映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれで すぐに 使える英語表現を毎回1つ紹介します!
今日のおすすめ表現
There’s no point (in) ~ing.「そんなことをしてもムダだ」「意味ないよ」と言いたいときに使える表現 です。前置詞のinは省略可能ですが、後に続く動詞は動名詞(doing)になります。
表現の出どころ
今回の表現の出どころは、 前回 も取り上げた、公開から16年後の今でもクリスマス映画として愛されている『ラブ・アクチュアリー』(原題:Love Actually )です。
去年の今頃は、オランダの国会議員キーズ・バーホーベン氏がこのシーンをパロディーにして、ブレグジットがこう着状態になったイギリスのテリーザ・メイ首相(当時)の自宅を訪れ(もちろん本人じゃありませんよ!)、「早く決めて」と訴える 動画メッセージ がソーシャルメディアで話題になっていました。パロディー動画が話題になるということは、それだけ元ネタであるこの映画のシーンが愛されている証拠ですね!
表現の使い方
作品の中でこのせりふを言うのは、アメリカの大統領(ビリー・ボブ・ソーントン)。英米首脳陣による会議で自国の 方針 を譲らなかった大統領は、会議の後、イギリス首相のデイヴィッド(ヒュー・グラント)にこう言います。
There’s no point in tiptoeing around today, then just disappointing you for four years.“tiptoe”は「爪先」のことですが、“tiptoe around ”は、「(問題などを)避けて通る」という意味で、動詞として使うこともできます。 何かを避けようと爪先立ちで「抜き足差し足」しているイメージ をすれば覚えやすいですね。今日問題を避けておいて、その後4年間あなたを落胆させ続けるのは意味がないですから。
今日ここで問題をうやむやにして、その後4年間(イギリスの次期総選挙までの期間) *1 、期待を持たせても仕方がないから、今、はっきりさせたのだ、と大統領は言っているのです。
よく聞く英語のことわざで“It is no use crying over spilt milk.”(こぼれた牛乳を泣いてもムダ=覆水盆に返らず)というものがありますが、この“It is no use ”を“There’s no point in”に言い換えても同じ意味になります。
まとめ
「~してもムダ」は“There’s no point in doing.”が正式な言い方ですが、“in”を省略して“There’s no point doing.”と言うこともできます。ポイントは、動詞にingを付けて動名詞にすること。
「何がムダか」を言葉にしなくてもはっきり伝わるような状況なら、“There’s no point .”だけでも、「意味ないよ!」という気持ちが通じます。
本連載がEJ新書になりました!
本連載「映画で英語」がEJ新書(電子新書)になりました!たっぷり14作品から使える英語表現をご紹介するお得な1冊。「映画で英語を学びたいけれど、何から始めたらいいの?」という方にぴったりです。追加原稿も加わり、さらにパワーアップ!
▼ご購入はこちらから
- 作者: 松丸 さとみ
- 発売日: 2021/02/08
- メディア: Kindle版
文:松丸さとみ
フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。
Blog: https://sat-mat.blogspot.jp/
Twitter: https://twitter.com/sugarbeat_jp
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。