大事! 品詞の意味と見分け方[苦手な人向け英文法]

学生時代、英語が苦手でずっと避けて通ってきた、会社も英語とは縁遠いところに就職した……なのに、急に仕事で必要になるなんて! という方、も多いのではないでしょうか? ここでは英語が苦手という方に向けて、「これさえ押さえておけば大丈夫」という基本的な項目をご紹介していきます。この機会に苦手な英語にちょっとだけ真剣に向き合ってみませんか?

第1回 初めの一歩。まずは品詞を理解しよう!

以下の間違いに気が付きますか?

Do you busy on the 20th?

(20日はお忙しいですか?)

この英文を一瞬でも「正しい」と思ってしまわなかったでしょうか?実はこの英文は「ごく初歩的な文法間違い」をしています。この英文が文法的に正しい かどうか を説明しますと
  • Do you の後には、一般動詞の原形しか来れない
  • しかし busy は形容詞
 

したがって この英文は間違いとなります。これを読んで「すでにこの説明が分からない」と思う人がいらっしゃるかもしれません。ですがこれは本当にごく初歩のルールで「中学1年生の1学期で習う最初のルール」で多くの中学生が理解しています。

Do you busy on the 20th? の間違いに気が付くために、今回理解して覚えてもらうべきものは以下の4つ。

  1.品詞
 2.be動詞と一般動詞
 3.英文には必ず動詞がある
 4.Do you …? と Are you …? を使い分ける

えっ、そんな簡単なことを今さら学ぶの? と思う人もいるかもしれませんが、基本が肝心です。だまされたと思って、これらを順々に理解しましょう。

1.中学で習ったはずの「品詞」とは

 

 動詞、名詞、形容詞、副詞、これらの名前には聞き覚えがありますよね。これらが品詞です。単語を役割や性質で分けたものを「品詞」と呼びます。

日本語で考えてみると意外と簡単です。例えば  

  • 使用…この単語の品詞は「名詞」
  • 使う…この単語の品詞は「動詞」
  • 忙しい…この単語の品詞は「形容詞」
 

といった感じです。どうですか?

日本語の文で品詞の役割を考えてみましょう。

例えば以下の空欄にはどちらが入りますか?

「社内では個人携帯電話の(  )が許されていない」  

使用 ・使う

 

もちろん「使用」ですよね。

 ○ 「社内では個人携帯電話の(使用)が許されていない」
 × 「社内では個人携帯電話の(使う)が許されていない」

となるわけです。

 

「(   )が~する」という日本語の場合、空欄に入れることが可能な単語を「名詞」と分類しています。 したがって 「使用」は名詞です。  

 

一方「使う」の品詞は「動詞」です。動詞は簡単に言えば「動きを表す表現」です。日本語ならば他には例えば

「食べる」「走る」「寝る」「聞く

のようなものがあります。みな動詞です。動きますよね。

英語だと

eat, run , sleep, listen

みな動詞です。

ただ、日本語の動詞は「う段」の言葉で終わりますね。こういうのはみな英語でもみな動詞です。

ちなみに 「社内では個人携帯電話の(使用)が許されていない」を英語にして考えると You aren't allowed to use your private cell phone in the office. となり、 use が動詞として使われており、cell phone, officeが名詞になります。

 

最後に形容詞の例をあげます。

「美しい」「悲しい」「良い」「忙しい」「ひもじい」

英語だと

beautiful, sad, good, busy, hungry

これらは「形容詞」です。日本語はみな「い」で終わる言葉ですね。  

「形容詞」とは「名詞を修飾(説明)する品詞」です。例えば 「美しい花」は 「美しい」が、名詞である「花」を修飾(説明)している、という具合です。名詞を修飾(説明)できる品詞が「形容詞」です。

2.be動詞と一般動詞

 

 英語の動詞には日本語にはない特殊な動詞があります。それが be動詞です。am, are, is 、過去形になると was や were 原形はbe、過去分詞形はbeenです。これらを総称して「be動詞」と呼びます。そうではない動詞を「一般動詞」と呼びます。

 

まとめると  

be動詞:am, are, is, was, were, be, been<これら以外にない>  

一般動詞:have, eat, run , sleep, listenなどたくさんある

 

be動詞は一般動詞と違う特別な役割を持っています。be動詞は基本的に前後が同じものであることを表します。

 

例えば

She is Mary.(彼女はメアリーです)

この場合 She(彼女)= Mary(メアリー)ですね。is はもちろんbe動詞。

ちょっと難しい英文で考えてみましょう。

This account is long overdue.

でもThis account (その口座)= long overdue(支払い期限がとっくに切れている) となります。このような=(イコール)関係を作るのが be動詞の基本的な役割です。

3.英文には必ず動詞がある

 

 英文には必ず「動詞」が必要です。単純な英文なら1つだけ動詞が必要です。例えば「あなたはその本を持っている」という意味なら You have the book. です。have は動詞です。動詞は have1つだけ。「その花は美しい」ならばThe flower is beautiful. です。is は動詞です。be動詞です。is という動詞が1つだけあります。

 

これらを例えばYou are have the book. The flower beautiful. などとしてしまう英語が苦手な人がいます。

 

You are have the book.←これは動詞が連続で2つあるから間違い(areもhaveも動詞)。

The flower beautiful.←これは動詞が1つもないから間違い。

ですね。

 

簡単な英文だと間違いようがないと思ってしまいますが、以下はどうでしょうか?

Our company is have a good bookkeeping system.(わが社は優れた会計システムを持っている)

何か違和感を覚えますか? そう、is が余計ですね。

 

では「あなたは忙しい」という意味の英文を作ってみましょう。You busy でしょうか? busy は形容詞ですよ。動詞がありません。だから間違い。正しくは →You are busy.となります。be動詞は=(イコール)関係を作ります。You(あなた)= busy(忙しい)、となるわけです。be動詞はこのように使うのです。

4.Do you …? と Are you …? を使い分ける

 

この使い分けは簡単です。  

  • Do you の直後には、一般動詞(の原形)しか来ない。  
  • Are you の直後には、名詞か形容詞しか来ない(本当は動詞の~ing形や過去分詞形は来れる。 ただし これは中2以降で習うのですが)
 

ここまで分かれば、最初に聞いたDo you busy on the 20th? が正しい かどうか 判断 できますね。busy の品詞は何でしょうか? 形容詞ですね? Do you の直後には、一般動詞(の原形)しか来ないのです。Do you の直後に busy(形容詞)は来れますか? 来れませんね! Are you の直後には、名詞か形容詞(+動詞の~ing形・過去分詞形)しか来ないのです。Are you の直後に busy(形容詞)は来れますか? 来れますね!

したがって 、 (20日はお忙しいですか?)は  

× Do you busy on the 20th?  

○ Are you busy on the 20th? になります。  

 

これはかなり基礎知識ですが、ここから間違っている人が結構います。例えば Do you hungry? というキャッチコピーを見かけたのですが、みなさんはもうこの間違いにお気づきですね。hungryは形容詞ですから正しくは Are you hungry? です。こういうごく初歩的なところから順々に直していきましょう。

 

文:マウスバード

早稲田大学卒。中高では英語は赤点ばかりの超オチコボレであったが、浪人時代に苦手なりにも受験英語をクリアーする方法に目覚める。未だに英語が嫌いなため、英語が嫌いで苦手な人に教えるのが好き。
ホームページ: 本気で嫌いな英語を何とかする方法
英語学習SNS: Q-Eng

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