試験などの)対策のための学習」で使う本 です。
「英語力を伸ばすための学習」は、文字通り英語力をつけることが目的ですので、所用時間は気にせず、とにかく英語学習書の細部まで、100%理解していくことに主眼が置かれるべきです。本に記載されている単語や語法などで分からない箇所があれば、その都度しっかり時間をかけて理解度を高めていく必要があります。
「対策のための学習」においては、実際に試験と同じ状況で対策するべきです。例えば、TOEICであれば、リーディングパートの75分という制限時間が、1つのクリアすべき課題となっています。ですので、受験時と同じ状況の75分間でリーディング100問を解き切る練習を行うのです。このときは、英語力を伸ばすための学習とは異なり、分からない箇所があっても気にせず、75分間で100問を解くことを最優先させます。その後、答え合わせをしながら解説を読み(正解の選択肢以外も「なぜそれが不正解か」をポイントに置いてチェック)、理解を深めていきます。
Q. 英語の勉強をしたいけど、何をどうやればいいのか見当がつかず、ハウツー本ばかり読みまくってしまいます。
A. 今すぐ、ハウツー本を読むのをやめ、単語帳を読むなり文法を勉強するなりして、英語の勉強に時間を割いてください。
英語学習に限らず、勉強法の勉強ばかりして、実際の勉強をしていない人が多すぎます。この世に存在しない超画期的な学習法を一生探し続ける人もよく目にします。ハウツー本を読む時間も問題ですが、このようなハウツー本に助けを求める気持ちこそが問題なのです。
ハウツー本にすがりたくなる気持ちは、結局のところ、地道な努力から解放されたい願望が頭の中のどこかにあるから生まれるのです。この願望を断ち切らない限り、英語力は向上しません。今すぐ、ハウツー本を読むのをやめ、単語帳を読むなり文法を勉強するなりして、英語の勉強に時間を割いてください。
まとめ 「使えるテキスト」の選び方
- 迷ったら、英語学習書は著者で選ぶ。
- 100%理解できたら、次の本に進む。
- 英語力を伸ばすための学習書と、試験対策のための学習書、2冊を選ぶ。
- ハウツー本は今すぐ読むのをやめ、実際の勉強に時間を使う。
撮影 協力 : 紀伊國屋書店新宿本店
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西田大(にしだまさる)
1973年生まれ。関西大学文学部英文学科卒業。TOEIC990点(満点)、英検一級、全国通訳案内士。23年間にわたり県立高校教員として勤務した後、通訳、英語講師として独立。通訳としての技量は高く評価され、国際会議や各国の大臣クラスの通訳にもアテンド。英語講師としては、TOEIC・英検等の検定試験から実用英語まで、幅広い分野の英語学習に精通し、その学習法・対策法は注目を集めている。著書に『 「音読」で攻略TOEIC(R)L&Rテストでる文80 』(かんき出版)、『 英語力はメンタルで決まる 』(アルク)、『 TOEIC(R)テストに必要な文法・単語・熟語が同時に身につく本 』(かんき出版)など。
- オンライン英語教室「寺子屋」 https://terakoya-english.com/
- Twitter https://twitter.com/masaru_nishida_
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