アジアへの海外出張、旅行に行く前に、日本ではびっくりだけど現地では当たり前の各国のルールを知っておきましょう。中国、タイ、インド、ベトナム、シンガポールの「あるある」をご紹介します。
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目次
中国の場合
とにかくやたら飲まされる
中国のお酒の席では守るべき独特なルールがあります。中国に出張、旅行で行く場合は覚えておくと便利かもしれませんよ。
- お酒は誘い合って飲む
「飲みに行こう!」と誘い合うわけではなく、手元にあるお酒を勝手に一人で飲んではいけないというルールです。周りを見渡して、手が空いている人を見つけたら相手に合図を送り、グラスを向けて「一緒に飲みましょう」と誘います。ひとりでちびちび酒を飲むのは相手に対して失礼な行為でマナー違反です。 - 飲む量を確認し合って飲む
「干杯」(ガンベイ・飲み干す)、「半杯」(バンベイ・半分飲む)、「随意」(スェイイー・好きなだけ飲む)と、お互いに飲む量を確認し合ってから飲みます。 - 「干杯」と言ったら杯を全部飲み干す
「干杯」と言ってしまったら、一気に飲み干し、飲み残しは許されません。完全に飲み干し、グラスの底を相手に見せて、お酒が残っていないことを確認し合います。
中国の宴席は飲むことで人間関係を深め、相手との距離感を縮める大切な場になります。ぜひルールを知って、楽しく飲んでくださいね。
お土産はひとり1個が原則
中国にお土産を持っていくときに注意すべき点が2つあります。
- 「つまらない物ですが」はNG
「陳さん、つまらない物ですが、どうぞ皆さんで召し上がってください」といった言い方はNG。中国人に対しては「私が自信を持って選んだお菓子ですから、絶対に陳さんの口に合うはずです」くらいの表現が、相手にも伝わりやすく、喜ばれます。 - お土産はひとりに1個が原則
「皆さんで召し上がってください」は要注意。中国では「贈り物」とは基本的に「個人」が「個人」にプレゼントするもの。「これは陳さんに買ってきたとてもおいしいお菓子です。陳さん、ぜひ召し上がってください」でOK。陳さんがみんなに配るかどうかは陳さんの判断です。基本的にお土産はひとりに対し1個が原則なので相手のスタッフの人数分を買っていくべきでしょう。
お土産で「渡してはいけないもの」もあるので、こちらの記事を参考にしてみてください。
中国についてもっと知りたい人はこちらの書籍もおすすめです。
タイの場合
ドタキャン多め
タイでは企業との面会であっても、先方の都合で当日ドタキャンされることが多いんだそう。ドタキャンを防ぐには次の2点は押さえておきましょう。
- 近い日時でアポを入れて前日か当日朝に確認
できるだけ近い日時でアポを取ることが重要ですが、日本から出張で行く場合は、1カ月くらい前までにはアポを確定させないと諸々の手配ができません。その場合には渡航が近づいたら、再確認の連絡を入れ、さらに前日または当日朝に連絡しておくことをおすすめします。 - 交通渋滞の時間帯は避ける
バンコクは交通渋滞が多く、時間が読めないため、通勤時間帯(午前8~9時前後)や終業間際(午後5~6時)は外すのが無難です。
面会の目的を具体的にしておかないと、ドタキャンされる確率もあがります。現地にコネクションがない場合、アポ取得を代行してくれるサービスもあるので、それを利用してみては? こちらの記事で紹介しています。
自撮り大好き
タイの人たちは自分自身の写真を撮るのが大好き。でも次のことに気を付ける必要があります。
- SNSにアップされる前に伝える
世界主要都市の中でもバンコクのFacebook利用率は高く、「今、ランチ中」「~モールで買い物をしています」など生活の一部始終をアップする人も。タイでは他人のプライバシーに関する意識が日本と比べて低いので、一緒に撮った写真が無断でアップされていたり、プライベートな情報について言及されていたり、ということもあります。やんわりと「勝手に使わないでね」と伝えることが必要です。
タイについてもっと知りたい方はこちらの書籍をご覧ください。
インドの場合
遠回しな表現はNG
インドでは気遣いより意図を伝えることが優先。日本人は何を言いたいのか分からないことが多いとよくいわれるので、次のことは気をつけましょう。
- 遠回しな表現ではなく要点を確実に伝える
I’ll think it over.(まあ考えておきます)
I’ll let you know when you come again.(また次の機会でも)
