「成功を祈る」をネイティブっぽく英語で言うと?【デイビッド・セイン】

英語を話すとき、「いつも同じ表現ばかり使っているなあ」と感じることはありませんか?アルクでもおなじみ、デイビッド・セインさんが、学校では習わないけれど英語ネイティブはよく使うスマートな英語表現を紹介します。「成功を祈るよ」ってカッコよく伝えるにはなんて言えばいいのでしょうか?

「頑張るあの人を応援したい!」、そんなときにピッタリのフレーズ

スポーツの試合を見ていると、思わず盛り上がって応援したくなるもの。そして日常においても誰かが何かに向けて頑張っていたら、何かしら声をかけたくなりますよね。そんなときに使ってほしいフレーズを今回は紹介したいと思います。

keep one’s fingers crossed

このkeep one’s fingers crossedは「指を交差させたまま」という意味ですが、「人さし指と中指を交差させる」ジェスチャーにピンと来る人はいますか?

アメリカの映画などをよく観る人は、「見たことある!」と思うかもしれません。実はこれは「幸運を祈るよ」と、これから何か挑戦しようとしている人に対して使うジェスチャーとフレーズなんです。

A: Tomorrow is your interview with your first-choice company, right?
B: That’s right. I’m really nervous.
A: You’ll be fine. I’ll keep my fingers crossed.

A: 明日はいよいよ第1希望の会社の面接だね。
B: そうなんだ。すごく緊張するよ。
A: 君ならきっと平気だよ。成功を祈ってるよ。

上記のように、大事な面接、発表会、試合など、これから本番のようなものを控えた人に向かって言うフレーズになります。

この、中指を人さし指に引っ掛けた形は「十字架」を意味していて、もともとはクリスチャンが悪いことに遭遇したときなどに、十字架を厄払いとして使っていたことから、「幸運を祈る」というニュアンスで使われるようになったようです。

ですから、「相手がこれから臨むことが無事に終わりますように」と成功するよう願う、というイメージで使います。


チームや仲間みんなで頑張っている場合

またチーム一丸となって、何かに挑戦しているようなときにも以下のように使います。

A: Next week is the match with our rival team.
B: Yeah, we did our best. Let’s keep our fingers crossed.

A: いよいよ来週、ライバルチームとの試合だね。
B: やるだけやったよね。あとは成功を祈ろう!


頑張ってきた自分の幸運を祈る場合

また、「うまくいくといいな」と自分自身の幸運を祈るようなときは、次のように使います。

I’m keeping my fingers crossed that my violin concert goes well.
バイオリンのコンサート、うまくいきますように。

I’ll meet my girlfriend’s parents tomorrow. I’m keeping my fingers crossed that it goes well.
明日、彼女の親に会うんだ。うまくいくといいな。


何かに臨む・挑む自分を応援してほしい場合

反対に、自分がこれから何かに臨む場合は、

Keep your fingers crossed for me.
幸運を祈ってて。

と言います。for meは省略することもあります。もう一つ、Wish me luck.も同じくよく使うので、併せて覚えておきましょう。

A: Did you say it’s your first date with Katie tomorrow?
B: Yeah. Wish me luck.

A: 明日、ケイティーと初デートなんだって?
B: そうなんだ、幸運を祈ってて。

もう一つ、fingerを使ったよく使う表現があります。have a finger in the pieは、逐語訳は「パイに指を突っ込む」です。なんとなくイメージできますか?

これは「~と関わる」「~に首を突っ込む」という意味です。have a finger in every pieという言い方もあり、「何にでも口出しする」という意味になります。

A: My mom always has a finger in every pie. Especially when it comes to me.
B: I get it. My mother peeks at my smartphone too.

A: 母親って、何でも首を突っ込みたがるよね。特に私のこと。
B: 分かる。うちのママも私のスマホ、のぞいてくるもん。

友達や関わっている人たちが大事なイベントを控えて、心配そうだったり、緊張しているようなら、何かしら声をかけてあげたくなりますよね。

そんなときはこういったフレーズを使うことで、こちらの気持ちも伝わり、コミュニケーションがより深まります。ぜひ、ジェスチャーを付けて使ってください。

東京・根津エリアを散策するデイビッド・セインさん。

「小耳に挟んだ」をネイティブっぽく言うと?


デイビッド・セインさんの書籍:3ステップで鉄板フレーズを習得できる

デイビッド・セインさんの著書『10年ぶりの英語なのに話せた!あてはめて使うだけ英語の超万能フレーズ78』では、①フレーズを覚える ②ドリルで練習 ③ロールプレイで実践 の3ステップで、スムーズに会話を始められる英語表現を習得できます。「初対面での会話」「お願いする」「ものを尋ねる」などの場面ごとに、ニュアンスの違いも含めてしっかり解説します。


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デイビッド・セイン David Thayne
デイビッド・セイン David Thayne

英会話教室「A to Z English」代表。アメリカ出身。日本人に合う、日本人のための英語学習法を考え続けて約40年。これまで累計400万部の著作を刊行してきたベストセラー著者。現在も自ら英会話を教えている。「日米バイリンガル」として、日常会話からビジネス英語、TOEICに至るまで、幅広く教えている。NHK英語番組雑誌監修、日経・朝日・毎日新聞での連載などメディア出演多数。著書に『爆笑!英語コミックエッセイ 日本人のちょっとヘンな英語』『10年ぶりの英語なのに話せた!あてはめて使うだけ英語の超万能フレーズ78』(どちらもアスコム)などがある。Youtubeチャンネル:【公式】AtoZ English Instagram:atozenglish_teachers

●写真:山本高裕
●作成:2020年1月31日、更新:2024年4月16日

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