英語学習にぴったり!おすすめミュージカル映画3選と歌い方解説

英語学習にぴったり!おすすめミュージカル映画3選と歌い方解説

日本人向け英語発音矯正塾の代表である明場由美子さんが、英語学習におすすめの「ミュージカル映画」を紹介します!歌い方のこつも解説。登場人物になりきって、気持ちよく歌い上げましょう♪

ミュージカル映画は魔法のような学習法

こんにちは。イングリッシュブートキャンプ代表のYumiこと明場由美子です。

発音矯正を中心に、25年以上にわたり英語教育に携わってきました。読者の中には、私のYouTubeチャンネル「Yumi’s English Boot Camp」をご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。日本人英語学習者に向けて、発音や学習のヒントを発信しています。見たことがないという方は、ぜひ一度ご覧いただけるとうれしいです。

さて今回は、「英語学習にぴったりなおすすめミュージカル映画3選」をテーマに、英語発音のポイントを紹介していきます。

洋楽は最高の英語学習素材です。メロディーに乗って歌うことで、発音だけでなく英語特有のリズムや抑揚も同時に身に付けることができるからです。楽しみながら歌っているうちに自然とリスニング力が上がる、魔法のような学習法です。

ぜひ、歌を通じて英語の魅力や楽しさを感じていただければと思います。

デュエットするのもすてき!『アラジン』の“A Whole New World”

おすすめのミュージカル映画1本目は、ディズニー映画『アラジン』(原題:Aladdin)です。

イスラム説話集『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』の中で最も有名なお話の1つである『アラジンと魔法のランプ』を、ディズニーが映画化したものです。

1992年にアニメーション版が、2019年にはその実写リメイク版が公開され、どちらも大ヒットを記録しました。

テーマ曲となった“A Whole New World”は、アラジンとジャスミン姫が魔法のじゅうたんに乗って空を飛ぶシーンで流れます。

この曲は第65回アカデミー賞歌曲賞、同年ゴールデングローブ賞主題歌賞を受賞し、映画音楽部門の2冠を達成しています。デュエット曲なので、カップルで歌えば盛り上がること間違いなしです。

ちなみに、Jasmineの発音は[ʤæzmən]で、「ジャスミン」ではなく「ジャズメン」に近いです。

深い悲しみと美しい旋律『レ・ミゼラブル』の“I Dreamed A Dream”

2本目は、『レ・ミゼラブル』(原題:Les Misérables)です。

フランス文学の大家ヴィクトル・ユーゴーの小説が原作のブロードウェイミュージカルとして有名ですが、2012年に映画化されました。

1本のパンを盗んだことで長年投獄されたジャン・バルジャンの生涯を描いた大河ドラマで、映画版ではヒュー・ジャックマンがジャン・バルジャンを演じています。

また、ジャン・バルジャンを追うジャベール役にラッセル・クロウ、主要女性キャラであるファンテーヌ役にアン・ハサウェイ、コゼット役にアマンダ・サイフリッド、エポニーヌ役にイギリス人歌手のサマンサ・バークスと、そうそうたるキャスティングでも話題になりました。

『レ・ミゼラブル』は、まるでオペラのように歌で場面をつないでいく作品です。名曲ぞろいですが、中でもおすすめは“I Dreamed A Dream”です。「夢やぶれて」という邦題のとおり、ファンテーヌの絶望を歌ったものです。

生きていくために娼婦に身を落としてしまった1人の女性の悲しみと人生への絶望感が、美しい旋律となって心に響きます。

映画版ではアン・ハサウェイの歌唱シーンが話題となりましたが、イギリスの公開オーディション番組“Britain’s Got Talent”でスーザン・ボイルが歌った印象が強く残っている方もいるのではないでしょうか。

この曲はさまざまなスターが歌っているので、お気に入りの歌手を見つけてまねするといいでしょう。

力強い歌声が感動的!『グレイテスト・ショーマン』の“This Is Me”

最後3本目は、同じくヒュー・ジャックマンが主演の『グレイテスト・ショーマン』(原題:The Greatest Showman)です。

19世紀に実在した興行師、P・T・バーナムの生涯を描いた伝記映画で、いわゆる見世物小屋(Freak show)で全国を巡業してまわったバーナムのサクセスストーリーです。

小人症の男性や結合双生児、ひげの生えた女性など、特異な身体的特徴のために人目を避けて生きていた人たちが、自分たちも愛される権利がある、日向(ひなた)を堂々と歩いていいのだと勇気を持って前に出ていくシーンが非常に感動的です。

そのときに皆で歌うのが“This Is Me”です。顔中をひげで覆われた女性、レティ・ルッツ役を演じた歌手のキアラ・セトルによる歌唱が圧巻です。

抑えたトーンから始まってだんだんと盛り上がっていき、サビのコーラス部分では団員たち全員で踊りながら歌います。この“This Is Me”の歌詞を具体的に見ていきましょう。

