映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれですぐに使える英語表現を毎回1つ紹介します!
今日のおすすめ表現
Ditto!
今回は単語たったひとつの表現をご紹介します。“Ditto”で、「ディトー」と発音します。日本語で言えば、「右に同じ!」という意味です。
本来の意味は、「同上」(または同前)で、繰り返しを避けるために付ける“Ditto mark”のこと。日本語でも「〃」(ノノ字点)で表現されるあの記号です。ちなみにこの「〃」、英語で記号として使う場合は、「ダブル・クオーテーション・マーク」(”)を使います。
会話の中で、「今の人と私も同じ意見です!」とカジュアルに言いたい時は“Ditto!”と言いましょう。
表現の出どころ
今月の表現は、12月ということでクリスマスの雰囲気を楽しめる作品から選びました。クリスマス映画の定番『ラブ・アクチュアリー』(原題:Love Actually)です。
2003年に公開されたロマンティック・コメディ映画で、『フォー・ウェディング』(1994年)、『ノッティングヒルの恋人 』(1999年)、『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)など、イギリスの「ラブコメ」名作を手がけた脚本家リチャード・カーティスが初めて監督としてメガホンをとった作品です。
「Love Actually」って文章としては中途半端で、一体どういう意味なんだろう? と思ってしまいますよね。映画のオープニングに、その答えが出てきます。
この作品が公開された2003年といえば、2001年のアメリカ同時多発テロ事件からまだ間もなく、世の中が恐怖や憎悪に溢れているように感じてしまった時代。でも、イギリス首相デイヴィッド(ヒュー・グラント)のこの言葉で映画が始まります。
この作品は、イギリスのロンドンで暮らす20人近い人たちの、クリスマス5週間前から当日までの期間の愛を追った物語。バラバラに展開しているかのように見える映画ですが、最終的にはここに出てくる全員が実は何らかの形で関わっているという、「グランド・ホテル形式」で描かれています。
クリスマスにぴったりの、ほっこりとした気分になれるでしょう。
表現の使い方
今回の表現は、映画で取り上げられるカップルの1つ、代役俳優ジョン(マーティン・フリーマン)と代役女優ジュディ(ジョアンナ・ペイジ)のやり取りで出てきます。
アダルト映画の「ボディダブル」(辞書で“body double”とひくと「影武者」などと載っていますが、映画のヌードシーンやアクションシーンなどで俳優の代わりを務める役者のことも意味します)として知り合ったジョンとジュディ。セクシーなシーンをお互い裸で撮影しながら、楽しいおしゃべりをするうちに2人の距離は縮んでいきます。
ジョンはジュディに、
It’s lovely to find someone I can actually chat to.
ちゃんと話ができる相手が見つかってうれしいよ。
と言います。
ジュディは
Thank you. And ditto.
ありがとう。私もよ。
と答えます。
2人はボディダブルとして濃厚なシーンを演じているにも関わらず、純粋な恋愛が芽生えていく、そんなギャップが楽しめるカップルです。
まとめ
たったひとつの単語“Ditto”、簡単だからすぐに覚えられますよね!「右に同じ」「私も!」などと言いたいときは、“Ditto”をぜひ使ってみてください。
文:松丸さとみ
フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。
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編集:GOTCHA!編集部