「TOEICのためだけの学習」にならないために意識すべきこと【キャリアにいかすTOEIC】

TOEIC学習では「実際に使える英語力」は身につかないと思っていませんか?連載「キャリアに生かすためのTOEIC学習法」では、英語コーチの星名亜紀さんが、使える英語力を身につけるために必要なマインドセットや効果的な学習法を紹介します。

「TOEICのためだけの学習」にならないために

皆さんこんにちは!英語コーチの星名亜紀です。

連載「キャリアに生かすためのTOEIC学習法」第2回の今回は、TOEICのためだけの学習にならないために意識すべきことについてお伝えしていきしたいと思います。

TOEICのスコアアップはもちろんですが、最終には「使える英語力」を身につけたい皆さんにとって、少しでも参考になれば嬉しいです!

まずはインプットから

単語を覚えたり文法の学習をしたり、知識をインプットすることは非常に大切で、話せるようになるために欠かせないプロセスです。

これまでに「日本人が話せないのはインプットばかりしてアウトプットの練習をしないからだ」というのを聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、アウトプットはもちろん、インプットも足りていない方が実はとても多いのです。

十分な語彙や文法知識のインプットがなければ、いざ会話をするときに頭の中から知識を引き出そうと思っても、引き出すものがありません。言い換えると、インプットをせずにアウトプットばかり練習した場合、既にある知識は瞬時に取り出せるようになれても、新しい表現や状況に応じたワードを取り出すことはできないのです。

ビジネスパーソンとして、ビジネスシーンでも使えるような洗練された英語力を身につけるためには、まずは頭の中にある語彙力や文法知識などを増やすことが欠かせません。

TOEICのスコアアップのために単語を覚えたり、学生の時の参考書を使って英文法の基礎の学び直したりする中で、本当にこの勉強法で使える英語が身につくのだろうかと疑問を持つこともあるかもしれません。

しかし、それらの学習は、最短ルートでTOEIC目標スコアを達成するためにも、使える英語力を身につける基盤作りとしても、とても大切なのです。

発音の練習も取り入れよう

TOEIC学習を通して使える英語力を身につけるためには、毎日の学習に発音の練習も取り入れましょう

TOEICにはL&Rだけでなく、S&Wのテストもあります。2021年の総受験者数を見てみると、TOEIC L&Rテストは約212万人なのに対し、S&Wは約3万5千人((2021年度TOEIC Program総受験者数は約230万人|プレスリリース一覧|IIBCについて|IIBC

))。スピーキングやライティングに力を入れている学習者はまだまだ少ないのが現状です。4技能を伸ばすにはTOEIC L&Rと合わせてS&Wの学習もするのが理想ですが、S&Wのテスト対策までやる余裕がない方も多いでしょう。

L&Rのために学習をしていると、発音の練習をする必要性をあまり感じないかもしれませんが、「使える英語力」につなげるためには、TOEIC学習に発音の練習を取り入れることが非常に大切です。

それでは、どのように発音練習を毎日の学習に取り入れるべきかご紹介していきます。

単語を覚えるときは音声も確認

単語学習の際は、正しい発音で覚えることが重要です。

ほとんどの英単語帳には音声アプリがついていますので、その音を聞いて、正しい発音で聞いた時にそのワードをしっかり認識できるようにしましょう。正しい発音で英単語を覚えることは、リスニング力アップにはもちろん、スピーキング力アップにも直結します。

余裕のある時には、中学や高校で出てくるような簡単なワードこそ、発音記号を改めて調べ、正しい発音を確認しましょう。また、最近ではさまざまなフォニックス((英語圏の子どもたちのために開発された音声学習法))の動画がありますので、YouTubeでお気に入りのフォニックス練習動画を探してみるのもおすすめです。

おすすめのフォニックス動画

あいうえおフォニックス

大人のフォニックス

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TOEIC教材を使ったシャドーイング練習

TOEICのスコアを上げるため、かつ使える英語力を身につけるために非常に効果的なのが、シャドーイング練習です。シャドーイングとは、英文を聞いて0.5秒くらい後からシャドー(影)のように発音していく学習法です。

ナレーターの音声をよく聞き、同じような発音とリズム、イントネーションで発音していきます。一語ずつの発音だけではなく、複数の語の音と音がどのようにつながって(リンキングされて)いるかもよく聞いて、同じように発音してみることがポイントです。

TOEICの教材を使うのであれば、Part 3またはPart 4の英会話やトークを使って練習してみるといいでしょう。

シャドーイングは机に向かわなくても、通勤・通学中や家事をしながらスキマ時間を活用して取り組めるので、「忙しくてこれ以上英語学習時間の捻出が難しい!」という方にもおすすめです。シャドーイングの成果は数日?数週間ではなかなか見えませんが、3ヶ月?半年たった頃、大きな変化を感じるはずです。

シャドーイングのやり方や効果については次回以降により詳しく、具体的な学習法をご紹介したいと思います。

上級者はオンライン英会話でアウトプットを

今回、記事の最初で「インプットの大切さ」をお伝えしましたが、インプットがある程度できたら(特にTOEIC700?800点を取れるような上級者の方は)、積極的にアウトプットの場も作っていきましょう。

アウトプットの場としておすすめなのが、オンライン英会話です。

ここからは、より効果的にオンライン英会を活用するためのポイントをお伝えしていきたいと思います。

事前準備を必ずしよう

オンライン英会話を効果的に使うには、事前準備が欠かせません。オンライン英会話をしている方から、「伸びている気がしない」「いつも自己紹介や趣味の話だけで30分間が終わってしまう」というお悩みをよくいただくのですが、そのような方は、使いたい表現や語彙を書き出す、「今日はこんなテーマで話そう」と決めておくなど、事前の準備を行ってからレッスンを受けてみましょう。

会話の主導権はあくまで自分に

もう一つ心がけたいことは、会話の主導権は自分が握るということです。できれば、7:3くらいの割合で、ご自身が多めにお話しできるのが理想です。先生によっては、非常におしゃべり好きで、話し始めると止まらない!という方もいます。

しかし、皆さんはリスニングのためではなくスピーキングのためにレッスンを受けているはずです。途中で”By the way,”と話題を変えても全く問題はありませんので、話す時間は自分で確保するように心がけましょう。

自分の話したい内容をレッスン中にうまく伝える自信がないという方は、事前に「今日はこんな内容について話したいです」「今日はこれらのワードを使って英会話をしたいと思います」など、メッセージを送っておくとよいでしょう。

TOEIC学習を「使える」英語力に

回は、TOEIC学習がスコアアップのためだけにならないように意識すべきことをお伝えしました。

語彙や文法知識のインプットは、TOEICのスコアアップだけではなく、英会話力の基盤をつくるためにも非常に大切です。インプットを十分に行い、発音練習やオンライン英会話にも取り組んでいきましょう。

TOEIC学習を通して、スコアアップはもちろん、しっかりとビジネスシーンでも通用するような、「使える英語」を身につけていけるといいですね!

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星名亜紀
星名亜紀

英語コーチ、TOEIC講師。大学卒業後は全日本空輸株式会社で客室乗務員として勤めたのち、外資系企業にて外国人役員秘書を経験。現在は完全マンツーマンの英語コーチのほか、専門学校のエアライン科や企業研修でTOEIC講師として活動中。また、濱崎潤之輔先生と一緒に「濱崎TOEIC研究所」オンラインサロンを開講中。TOEIC L&Rテスト990点。英検1級。 Instagram: @hoshina_aki

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