といった表現を使ってやんわりと断ったつもりでも、インドの人は文字どおりに受け止め、「結論はどうなったのか?」「次はいつ行けばいいのか?」と、せっつかれることに。
- 社交辞令は通じない
日常の社交辞令も、日本流を通すと誤解のもと。「今度うちに遊びに来てください」とあいさつ代わりに言うと、相手は「いつ呼んでくれるのか」と招待される日を待つことになり、呼ばないと「うそつき」にされかねません。
相手の機嫌を損ねるのではないかと過度に心配するより、要点を確実に伝えましょう。
子どもの頭はなでちゃだめ
日本ではOKでもインドではNGの行動があります。
- 子どもの頭をなでちゃだめ
人の頭は神が宿る神聖なものとされるため、決して他人の頭には触れないように気を付けてください。子どもであっても「いい子だね」と頭をなでるのはタブーです。 - 左手で握手、物を渡すのはNG
ヒンドゥー教では左手は不浄とみなされているため、思わず左手で握手を求めたり、物を渡したりする行為はトラブルを招きます。
その他、耳も神聖視されているので、(あまり触れる機会はないと思うのですが)触れないようにしましょう。インドについてはこちらの書籍で詳しく説明しています。
ベトナムの場合
宴会には必ず参加
ベトナム人は宴会好き。ベトナムならではの宴会ルールがあります。
- 何度も乾杯する
ベトナム人の飲み会では、乾杯の音頭を幾度となく取るのが特徴。しばし談笑して、ジョッキに口をつけようとすると、「乾杯しないのか?」と指摘されます。何十回も乾杯をするのはさすがに大変ですが、ひとりで勝手に飲むのはマナー違反です。 - 誘われたらなるべく出席。断るときははっきりと
飲み会に誘われた際、行きたくないときは、はっきり「行かない」と断りましょう。「考えておく」「今度にしようかな」と曖昧な返事をすると、こちらの意図が伝わらず、出席することにされてしまうことがあります。
喫煙マナーを守らない人も
ベトナムは男性の喫煙率が50%弱と高め。特に中高年世代の喫煙率が高く、マナーもあまりよくありません。
- 「禁煙」と書いてあっても守らず
禁煙のカフェやレストランで、無視して喫煙する男性がベトナムではよく見掛けられます。エレベーターの中やタクシーの禁煙車でも同様。2013年には、タバコによる健康被害の予防法が施行され、喫煙場所以外での喫煙や歩きタバコには罰金が科せられることになりましたが、実際に取り締まっている様子はないようです。 - 女性の喫煙はNG
ベトナムでは、女性の喫煙はよく思われていません。日本人女性がベトナム人と一緒に時間を過ごしている際、無造作にタバコを取り出して口にくわえたら、ベトナム人に驚かれます。可能であれば、タバコを吸う際はいったん席を外しましょう。
ベトナムに行く前にこちらの記事を読んでみてくださいね。
ベトナムをもっと知りたい方はこの書籍がおすすめです。

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シンガポールの場合
行列するのが好き
シンガポール人には意外な特徴が。事前に知っておくと話がはずむかもしれません。
- 行列に並ぶのが好き
人が行列に並んでいるというのは、つまり、たくさんの人が欲しがっているということ。シンガポール人は、自分も手に入れないわけにはいかないという競争心理が働くようです。 - 無料、安いものが大好き
おまけやプレゼントなどがあると、争奪戦になったりします。人が「価値ある」と認めたものは、自分も欲しくなるので、流行する物はさらに流行することになります。物の値段にも敏感で、人が持っているものについて「いくらで買ったか」とすぐに聞きます。「人よりも安く買った」「得をした」「人に勝った」という自負が欲しいのです。
こちらの記事も参考にしてくださいね。
何でも契約書に
ビジネスに対しては非常にドライなシンガポール人。何事も曖昧なままにしない特徴があるようです。
- やり取りはすべて契約書などの文書に残す
シンガポール人は、南国の人間にありがちなおおらかな面を持つ一方で、大事なことは全て文書化して契約を交わす欧米式の契約方法を採用しています。お互いにビジネス上のルールを確認する意味でも契約は大変重要で、信用できると感じている相手であっても契約書を交わすのが普通です。
契約書に記すべき内容についてはこちらの記事で紹介しています。
シンガポールをもっと知りたい人におすすめの書籍です。

シンガポールとビジネスをするための鉄則55 (アルク はたらく×英語)
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構成・編集:Natsue Tanaka(GOTCHA!エディター/ライター)