早いもので、間もなく7月。近々、夏休みをとって海外旅行に行く方も多いのでは?そうなるとガゼン気になるのが英会話です。「勉強しておけばよかった~」と思ってももう遅い。旅行までに何とかする方法はないのでしょうか。とにかくすぐに役立ちそう、という観点からこちらの本をご紹介します。
藁(わら)をもつかむ気持ちだが、藁は困る
海外旅行のための会話集はいろんな出版社が発行していますが(アルクもたくさん出しております)、出発まで1週間を切っている状態では、「初心者向け」「らくらく」「3語でできる」みたいな本でも間に合いそうにありません。まさに「藁(わら)をもつかむ気持ち」です。とはいっても、つかんだものが本当に藁では困りますよね。実際に役に立つのかどうか、しっかりチェックしたいと思います!
楽しい旅のコツって何だろう?
そもそも、海外旅行の直前になって、「英会話どうしよう?!」と慌てるのはなぜでしょうか。答えはもちろん、海外旅行を楽しみたいから。では、海外旅行を楽しむコツって何でしょう?
「現地の人とコミュニケーションをとって、ステキな観光地を巡り、地元グルメを堪能して・・・」というのはレベルの高い話。そこまでは望まないとすれば、まずはちゃんと意思表示をすることが大事なのではないでしょうか。何かしてもらったらお礼を言い、注意されたら謝る。そのレベルのことです。
パンフレットなどをもらうときは、こう一声かけてみましょう。
Can I take?
(もらえますか?)
どうでしょう?黙って持っていくより、ずっと印象がよくなったと思いませんか。相手はきっとこう答えてくれるはず。
Sure. Go ahead.
(はい。どうぞ。)
また、相手から、"You can't go in there.(その中には入れません。)" と言われたとき、黙って立ち去ったらこれまたイヤな感じです。でももし、一言こう返したらどうでしょうか。
I see.
(わかりました。)
やはり、相手の受ける印象はだいぶ良くなりますよね。
いくら英語が下手でも、黙っていたり愛想笑いをしたりするだけでは、相手に不信感を持たれるばかり。まずは意思表示をしてみましょう。「黙っているより、まずは話してみること」が、楽しい旅をするコツのひとつ。ガイドさんが付いてくれる場合はツアーの旅行でも、それは同じことではないでしょうか。
本書にはその助けとなる簡単なフレーズがたくさん載っています。
ホントに「1語」で通じるの?
本書をパラパラとめくってみると、さすがに「1語だけ」というフレーズは少ないようです。しかし、一番長くても3語まで。大半は1~2語のフレーズです。
例えば食事をしたいとき。お店が空いているのかどうか迷ったら、こう聞いてみましょう。
Open?
(開いていますか?)
朝食やランチが食べられるかどうか聞きたいなら、こうなります。
Breakfast, OK?
(朝食を食べられますか?)
Lunch, OK?
(ランチを食べられますか?)
また、お店の人が注文を取りに来たとき、まだ決まっていなかったら、こんなフレーズを使ってみましょう。
Not ready.
(まだです。)
I need time .
(時間がかかります。)
注文が決まったらこれですね。
Order, please.
(注文をお願いします。)
いずれも3語以内ですが、だいぶ色々と意思表示ができました。
目指せ!完ぺきバージョン
必要最低限の言い方と、「こうすればよりよい」という言い方をセットで教えてくれるのも本書のいいところです。
例えば、建物の入り口がわからないとき、ひとまずはこちらでOKですが・・・
Entrance?
(入口は?)
もう少し余裕があるなら、こう言えれば完ぺきです。
Where’s the entrance?
(入口はどこですか?)
だいぶ英語らしくなりました。これでも3語。これならやる気が出ますね。
また、ホテルの部屋でお湯の出が悪いととても残念な気持ちになります。まずは、簡単バージョンで何とか現状を伝えてみましょう。
No hot water.
(お湯が出ません。)
これでもOKですが、完ぺきバージョンだとこうなります。
I can't get hot water.
(お湯が出ません。)
とにかく気持ちや現状を伝えたいのであれば簡単バージョン。余裕がでてきたら、完ぺきバージョンも練習しておけば、まさに「完ぺき」です。
CDも付いてこの値段はお買い得!
これまで見てきた通り、旅行前の応急処置としては、なかなか良さそうな本書。驚くのはその値段です。CDも付いて、本体価格550円なり! 税込みでも600円以下です。
巻末には盗難や体調不良など、トラブルに遭遇したときの表現をまとめたコーナーもあるので、この部分に目を通しておくだけでもかなり心強いはず。お守り代わりに持っておいて損はなしの1冊といえそうです。もちろん一通り練習するのがベターであることはお忘れなく。
ともあれ、元気で行ってらっしゃい!