TOEICスコアアップを目指す方必見!スラッシュリーディングのすすめ

2020.10.30.slashreading01

TOEIC対策や英語学習者向け情報で「スラッシュリーディング」がよく紹介されています。ですが、スラッシュを入れると何がいいのだろうと疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。TOEIC対策の講師で、『TOEIC(R)L&Rテスト Part 7を全部読んでスコアを稼ぐ本』の著者である岩重理香先生が、2回にわたって、スラッシュリーディングをもっと知って、そして実践できるお話をしてくださいます。初回はスラッシュリーディングの効能に迫ります。

スラッシュリーディングにはどんないいことがあるの?

英文の長文を読むときにできたらいいと思うこと

テストや教科書で、あるいは日常の業務などで英語の長文を目にしたとき、どんなことを思うでしょう。

「たくさんあるけど時間内に読み終わるかな」

「もっと楽に読めれば業務もはかどるのに」

「内容がなんとなくわかったからと問題に取り組んでみると、全然正解できてない」

英文が速く、楽に、正しく読めたら・・・。

スラッシュリーディングなら英文を「速く」「楽に」「正しく」読めます。どうしてスラッシュを入れると速く、楽に、正しく読めるのかをこれから説明しましょう。

スラッシュリーディングで「速く」読める

次の英文をどんなふうに解釈しますか。口頭で述べてみるか、文字に書き起こしてみてください。

We ask that you log in to our Web site at your earliest convenience in order to take full advantage of our services.

英単語とフレーズに番号を付けてみます。

最初に日本語に直したのは何番の英単語ですか。②のaskは何番目に意味を取りましたか。

こんな感じに訳した人が多いのではないでしょうか。

私どものサービスをすべて受けて頂いただくために、私どもの団体のウェブサイトにできるだけ早くログインしていただくようお願いします。

英語の語順だと⑨→⑧→⑦→⑤→⑥→④→①&②でしょうか。

このような順番で意味を解釈しているということは、目は英文の上を行ったり来たりしているということになりますね。

英語では主語のすぐ後に続いている述語動詞のaskを最後に訳すのは、日本語の語順に合わせた「訳し読み」をしているからです。日本語として自然な語順にしようとして言葉を入れ替えるために、見直しを繰り返すことになります。時間がかかるのは当然ですね。

では、英文に意味の固まりごとにスラッシュを入れてみます。

We ask / that you log in / to our Web site / at your earliest convenience / in order to / take / full advantage / of our services. //

今度は、これをスラッシュからスラッシュの間を日本語にしながら読み進めてみましょう。

私たちは頼みます /[次のことを]あなたがログインするのを /私たちのウェブサイトに / あなたにとって最も早い都合の良い時に / [次のことを]するために /取ることを /すべての利益を/私たちのサービスの。//

ほとんど英語の語順と同じになりました。日本語としては不自然なところはありますが、内容は理解できますね。文字で見ると不自然でも声に出してみると意外にすんなり理解できるのはないでしょうか。

テレビなどで聞く機会がある同時通訳が話す日本語に似ていませんか?話し手が話した内容をすぐに聞き手に受け渡すために、このようにある程度の固まりごとに元の言語の語順に近いままで訳されます。少しぶつ切りのように感じられることもありますが、内容を理解するのにひどく困ることはないでしょう。そもそも、ネイティブはこの語順で理解しているので、最も合理的な読み方と言えます。

つまりスラッシュを入れて、スラッシュとスラッシュの間を前から日本語に変換していくスラッシュリーディングは即時性に優れている「速く」読めるという利点があるのです。

スラッシュリーディングで「楽に」読める

英語の語順は日本語と逆だから分かりにくいと思うかもしれませんが、実は英語の語順は慣れてしまえば合理的だと気が付きます。

短い簡単な文で体験してみましょう。

Uri-bow is reading /
Uri-bowは読んでいる/

何を?と思いますよね。先を読みたくなりますね。

Uri-bow is reading / a magazine /
Uri-bowは読んでいる/雑誌を/

これで終わってもいいですが、この絵に背景が欲しくなりませんか。場所の情報が続きに書かれているといいですね。

Uri-bow is reading / a magazine / in the library. //
Uri-bowは読んでいる/雑誌を/図書館で。//

このように英語の語順に沿って状況をイメージしながら読むと、次に来る情報の予測ができてスムーズに理解できます。

スラッシュリーディングで英語の語順に沿って英文を理解することに慣れていけば、より楽に英文を読めるようになります。

スラッシュリーディングで「正しく」読める

 次の英文と訳文を見てください。

【例1】
As you may be aware, new members may attend conferences for free for the first six months after joining our community.

