TOEICで役立つ!英文を「速く」「楽に」「正しく」読む方法

英文を速く、楽に、正しく読むための鍵、スラッシュリーディング!TOEIC対策の講師で、『TOEIC(R)L&Rテスト Part 7を全部読んでスコアを稼ぐ本』の著者である岩重理香先生が、前回に引き続きお話ししてくれます。今回は実践編!スラッシュの入れ方や練習方法などをご紹介。TOEICに役立つこと間違いなしです!

スラッシュリーディングを実践してみましょう

前回はスラッシュリーディングで英文を「速く」「楽に」「正しく」読めるようになりますというお話をしました。今回は実践編として、スラッシュの入れ方練習の方法をご紹介します。

どこにスラッシュを入れればよいの?

スラッシュリーディングに取り組もうとするときに、最初に悩むのはスラッシュをどこに入れればよいのかですね。スラッシュは前から英文を読むための区切りなので、意味の固まりごとに入れていきます。では、その意味の固まりとはどこでしょう。

基本的な目安は次のとおりです。

  1. 主語と動詞の間
  2. 目的語や補語の前後
  3. 接続詞や関係詞の前
  4. to不定詞の前
  5. 副詞句を導く前置詞の前
  6. カンマの後ろ



スラッシュが2本続いているのは文の終わりを示しています。スラッシュを入れる位置はあくまで目安なので、実際には英文や読解力によって違ってきます。

基本の目安どおりにスラッシュを入れた例文を一緒に見ていきましょう。次のようになります。

The board of Uri-bow City library / announced / that monthly book discussion leading by librarians / will be held / at the Main library / next year / in order / to increase / the number of visitors.//

このままだとスラッシュの間隔が狭過ぎるところと、逆に広いところがありますね。

主語(The board of Uri-bow City library)が長く思えるかもしれませんが組織名なので、動詞(announced)との間のスラッシュを外しても大丈夫そうです。that節の主語(monthly book discussion leading by librarians)も長いですね。leadingの前にスラッシュを入れて区切ると後ろから戻らないで読めそうです。助動詞と受動態のbe動詞、動詞の過去分詞 will be heldはひとつの固まりにすると意味が取りやすいです。

次に、to不定詞の前で区切っているためin order / to increaseとなっていますが、これはin order to ~(~するために)のイディオムに合わせて区切った方が読みやすいです。

スラッシュの位置を変えたものがこちらです。

The board of Uri-bow City library announced / that monthly book discussion / leading by librarians / will be held / at the Main library / next year / in order to / increase / the number of visitors.//

スラッシュとスラッシュの間ごとに意味を理解していくと、

Uri-bow 市図書館委員会は[次のことを]発表しました/月例のbook discussionが/司書たちが主導して/開かれます/Main libraryで/来年/[次のことを]するために /増やすことを/来館者数を。//

となります。

スラッシュの間で大きく後ろから戻って日本語にしたくなる場合は、スラッシュを入れる間隔が広すぎです。一方で、スラッシュを細かく入れ過ぎてしまうと固まりと固まりのつながりがわかりにくくなります。適切な区切り具合は練習をしながら身に付けていきましょう。

to不定詞、接続詞、関係詞の後ろを先に訳したくなります。どうすればいいですか?

先ほどの例文にも接続詞とto不定詞が登場しています。私の指導経験でも、スラッシュを入れても、「委員会は~を発表しました」や「来館者を増やすために」と日本語として自然な形に整えたくなる方は少なくありません。

その場合は、まず意識を変えましょうとお伝えしています。その英文は誰のために読んでいますか。自分が内容を理解するためですね。内容の理解が優先ならば、日本語としての自然さにこだわる必要はありませんね。どうしても言葉のつながりがなじまないのであれば、訳例に入れたような「次のことを」などを挿入してみるとスムーズになります。

関係詞の場合はどうでしょうか?

Uri-bow is looking forward to / attending / the upcoming conference / in which / fun and informative lectures / on robot pets / will be given. //

Uri-bowは楽しみにしています/出席するのを /今度のカンファレンスに /カンファレンスでは/ 楽しく有意義なレクチャーが/ペットロボットについての/講演されます。//

先行詞を繰り返して言葉にすれば、つながりがスムーズになる上に、関係詞が指し示すものが明確になるので、内容の理解の正確さも上がります。

前回お話ししたように、英語の語順に沿って理解していくと、関係詞節は「Uri-bowが楽しみにしているカンファレンスの内容は何だろう」への説明にあたります。

自分が理解するために読む、日本語の自然さにはこだわらないという点から、book discussionやthe Main libraryのようなすぐに定訳が思いつかない表現や、conferenceやlectureのようにそのままカタカナ語で読んでいっても内容の理解の妨げならない表現は、訳を考えて止まらずに、英単語やカタカナのままで読み進めてしまいましょう。例えばbook discussion(読書会)は「本に関係するイベント」と理解できれば十分です。重要な単語であれば、英文を読み進めていくと具体的な説明が出てくることが多いです。

練習に必要なものは何ですか?どうすればいいでしょうか?

