『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』 などでおなじみのカリスマ英語講師Mr.Evineが、なぜ英語ができないのか、どこで引っかかっているのか、英語が苦手な大人のために学習のヒントになるコラムをお届けします。TOEICの点数は上がったのに、会議や商談で英語が話せない。そんな悩みを持つ人は少なくありません。第3回では、TOEIC対策と英語力の違いを整理しながら、スコアだけに頼らず、仕事や日常会話で使える英語を身に付けるための考え方を紹介します。
目次
第3回 TOEICスコアってそんなに必要ですか?
皆さん、こんにちは、Evineです。
相変わらず寒い日が続きますが、少しずつ語学の春に向けて準備を進めたいところですね。さて2回にわたって「学びのプロセス」をテーマにお話をしました。
「英語の勉強」=「英会話を習う」という単純な進め方ではなく、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能を習得するためには、まず「英文法」「語彙」「発音」が土台作りに必要不可欠! ということをお伝えしました。
今回は安定して人気がある英語試験、TOEICについて書いてみましょう。
最近よく見かける「1週間で200点アップ」とは
英会話スクールの「1週間の受講でTOEICスコアが200点上がる!」といったような案内をよく見かけます。いい時代になったもので最近は点数保証もしてくれるスクールさんもあり驚いています。
私の教室でもTOEIC対策コースは開講しており、700点突破を目指すといった目安も設けています。設けておいてこんなことを言うのも何なんですが、実際この設定したスコアを目指すことにどういう価値というか効果があるんでしょうか。
最近でも、うちの講師が生徒さんから相談を受けているのを耳にしました。
「(このチラシによると)たったの1週間で200点上がるらしいですが、受講した方がいいですかね? 本当にこれって上がるんですかね?」
200点スコアを上乗せして、生徒さんの今後にどうプラスになるのか、また1週間で200点ものスコアUPが実現してしまうことの意味・・・。
もちろん、単純に合否だけの試験ではなく、10点~990点というスケールで達成度が分かりやすい結果で確認できるテストの方がモチベーションも維持しやすいです。ただ、「〇〇点を目指す!」とスコアに焦点がある場合が多く、ここにどうしても違和感を感じています。
小手先のテクニックを覚えても英語力アップにはならない
200点UPといっても、その200点分の中身は何?200点で何がどうできるようになったの?と尋ねてもパッとは返答できないですよね。数字は具体的なのに実際中身は曖昧なところが怖いですね。
私のスクールの話に戻りますが、TOEIC対策コースという名前はあっても実際には英語力を上げることに念頭を置いています。
「空所の前後にはこれがあるから空所の品詞は名詞しか来れない」「選択肢は先に読んでおこう」といったいわゆるスコアUPテクニックはうちのスクールではやりません。TOEICスコアは結果的についてくるオマケみたいなもので、実際に欲しいのは英語力だからです。英語力を生徒さんに上げていただくには小手先のテクニックは邪魔になるだけです。
実際に、私が担当するリスニングのレッスンであれば問題用紙の先読みは邪道でNGとしています。「TOEIC受験だから割り切っていかにスコアUPを効率よくしていくのかに注力する」という考えも否定しませんし、理解もしていますが、私は純粋に生徒さん自身の英語力で勝負してもらいたいと考えています。 ただし試験慣れもスコアに大きく影響しますので、その意味で模擬練習はうちのスクールでも実施しています。
TOEIC800でも自社商品の説明を英語でできない部下
以前、大手商社で人事も担当する生徒さんから聞いた話です。TOEIC800点を超える新卒が自分の部下に就き期待していたそうなのですが、海外出張先の出展ブースで商談相手に自社商品の説明が英語でうまくできなかったそうです。TOEIC800あるから大丈夫と期待していた分、スコアに裏切られてしまい、スコアと実際に使える英語力は必ずしもイコールではないことを実感したとのことでした。
実は昔、コテコテの小手先テクニック伝授コースをやっていた時期もあります。しかし実際に教室を運営する中で、リアルな生徒さんの現状を知ると意外にもTOEICスコアUPが英語学習の目的という人は少ないということに気が付きました。
もちろん30代~50代の生徒さんが英語学習をする理由として、TOEICが昇給・昇進に関わってくるから・・・という人も中にはいますが、どちらかというと実務で必要に迫られてというケースが多いです。
つまり、社会人が英語を学ぶ目的は高いTOEICスコアを取得することではなく、仕事で使える英語を身につけたいというひっ迫した思いの人の方が多く、TOEICで高いスコアを取るための勉強をしたいのではなく、話せるようになるための学習を求めています。
今まで参加していた会議に急に外国人が入ってきて、会議(電話会議も含む)の使用言語が英語になったため自分は参加できなくなった、海外のイベントに出展するが商品説明が英語でできない、など。
その結果、仕事の経験は豊富なのに語学力がないため英語ができる部下の新人に頼らざるを得ないのがなんだか情けなくていやになる、そのため少しでも状況を改善するために英語を学習したいなど、スコアの意識よりも、実際に自分が仕事で困らないか、そこに意識がこの数年でシフトしているようです。
TOEICテストは英語力を知るためのツール
TOEICは、結果的にスコアが上がっていたのが自然であり、何点UPさせたいから○○しよう、では実際に使える英語力に直結するかというと△です。TOEICはまさに自分の現状(リアルな会話力が測れるかというと試験の性質から厳しいものがありますが)を客観的に知るためのツールですから、英語がある程度できてから数字で自分の実力を知りたくなったら受ければよいと私の生徒さんにはよく話しています。
周囲の学習者を見ていると、あまりにTOEICに傾倒した学習法ばかりに気を取られ、結果的にスコアにはある程度反映されるんですが、そのスコアによって手にした職で肝心の英語力が不足していたというのはよくある話です。TOEICはあくまでも試験です。それよりももっと楽しい生の英語学習に目を向けて、モチベーションの維持や自分の立ち位置を知るためにある意味「試しに」TOEICを受けてみるというスタンスでもOKなんじゃないでしょうか。
それでは今日のコラムはここまでにしましょう。次回も よろしく お願いします。
See you next time!
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