「それは困ります」を英語2語で言うと?【スティーブ・ソレイシィ】

2020年4月に、スティーブ・ソレイシィさんの大ベストセラー『 英会話なるほどフレーズ100 』が発売20周年を迎えました。前回『 英会話なるほどフレーズ100 』からお届けした連載 「にじゅうまるフレーズ」 が大好評でしたので、本連載では『 英会話ペラペラビジネス100 』から選りすぐりの英会話表現を紹介します。皆さんの「英語の得意表現」を増やしていきましょう。第5回は「それは困ります」です。

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丁寧?命令口調?意外と間違いやすいpleaseの使い方

pleaseは間違いやすい単語の1つです。pleaseは日本語の「~ください」「~してください」と同じ意味で使う丁寧な表現だと思われがちですが、欲しいものを伝えるときの「欲しいもの+please」や、してほしいことをお願いするときに 「してほしいこと+please」で表現すると、上から目線の印象を与えてしまう場合があります

例えば「待ってください」を、Please wait.や、Please wait here.のように言うと命令口調に聞こえてしまいます。むしろ、 Just wait here.と言う方がマイルド になります。

なぜなら、Please wait.や、Please wait here.は、完全な文ではないからです。pleaseを使って 丁寧にお願いするなら、 Would you please wait here?のように完全な文 にして言うとよいでしょう。

また、「いかがですか?」と何かをすすめられたときに、Yes, please.という定番の表現があります。これは丁寧な返答ですが、数を加えてTwo please.(2つください)という返答をたまに聞くことがあります。これを丁寧に言うならCould I have two please?のように、pleaseを完成した文の中で使うようにしましょう。

丁寧にやめてほしいことを伝えるなら「please+don’t」

実は、 pleaseは丁寧に注意するときにぴったりな言葉 なのです。

相手に「そうしないでください」と言いたいときに、 No , no , no .とつい口から出てきてしまいそうになりませんか?この言い方はストレート過ぎますし、「だめ、だめ、だめ」と聞こえるため、子どもっぽい印象を与えてしまいます。同じように、Stop, stop, stop.もまたNG表現です。そんなとっさのときに、 失礼がなく、丁寧で、確実に伝えらえる言い方が、Please don’t. なのです。

これなら、相手に丁寧に注意を促すことができます。また、指や手で?マークを作っても、通じる確率は低いですし、場合によってはマナー違反になることもあるので注意しましょう。 ビジネスではPlease don’t. と言いましょう。

Please don’t.

それは困ります。

さらに、 「Please don’t+動詞」で丁寧にやめてほしいことを 具体的に 伝えられます。

こちらもよりソフトに言いたいなら「Just don’t +動詞」と言ってもよいでしょう。例えば、「忘れないでください」なら、Please don’t forget.よりもJust don’t forget.の方が優しい響きがあります。

肯定的なお願いには、 Would you please ~?や、Could you please ~?という言い方がありますが、やめてもらいたいときには、Could you don’t please?とは言わず、Please don’t.と覚えておきましょう。瞬間的に「やめてください」と言いたいときには、 Please don’t.は最も 有効 かつ丁寧な言い方 です。

その後に「こうすればいいですよ」と付け加えるとさらに丁寧な対応となります。例えば、次のように、できるだけ代替案を示しましょう。

Please don’t use this area . You can use that area .

こちらのエリアは使わないでください。あちらならお使いになれますよ。

今日の英会話

A: OK. I’ll show this to the president.

B: Please don’t. It’s just a draft .

A: But we need this document for the meeting tomorrow.

B: OK. I’ll bring the final copy tomorrow.

A: Please don’t forget. And the meeting starts at 9. Please don’t be late.

B: OK. Please don’t put pressure on me.

A: では、これを社長に見せてきます。

B: それは困ります 。ただのドラフトですから。

A: だけど、明日の会議にこの書類が必要なんですよ。

B: わかりました。明日、最終版を持ってきます。

A: 絶対に忘れないでくださいね 。会議は9時開始ですから。 遅れないでくださいよ

B: はい。 プレッシャーをかけないでください

EXERCISES

次の日本語を英文にしてみましょう。

 それは困ります。申し訳ありませんが。

 もし何か必要な場合は、遠慮なくお尋ねください。

解答例は記事の最後をご覧ください。

※ 本記事は『英会話ペラペラビジネス100』の内容をもとに構成しています。

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EXERCISESの解答例

 Please don’t. I’m sorry about that.

 If you need anything, please don’t hesitate to ask .

スティーブ・ソレイシィ(Steve Soresi )
アメリカ・フロリダ州出身。1990年英語指導助として岐阜県に初来日。1998年早稲田大学大学院政治経済学部でマスコミュニケーション理論を学び同大学院修士課程を修了。2009年青山学院大学大学院国際政治学研究科博士課程を修了。拓殖大学、東洋英和女学院大学の専任講師を経て、2011年ソレイシィ研究所(株)を設立。現在、同研究所の代表として日本の「英語が使える国の仲間入り」を目指した英語教材の企画開発、英語教授法の研究と人材育成、英会話コーチ、セミナー、公演などを行っている。BBT大学教授。NHKラジオ第2放送「英会話タイムトライアル」講師(2012年4月~現在)。

編集 増尾美恵子

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