「頑張れ!」って励ますとき、ネイティブなら英語でなんて言う?【デイビッド・セイン】

英語を話すとき、「いつも同じ表現ばかり使っているなぁ」と感じることはありませんか?連載「サラッと言いたいネイティブの英語」は、学校では習わないけれど、英語ネイティブはよく使う、自分もちょっと言ってみたいと思えるスマートな英語表現を紹介します。

つらい試練に耐えている人を励ます英語表現

今回はつらい状況にいる人に使える 便利なフレーズをご紹介したいと思います。

Hang in there.

Hang in there.という表現です。hangは洋服を掛けるハンガーからもわかるように、「~をつるす」とか「垂れ下がる」という意味があります。

そこに垂れ下がれという意味ですが、ニュアンス的には「そこに食らい付いていろ」とか「しがみ付いていろ」というイメージで、困難に直面している人に「諦めずにそこにしがみ付いていろよ」と応援するときに使います。

例えば何かの試験に向けて頑張っている、とか つらい試練に耐えているような状況にいる人に対して使うことができます。会話での使い方を見ていきましょう。

A: I still haven’t secured a job.
仕事が全然決まらないんだ。

B: Hang in there. You’ll definitely get one. Don’t panic.
頑張って。絶対に決まるわよ。焦らないで。

このように、何かを志している最中の人が弱音などを吐いたとき、「そのままそこで頑張って!」と諦めさせないような応援フレーズになります。ここでのthereは実際の場所というよりは、現在その人が置かれている状況を指しています。

相手の置かれている状況が困難であることを理解しつつも、なんとか乗り越えれば、きっと報われるからという気持ちを込めて使います。

A: I was dumped by Jessica.
ジェシカに振られちゃった。

B: Hang in there. There are plenty more fish in the sea.
気を落とすなって、ほかにもいい子はたくさんいるさ。

このように、恋愛など、日常の場面で落ち込んでいる相手に対しても「へこたれるなよ」「くよくよするなよ」と叱咤(しった)するときに使うことができます。

また、スポーツ観戦の応援で、ギリギリのところで頑張っている選手などにもHang in there!(こらえろ!)などと声を掛けることができます。もう一つ、Stick with it!も同じニュアンスで使えるフレーズなので覚えておきましょう。

A: I failed the exam again.
また試験に落ちちゃったよ。

B: You have to stick with it.
諦めちゃダメだよ。

stickは「~にくっつく」という意味があるので、「~にしがみ付け」のようにhang と似たニュアンスになります。くじけてしまいそうな人がいたら、ぜひ声を掛けてあげましょう。

また、励ますほかに、What’s up?(調子はどう?)などと聞かれたときに、I’m just hanging out.(まあ、なんとかやってるよ)と、あいさつの答えとしても使うことができます。

hangを用いた、よく使う英語表現

ほかにも、このhangを使ったフレーズでとてもよく使うのがhang outという表現です。口語で「つるむ」とか「たむろする」、つまり「遊ぶ」という意味で友人同士でよく使います。

例えば、次のように使います。

A: I’m hanging out with my friends tomorrow night. Do you want to come?
明日の夜、友達と遊ぶんだけど、来ない?

B: Sure, I’m completely free!
行きたい、すごい暇なんだ!

また、これからの予定などを聞かれて、I’m just hanging out with my friend.(ちょうど友達と会うんだ)と、答えることができます。

日本語では「遊ぶ」というのでplayという単語を使いたくなるかもしれませんが、playだと子どもが何かの遊びをするというイメージです。大人が友人たちと「遊ぶ」と言うときはhang outがしっくりきます。日常会話でとてもよく使う表現なので、覚えて使ってください。

あなたの英語の未来は明るい!

人を励ます表現はたくさんありますが、Hang in there!は、声を掛けられるとうれしく、とても力が湧いてくるフレーズです。すでに何かを頑張っている人、頑張っているが困難な状況にいる人に掛ける言葉を覚えて、どんどん使ってみましょう。

英語の勉強を頑張っている皆さん、続けていればきっと身になります。Hang in there! Don’t give up!

東京・根津エリアを散策するデイビッド・セインさん。

セインさんからネイティブの語彙感覚を学ぶ!

より自然な英語らしい表現を選び、ネイティブの語彙感覚を身に付けてみませんか?例えば、「許す」という日本語に対して、英語の allow ・ permit ・forgiveの使い分けについてなど、意味は似ていても、ニュアンスや用法が異なる表現の使い分けを、クイズ形式で分かりやすく解説します。状況にぴったり合う英語表現を学んで、相手に誤解を与えずに自分の思いを伝えられるようになりましょう。

デイビッド・セイン David Thayne
デイビッド・セイン David Thayne

英会話教室「A to Z English」代表。アメリカ出身。日本人に合う、日本人のための英語学習法を考え続けて約40年。これまで累計400万部の著作を刊行してきたベストセラー著者。現在も自ら英会話を教えている。「日米バイリンガル」として、日常会話からビジネス英語、TOEICに至るまで、幅広く教えている。NHK英語番組雑誌監修、日経・朝日・毎日新聞での連載などメディア出演多数。著書に『爆笑!英語コミックエッセイ 日本人のちょっとヘンな英語』『10年ぶりの英語なのに話せた!あてはめて使うだけ英語の超万能フレーズ78』(どちらもアスコム)などがある。Youtubeチャンネル:【公式】AtoZ English Instagram:atozenglish_teachers

  • 写真:山本高裕
  • 作成:2020年3月27日、更新:2024年10月22日

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