英語の成長は「アウトプット量」で決まる!英語コーチング×マインドセット教育を掲げる江口幹太さんにインタビュー

英語を上達させるカギは「量」。完璧を求めるより、まずはたくさんアウトプットすることが大切です。本記事では、書籍『英語はアウトプットが9割』の著者・江口さんが語る、アウトプットを中心とした効果的な英語学習法をご紹介。失敗を恐れず量をこなす重要性、流暢さを支える内面的なスキル、そしてモチベーションを維持する秘訣を掘り下げます。英語力を飛躍的に伸ばしたい方必見の内容です!

江口 幹太
江口 幹太

1998年、大阪府生まれ。高校卒業後に渡米し、シアトルのコミュニティカレッジに入学。サンディエゴ州立大学に編入するが、 2020年、コロナを機に休学し、日本に帰国してSNSマーケティング事業で起業。その後、半年をかけてバックパッカーとして海外を放浪した後復学し、2023年に卒業を控えている。一人でも多くの日本人が自信を持って世界へと羽ばたいていけるよう、現在は世界中の人を巻き込んで英語コーチング事業 "HACHIDORI" に全リソースを注いでいる。

英語上達のカギは「量」!まずはたくさんアウトプットしよう!

―江口さんは『英語はアウトプットが9割』という書籍を執筆されていますが、まずアウトプットの「量」という視点から、その意義について教えていただけますか。

英語に限らず、何か価値のあるものを得るためには、それに見合った時間や労力を投資することが不可欠ですね。どの分野にも“死ぬほど練習する天才”が存在する中で、練習せずに上達しようとするのは現実的ではありません。英語についても、真剣に話せるようになりたい、仕事で使いたい、英語を武器に世界を駆け巡りたいと思うのであれば、それに応じた覚悟を持ち、しっかりとリソースを投入することで成長のスピードが上がりますよね。

ですが、最初から質にこだわり慎重に進めるよりも、まずは基礎を固めるために量をこなすことが大切です。英会話においても、初めから完璧を目指す必要はありません。文法が少し荒削りであっても、場数を踏む中で徐々に力をつけていけば良いのです。

たとえば、これは料理に例えると分かりやすいですね。いくらレシピを暗記しても、それだけでは意味がありません。基本を学んだら、実際に料理を作り、失敗を重ねながら腕を磨いていくものです。いきなり絶品料理を作れる人はいませんが、作り続けることで徐々に上達するのです。

英語学習でも同じことが言えます。日本では完璧主義や点数重視の文化が根強く、これがかえって学習の妨げになることも少なくありません。もちろん、ネイティブのように話せるようになるのは素晴らしい目標ですが、順序を間違えると逆効果です。最初から完璧を求めると萎縮してしまい、場数を踏めずに話せるようにならない悪循環に陥ることもあります。

『英語はアウトプットが9割』というコンセプトは、インプットの重要性を否定するものではありません。むしろ、アウトプット量を増やすことで自然とインプットも増える、ということに焦点を当てています。アウトプットを繰り返す中で、自分に足りない知識や表現を自覚し、それを補う学習が自然に行われるのです。つまり、アウトプット量を増やすことがインプット量を向上させる最良の方法だということです。

そのため、最初は不完全でも構いません。基礎を固めた後は積極的にアウトプットする環境を整えることが、英語を上達させる最大の鍵になります。

流暢さの本質とは?英語力は「外見」だけでなく「内面」を磨くことが大切

―英語を流暢に話すためには、どれほどのアウトプットの「量」が必要だと思いますか?

流暢さとは、ネイティブのような発音や英語資格で高スコアを取るといった「外見的な」分かりやすい要素だけを指すものではありません。それ以上に大切なのは、相手の文化や価値観を尊重しながら、自分の意見を堂々と表現できる「内面的な」力だと思います。相手の顔色を気にすることなく、自分の考えを英語でしっかり主張できる状態こそが、真の流暢さだと考えます。

言語学習は異文化学習と言い換えてもよいほど、その言語にはその土地の文化が深く根付いています。

たとえば日本語では、「すみません」という言葉に複数の意味が込められていますし、「ご馳走様」や「いただきます」といった表現には独特の文化的背景があります。同じように、英語を使いこなすには、その文化や価値観を理解し、それを踏まえて自分の意見を伝え、議論を深める力が求められます。このような洞察力を持ち、英語で意見を主張し、相手と意見を交換できるレベルが、流暢さの基準ではないでしょうか。そのためには、積極的に海外に足を運び、異文化の中で実体験を積み重ねることが必要だと考えます。