When the sharpest words wanna cut me down

I’m gonna send a flood, gonna drown them out

I am brave, I am bruised

I am who I’m meant to be, this is me

作詞・作曲:Benj Pasek、Justin Paul 発売元:Atlantic Records

「鋭い言葉が私を切り裂こうとも、洪水を起こして溺れさせてやる。私は勇敢、私は傷だらけ。これが私のあるべき姿。これが私」という、決意に満ちた力強い歌詞です。

ここで注目したいのが、wanna, gonnaという音のリダクション(省略・脱落)です。

英語は話し言葉になると音がリエゾン(連結)したり脱落したりします。want toがwannaに、going toがgonnaになるというのを覚えておきましょう。

特に歌詞の中に出てくる場合は、かなりの確率でこのリダクション形が出てきます。これに慣れていないと、歌ったときに字余りになってしまうので要注意です。

また、英語はシラブルの言語です。シラブルとは音節のことですが、1シラブルが1音、つまり1つの音符に1つのシラブルが乗ります。

出だしの“When the”は「タタ」と音符が2つです。この部分の音符は軽く速く、続く“sharpest words”で「タンタタン」と強く長い音符がきます。

   タ  タ   タン  タ   タン
When the sharpest words
   ウェナ シャーペスウォーヅ

このように、出だしのところに「タン」と長い拍子が乗らないのが、英語の特徴です。日本語は必ず出だしから「タンタン」と拍子が乗りますが、英語はそうとは限らないのです。

洋楽を歌おうとしたときになかなかリズムが取れなかったり、字余りになってしまったりするのは、これが原因です。

次の“I’m gonna send a flood”も同じく、“I’m gonna”のところは軽く速い音符です。特にI’mは「アイム」と発音すると遅れてしまいます。「アム」とつぶやくように早く歌いましょう。いっそ省略してしまっても構いません。

send a flood”のところで「タンタタン」とリズムを乗せましょう。

          タタ  タンタ  タン
(I’m) gonna send a flood
(アム) ガナ センダフラ~ッ

どうですか?うまくリズムが取れそうですか?

リズムが取りにくい場合はまず、「タタタンタタン~」と歌詞ではなくリズムだけ声に出して練習するといいですよ。英語はリズム言語なので、リズムが取れるようになると、リスニングもスピーキングも飛躍的に伸びます

さて、次の“drown them out”の部分ですが、ここはthemのthが脱落しています。会話では、定冠詞のtheや、they/their/themなどのthの脱落が頻繁に起こります。

全部リエゾンするため“drown‿  em‿  out”となり、「ドラウネマ~ウ」という感じになります。

“I am brave, I am bruised”のところは、それぞれの単語に1つずつ音符が乗るので、「タンタンタン タンタンタン」と均等なリズムが続きます。

また、“I am who I’m meant to be”も同様に1音符1単語、決めの“This is me”の部分も「タンタンタン」と3音なので比較的歌いやすいと思います。

“The Greatest Showman”には、“This Is Me”以外にも名曲がたくさんあります。バーナムへの叶わぬ恋心を切々と歌い上げるスウェーデンの歌姫、ジェニーによる“Never Enough”もおすすめです。

All the shine of a thousand spotlights

All the stars we steal from the night sky

Will never be enough

Never be enough

作詞・作曲:Benj Pasek、Justin Paul 発売元:Atlantic Records

「幾千ものスポットライトや輝く夜空の星さえも、(私にとってあなたがいなければ)なんの意味もないの」というロマンティックな歌詞です。

妻子がいるバーナムを好きになったけれど、興行師であるバーナムは彼女の歌声を欲しているだけで、自身が成功するためのタレントの1人としてしか見ていないという、なかなか切ないシーンです。

この歌はスローバラードで、頭から「タンタンタン」と拍子が乗るため、“This Is Me”より歌いやすいと思います。

ミュージカル映画は英語学習に特におすすめ!

ミュージカルの歌は、一般的なポップスやロックと比べるとはっきりと発音されるため、英語学習に非常に向いています。歌詞の内容がストーリーと関連しているので、頭に入ってきやすいというのもあります。

好きな映画音楽があれば、歌詞を見ながら口ずさんでみましょう。有名なミュージカル曲はカラオケにも入っています。

私はよく「1人カラオケ」をするのですが、これがとてもおすすめなのです。誰に気兼ねすることもなく、同じ曲を好きなだけ何度でも歌えるので英語の練習になります。

よほどの豪邸か防音対策されたお部屋でもない限り、家で思いっきりおなかから声を出して歌うことはできませんが、カラオケボックスであれば可能です。うまく歌えたときのカタルシスは癖になりますよ。

特に“This Is Me”は歌い切るとスカッとすること間違いなしです。ぜひ挑戦してみてください。

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明場由美子

明場由美子英語コンサルタント、著者、YouTuber。 2010年より日本人のための英語発音矯正塾イングリッシュブートキャンプを主宰。 YouTubeチャンネルは登録数13万6千人超(2021年1月現在)。 著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』(実務教育出版)がある。
Yumi's English Boot Camp:http://englishbootcamp.jp/