スピーキング力を上げる3つのコツ。ネイティブとの会話を楽しむ英語表現【デイビッド・セインの知っ得英語辞典】

ネイティブスピーカーの人たちと普通に会話を楽しみたい――。そのために英語学習に取り組む方々に向けて、デイビッド・セインさんが英語スピーキングのコツを伝授します。自然な相づち、お決まりフレーズ、もう一言付け足す工夫を押さえて、会話を続ける力を身に付けましょう。

スピーキング力を上げるには?

英語を教えている立場上、よく「英語学習」についての質問を受けます。いちばん多いのは「スピーキング力を上げるにはどうすればいい?」というものです。

質問をいただく多くの方は、文法の勉強を学生時代にたくさんされていたり、英会話スクールに通ったりと、ご自身で努力をされているようですが、それでもなかなか「話せるようにはならない」というのです。

回は、私がそんなときにアドバイスしている「スピーキング力アップのコツ」を3つに絞って挙げてみました。

コツ1:場数を踏んで自然な相づちを身に付ける

SNSの普及で、英語に触れる機会は格段に増えています。ですから、まずは「英語を使う場面を自ら作り上げること」が大切です。

訪日外国人も増えていますし、X(旧Twitter)やInstagramなど、自ら飛び込めば、コミュニケーションを取ることは以前よりも敷居が下がっています。誰かの投稿にコメントしたり、困っている外国人がいたら進んで助けたりするだけで、チャンスはいくらでも増えていきます。

場数を踏むことで、自然な会話の流れを体感できるようになります。

いくらフレーズだけ覚えても、それを使う場面や、「間」などは実際に使ってみないとなかなか分からないもの。英語の上達が速い人と遅い人の違いはそこにあるのではないでしょうか。

また、自然な会話と切りはずせないのが「相づち」です。

「難しい文法を使ってないのに、とても上手にコミュニケーションを取るな」と思う人がネイティブと話すところをよく見ていると、ほとんどの方が、相づちを自然に打ちながら会話を進めていることが分かりました。

少々英語が間違っていても、適度に相づちを打ち、身振り手振りを交えながら話すと、思いのほかスムーズに会話が進むのです。

会話を見てみましょう。2人の会話でBの相づちの打ち方を参考にしてみてください。

相づちの打ち方が分かる会話例

A: Did you hear about Mike?
B: No.

A: マイクの話聞いた?
B: いいや。

A: It seems he had a big fight.
B: With who?

A: 大ゲンカしたらしいよ。
B: 誰と?

A: With Josh, the boss.
B: Really?

A: ボスのジョシュと。
B: 本当?

A: Apparently it was difficult to calm him down.
B: I can imagine...

A: なだめるの大変だったらしいよ。
B: 想像できるよ・・・。

A: It seems they were both drunk though.
B: I see.

A: お互い酔っぱらっていたみたいだけど。
B: なるほどね。

A: Ah, and so today's meeting is postponed.
B: Got it.

A: ああ、それで、今日の会議は延期だって。
B: 了解。

A: I'm going home now. Have a nice weekend.
B: You too.

A: 俺は帰るよ。よい週末を。
B: 君もね。

コツ2:自信をもって言える「お決まりフレーズ」を増やす

もう一つ大切なのは、使える表現の在庫を増やすことです。

そもそも頭に入っていないものを口から出すことは絶対にできません。スピーキング力(=アウトプットする力)は、表現をどれだけ頭に入れたか、すなわちインプットの量に大きく関係します。

このインプットのときに大事なのが、自分が使いそうなフレーズから頭に入れることです。やみくもに覚えようとしてもなかなか頭に入らず、時間もかかるので、自分の直面しそうな場面をイメージして、そのときに使いそうな「お決まり表現」から覚えていくほうが効率的です。

ただ、直訳しただけの文よりも、ちょっと気の利いたフレーズを使ったほうが相手との距離はぐっと縮まります。

たとえば、道を聞かれて別れ際にお礼を言われたとき、No problem.(どういたしまして)とだけ返すよりも、Have a nice trip.(よいご旅行を)なんてちょっとしたひと言を付け足してみましょう。「コミュニケーションを取った!」という実感がわき、楽しさが違ってきますよ。

こうした経験が「もっと話したい」という良いスパイラルにつながり、英語学習へのモチベーションをキープできるのです。

直訳からは出てこない、お決まりフレーズ例

  • レストランの接客:How was everything?(お味はいかがでしたか?)
  • タクシーで:Couldn’t be better.(とてもいい気分です)※タクシーやホテルであいさつされたときに。
  • ビジネスで:Don’t push yourself too hard.(無理しすぎないでね)
  • 家に招待して:Make yourself at home.(ゆっくりしていってね)

コツ3:もう一言情報を付け足す

使える表現を増やし、それを使う場数を踏むことで、だいぶ英語が口から出やすくなります。

ただ、会話をより弾ませるためには、スキルをもう一つ身に付ける必要があります。ここで皆さんにお伝えしたいのが「もう一言付け足す」技です。

たいていの場合、初対面の人と1往復のキャッチボールをすることは容易だと思います。しかし、2往復、3往復となるとハードルが急に上がってしまいます。たとえば、今初めて会った方に出身地を聞かれたとして、その質問に答えるだけでは、すぐにキャッチボールが終わってしまいます。

そこで、意識的にもう一つ情報を付け加えるのです。具体例を見てみましょう。

もう一言足して会話を続ける例

A: Hi, I’m Ellen, Ellen White. And you are...?
B: I’m Toru Tanaka. Nice to meet you.
A: The pleasure is mine! Where are you from?
B: I’m from Okayama. It’s famous for peaches.
A: I like peaches. I can eat them every day.

A: こんにちは。私はエレン・ホワイトです。あなたは・・・?
B: 田中トオルです。会えてうれしいです。
A: 私の方こそ!ご出身は?
B: 岡山出身です。桃で有名です。
A: 私は桃が好きで、毎日食べられるくらいです。

このように、新たな情報を一つ加えるだけで、初対面の人でも「言葉のキャッチボール」を続けられるようになります。

これは英語にかかわらず、会話を弾ませるテクニックですよね。人とコミュニケーションを取る際に何よりも大事なのは「好奇心」と「人の役に立ちたいという気持ち」です。少々間違ってもいいので、英語でのコミュニケーションを楽しんでくださいね!

東京・根津エリアを歩くデイビッド・セインさん(写真:山本高裕)

デイビッド・セインさんの本

英語を勉強していて、いまいち例文が頭に入ってこない……。そう思う人は少なくないのでは?本書は、思わず覚えたくなるような、個性的な例文を取り上げています。

また、おもしろフレーズをただ英語にしただけでなく、その英語から、英語を勉強するうえで知っておきたい数々の言い回しなども、併せて紹介しています。

David Thayne(デイビッド・セイン)
David Thayne(デイビッド・セイン)

米国生まれ。証券会社勤務後に来日。日本での30年にわたる英語指導の実績を生かし、AtoZ GUILDと共同で英語学習書、教材、ウェブコンテンツの制作を手掛ける。これまでに累計400万部を超える著書を刊行し、多くがベストセラーとなっている。NHKテレビのレギュラーとしても登場。ほか日経・朝日・毎日新聞等に連載。企業・学校等でビジネス英語、TOEIC、おもてなし英語、日本文化を英語で紹介する講演会やセミナーも開催する。「AtoZ English」を主宰。

AtoZ English:https://www.smartenglish.co.jp/

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