もちろん、文法力や語彙力といった基礎が欠かせないのは言うまでもありません。自然で実践的なフレーズを使いこなせることも重要です。しかし、それだけでは十分ではありません。日本人の多くは、発音をネイティブのようにきれいにしたいと考えがちですが、それが英語の本質ではありません。たとえ発音がネイティブ並みであっても、それだけで異文化圏で優れたコミュニケーションができるとは限らないのです。

たとえばインドの方々を見てみると、強いアクセントの英語を話していても、全く臆することなく堂々と話しています。その英語をよく聞いてみると、文法に問題はなく、使われる単語やフレーズも自然で、聞き手もしっかり耳を傾けています。アメリカの大学で学んでいたときも、学生たちは意見を述べることに躊躇せず、どんなバックグラウンドの人にも耳を傾け、敬意を示していました。たとえ意見が異なっていても、それを基盤にコミュニケーションを深めていたのです。

このように、「特定のフレーズを知っている」とか「TOEICスコアが何点以上」というような「外面的」で定量的な指標ではなく、相手と本質的に向き合える「内面的」なスキルを身につけることこそが、真の流暢さだと考えます。英語資格界隈は、「点数」にとらわれすぎです。もっと外の世界に出ていき、英語でのコミュニケーションの本質を肌で感じていただきたいです。

モチベーションを維持する鍵は「具体的な目標」と「前向きなセルフイメージ」

―英語学習に対するモチベーションを維持し続けるためにはどうしたらいいですか?

英語学習が続かない人の多くは、「なんとなく英語が話せたらかっこいい」といった動機で始めている方が多いんです。それも目標の一つといえばそうなのですが、それだけでは漠然としていて具体性に欠けることがあります。例えば、「なんで英語が話せたらかっこいいと思うの?」とか、「そのかっこよさを求める理由は?」と、もっと深く考えてみると良いです。

私がやっているコーチングのスクールでは、「もし今この瞬間、英語がペラペラだったら何をしますか?」という質問をすることがあります。この質問をすると、受講生の方が英語を通じて本当にやりたいことや目標が見えてくるんです。

例えば最近、女優の方が入会されました。最初は「なんとなく英語が話せるようになりたい」といった漠然とした動機だったのですが、この質問を投げかけた結果、「ゲーム・オブ・スローンズのシリーズに出演したい」という大きくて具体的な目標が出てきました。そこから、「それを目標に頑張りましょう」と方向性を定めると、宿題も一度も欠かさず取り組み、レッスンにも全て参加しました。高い目標を言語化することで負荷がかかり、それに必要なアクションプランが出てきますからね。その結果、習慣化に成功し、今では3ヶ月経った後も自主的に学習を続け、どんどん英語力をのばしています。具体的な目標が学習におけるモチベーションの源になるんです。

英語の学習においては、漠然とした目標よりも具体的なビジョンが必要です。例えば「ゲーム・オブ・スローンズに出演したい」という目標があると、そこから逆算してやるべきことが明確になります。単語を覚えるにしても、目標に関連する単語から優先的に取り組むことができますから。

そして、目標設定と同じくらい重要なのがセルフイメージです。「自分は英語を話せるようになる」と信じられるかどうかが、実際の成果に直結します。例えばの話ですが、「タバコをやめる」というケースを考えてみると面白いです。ある人は「今禁煙中です」と言い、別の人は「私はタバコを吸わない人です」と言う。この違いが、最終的な結果を左右するんです。「吸わない人」というアイデンティティを持つ人は、自然とタバコを吸わなくなるのです。

自分をどう定義するかが、行動や習慣に影響を与えるということですね。英語学習においても、「自分は英語を話せる人だ」とセルフイメージを高めることが重要です。このセルフイメージを持つことで、現実の行動を引っ張り上げていってくれるんです。

アウトプットは「ひとり英会話」でもOK!

なるほど!一種の自己暗示ですね!