ご承知かもしれませんが、団体に参加した後の最初の6ヶ月間で新しい仲間が会議に参加するかもしれない

【例2】

The marketing research teams usually present the detailed customer satisfaction surveys at the annual conference.

年次総会では市場調査チームがいつも現在顧客満足度を詳しく調査します。

これはどちらも誤訳(誤読)です。どうしてこうなってしまったかを考えてみましょう。

例1の訳文の大きなミスはfor freeを訳さずに飛ばしてしまったことです。mayが「許可」としてではなく「可能性」の意味になったのも誤訳です。後ろから訳している時に、同じ前置詞forが2回出てきているのに、もうfor ~は訳したと思い込んでfor freeを「読み落とし」たのでしょう。

例2の英文には多義語や動詞に見える単語が文の中に複数出てきています。文構造を確認しないで、意識に残った単語から全体をなんとなく訳しています。このような自分の都合で読む読み方を私は「勝手読み」と呼んでいます。

どちらの誤読もスラッシュリーディングならば防げます。スラッシュとスラッシュの間を必ず解釈してから先に進むスラッシュリーディングならば「読み落とし」は起きません

【例1】

As you may be aware,/new members/may attend conferences/for free/for the first six months/after joining our community.//

ご存じかもしれませんが/ 新規メンバーは/ 会議に出られます/無料で/ 6カ月間/私たちのコミュニティーに入った後に。//

英語の語順で読むことで、複数の品詞がある多義語も正しい役割で理解できるようになります。「楽に読める」のところで紹介したように、SV(主語+述語)を最初に理解するのでどれが述語かで迷うこともなくなります。

【例2】

The marketing research teams/usually present/the detailed customer satisfaction surveys/at the annual conference.//

市場調査チームらは/ 通常発表します/ 詳細な顧客満足度調査を/ 年次総会で。//

このようにしてスラッシュを入れて、英語の語順で読み進めることは、元の英文に忠実に理解するのに助けになります。ここで、こんな疑問を持つ方もいるでしょう。

TOEICでは問題用紙の長文に書き込みは禁止ですよね。それでも役に立ちますか?

スラッシュリーディングは最終目標ではなく、英語の語順どおりに速く、楽に、正確に読む道筋をつくる手段です。言ってみれば自転車の補助輪。目標はスラッシュを外しても英語の語順で読み進められるようになることです。自転車を乗りこなすように、英文も読みこなせるようになることを目指して、まずはスラッシュを入れながら「速く」、「楽に」、「正しく」英文を読むトレーニングをしましょう。

次回はスラッシュリーディングを実践するために、スラッシュを入れる目安や練習の方法をご紹介します。

スラッシュリーディングのトレーニングにおすすめの一冊

冒頭でもご紹介した岩重先生のご著書『TOEIC(R)L&Rテスト Part 7を全部読んでスコアを稼ぐ本』では、今回岩重先生にお話ししていただいたスラッシュリーディングを中心に、さまざまなトレーニングを通して、「戻り読み」「繰り返し読み」「訳し読み」を排除し、「一直線」に読む力を養うことができます。

この本で、一生モノのリーディング力を身に付けて、長文読解の悩みを根本から解決しませんか?

TOEIC対策の動画を毎週配信している『【TOEIC対策】猛牛ちゃんねる』が岩重先生にインタビューを行い、本書の魅力を紹介しています。ぜひご覧ください。

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協力:アルク広報部

岩重理香

岩重理香(いわしげ りか)大学、企業でTOEIC対策を指導する講師。TOEIC講師歴は15年にわたり、これまで800人以上のスコアアップ(最高250点アップ)に貢献してきた。茨城キリスト教大学大学院で英語学を学ぶ。
共著に『TOEIC® テスト基本例文700選)』(アルク)、TOEIC® TEST鉄板シーン攻略シリーズ『読解 (Part 7)』、『全パート集中!』(ジャパンタイムズ)、執筆協力に『TOEIC®L&Rテスト「直前」模試3回分』『TOEIC®テスト リーディングだけ300問』(共にアルク)など。ほかに、通信教育、インターネット教材なども手掛ける。