英文と筆記用具(と辞書)があれば、特別な道具は必要ありません。英文は手持ちのテキストやネットで見つけた興味のある記事でも大丈夫です。とはいえ、スラッシュの入れ方や前から意味を理解していくことに集中するには、知らない単語が少なく、文が短めでシンプルなやさしいものから始めるのがいいでしょう。また、自分の理解が間違っていなかったかが気になる人は対訳があると安心ですね。

目標は、読み始めたら文頭から文末のピリオドまで一直線に読み進めて一度で内容を理解することですが、第一段階では文の構造を確かめながら基本のスラッシュの位置を見つけて、スラッシュを入れてから、スラッシュとスラッシュの間を理解していきましょう。スラッシュを入れる作業をしながら、意味のわからない単語は辞書などで調べて、単語の下に訳を書いておくと、内容を理解していくときにスムーズになります。小さな意味の固まりごとになっている日本語は黙読するよりも、声に出して読んだ方がわかりやすい傾向があります(同時通訳風になります)。また、意味の固まり同士の関係をわかりやすくするには、主語ならば「~は」・「~が」、目的語ならば「~を」などの助詞を付けることがポイントです。

目に見えるスラッシュを入れなくても、スラッシュがあるときと同じように読めるようになることを目標に多くの英文を読んで経験値をあげましょう。

おすすめの練習方法

私が実際にしていた、そして、今でも行っている練習方法をご紹介します。

『ENGLISH JOURNAL』のように、英文と語注・対訳が近くに書かれている素材があると便利です。自分のレベルに合ったもの(すこしやさしいと感じるもの)が適しています。鉛筆も何も持たずに、ゆっくりと英文を音読していきます。音読をしているので、後ろから戻ることはできません。意味の固まりごとに少し間をとって音読し、並行して内容を理解していきます。知らない単語は語注を参考にします。文ごとあるいは段落ごとに自分の理解が合っていたかどうかを対訳で確認します。この練習を繰り返し、意味の固まりごとに取る間を縮め、音読の速度も上げていきます。最終的には黙読でも音読と同じ目の動き(文頭からピリオドまで一直線)で、戻らずに内容を理解することを目指します。

この音読と組み合わせる練習は、対訳がなくても、すでに読んだことがあって、知らない単語がほとんど出てこない英文でも行えます。何度か解いたTOEICの問題集や参考書の英文を利用すれば、頻出語や表現の復習も兼ねることができ一石二鳥です。難しく感じる場合は英文の難易度を下げてみましょう。読みやすい素材や話の続きが読みたくなるような楽しい素材を使って一直線に読み進む感覚を味わってください。

英文が速く読める人やネイティブの人たちは、見えないスラッシュの間隔が広い人たちです。まずは実際にスラッシュを細かく書き入れ、英語の語順に沿って内容を理解するところからスタートしてみてください。今回紹介したトレーニングを重ねてスラッシュを入れる間隔を広げ、目に見えるスラッシュがなくても読むコツをつかんでいきましょう

スラッシュリーディングのトレーニングにおすすめの一冊

冒頭でもご紹介した『TOEIC(R)L&Rテスト Part 7を全部読んでスコアを稼ぐ本』は、今回ご紹介したトレーニングを行うのにピッタリの一冊です!

付属の赤いシートを使うと、英文に入っているスラッシュを見えなくすることができるので、スラッシュを入れる目安を身に付けた後、自分の感覚で区切りながら読むことができます。また、スラッシュで区切られた日本語訳が付いているので、意味の固まりごとの日本語の意味が確認できます。

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協力:アルク広報部

岩重理香

岩重理香(いわしげ りか)大学、企業でTOEIC対策を指導する講師。TOEIC講師歴は15年にわたり、これまで800人以上のスコアアップ(最高250点アップ)に貢献してきた。茨城キリスト教大学大学院で英語学を学ぶ。
共著に『TOEIC® テスト基本例文700選)』(アルク)、TOEIC® TEST鉄板シーン攻略シリーズ『読解 (Part 7)』、『全パート集中!』(ジャパンタイムズ)、執筆協力に『TOEIC®L&Rテスト「直前」模試3回分』『TOEIC®テスト リーディングだけ300問』(共にアルク)など。ほかに、通信教育、インターネット教材なども手掛ける。