そうなんです。言葉には現実を変える力があると思います。例えば、ポジティブな言葉を使うことで気分が上がるのもその一例です。こうした現象は非科学的だと批判されることもありますが、「自分は絶対に英語を話せるようになる」と日々自己暗示をかけることが、モチベーション維持には少なくとも役立ちます。

「日本人は英語が苦手」といった固定観念に縛られてしまい、英語に対するセルフイメージが低い方が日本には多い印象です。その結果、自分にはできないと思い込んでしまうんですね。だからこそ、コーチングでは自己肯定感を高めるアプローチも重視しています。自分ならできる、自分は英語を話せるようになると信じることは、とても大切なことです。まずは、理想像をイメージすることができるかどうか、これがスタートラインだと思います。

とはいえ、英語に対するセルフイメージが低いと、英会話などのアウトプットに対する心理的ハードルを必要以上に高くしてしまうひとがいることもわかります。「恥ずかしい」「緊張してしまう」という方は、英語初心者だけでなくたくさんいらっしゃいますので、そういう方は、まずは「ひとりごと」でも良いので、アウトプットすることが重要です。

また最近では、ひとりで英会話の練習ができるアプリもたくさん出てきていて、例えばアルクの「トーキングマラソン」というアプリもその一つです。

初心者向けというよりは、高校レベルの文法をしっかりと学び終えた段階や、英会話レッスンを受けた後のタイミングなんかに活用すると、こういうアプリはとても良いと思います。一定の基礎が整っていると、提示されるフレーズがすぐにイメージしやすくなり、実践的な効果が高まります。特に「基礎を固めたけれど、実際の会話では緊張してしまう」という段階の方にとっては、リハーサルの場として非常に役立つでしょう。

そして緊張や不安の原因は、「間違い」や「沈黙」への恐れにあります。これを克服するには、小さな目標を設定し、成功体験を積むことが重要です。例えば、「毎日3回スマホで練習する」「簡単なフレーズを覚えて使う」などが効果的です。練習を重ねることで自信が生まれ、間違いを恐れず挑戦する楽しさを感じられるようになります。

量を積み重ねることで、自信が生まれ、質が伴っていくという順番が大切です。練習を重ねることで「間違いを恐れる」気持ちが薄れ、自然と「挑戦する楽しさ」を感じられるようになると思います。

「英語を通じて世界に挑戦できる人」を目指す

江口さんが運営しているコーチングサービスについても教えてください。

私がやっているHACHIDORIという英語コーチングとマインドセット教育のスクールでは、英語を話せるようになるだけでなく、「自分の考えを主張する能力」をはぐくむことに力を入れています。学習者に人生観や価値観について英語で表現する課題を通じて、自己表現力を養っていくのです。そうすることで、英語でも意見をしっかり主張できるようになりますし、日本人にありがちな英語に対するセルフイメージの低さを乗り越えていってもらうことも目標としています。

自分のことを英語できちんと説明できるようになるということは、「英語を話す人」に生まれ変わるようなプロセスだと考えているので、この「自己表現を重視したアプローチ」をとることで、英語スキルだけでなく、自信や挑戦心を育む仕組みを提供し、「英語を通じて世界に挑戦できる人」を目指します。

現在は大人向けのサービスが中心ですが、今後は若い世代にも注力し、特に経済的理由で留学が難しい人々に無償の留学支援を提供する機会がつくれないかなと考えています。これにより、次世代の可能性を広げ、日本をより強い国にする一助としたいと考えています。英語学習、そして留学で得られる「自分が変わる経験」を多くの人に届け、日本の価値を次世代に伝えることを目指したいなと思っています。

江口さんが運営するコーチングサービス「HACHIDORI」

HACHIDORI|英語コーチング×マインドセット教育

「ハチドリ」が目指すのは、英語を話すスキルだけではなく、英語を使って夢を叶える力を育むことです。私たちが最初に鍛えるのは「正しい英語」ではなく、カタコトでもいいから「積極的に英語で気持ちを伝える」というマインドセットです。英語力が伸びない原因は、学習方法や教材ではなく、「完璧な英語」を求めすぎて挑戦をためらってしまうことにあります。

ハチドリでは、「まずは英語で伝えてみよう!」という気持ちを養い、実践を通じて英語を自然に使える自分を目指します。この積極的な姿勢が、語彙力の向上やコミュニケーション力の向上を促し、やがて海外でも通用する英語力へとつながります。

・海外旅行で現地の人とお喋りを楽しむ
・仕事で海外進出を果たす
・人生で一度きりの海外移住を実現する

英語は目標ではなく、これらの希望を叶えるための「手段」です。あなたが描く未来への一歩を、ハチドリがサポートします。

SERIES連載

2024 01
NEW BOOK
おすすめ新刊
言いたい!をかなえる 韓国語レッスン【入門編】
詳しく見る

3分でTOEICスコアを診断しませんか?

Part別の実力も精度95%で分析します